January 21, 2006
グリーグは語る -リストの初見演奏能力ー
グリーグは1868年にヴァイオリンソナタを持って、リストを初めて訪問します。その時にリストの初見演奏能力に感動したグリーグの書いた手紙を紹介します。誰に宛てた手紙かはわかりません。
“いいかい、まず最初に知っておいて欲しい。彼はこのソナタを見たことも、聴いたこともない。そして次に、これはピアノパートから独立して、上に下にとヴァイオリンパートがまたがっているのだ。そこでリストはどうしたと思うかね?彼は全体を演奏したよ。ヴァイオリンとピアノ、いやいや、それ以上に音楽を広大に鳴らしていた。彼は文字通り鍵盤全体を駆け巡ったのだ。ミスタッチをすることなしにね。なんという演奏だったであろうか!壮大さ、美しさ、非凡さ、唯一無二の解釈。私はね、笑ってしまったよ ――― 子供のようにね”
過去にこちらのブログで書いた、「ホフマンが持っていた聴いた音楽をすぐに再生できるプレイバック能力」「サン=サーンスに匹敵する初見演奏能力」「ポリーニのような超記憶力」、これらを全て兼ね備えていたリストはやはり只者ではない。
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