Great Pianists of The 20th Century Vol.14来年はリスト生誕200年のリストイヤー

December 22, 2010

ARRAU HERITAGE: LISZT

クラウディオ・アラウ

ARRAU HERITAGE: LISZT

arrau heritage

Disc.1
1.-4. ピアノソナタ S.178
5.-8. ピアノ協奏曲 第1番 S.124*
9.-12. ピアノ協奏曲 第2番 S.125*

Disc.2
1.-12. 超絶技巧練習曲 S.139 (全12曲)

Disc.3
1. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1
  6つのポーランド歌曲 S.480 (ショパン=リスト)
2. 乙女の願い
3. 春
4. 指環
5. バッカナール
6. 愛しい人
7. 家路
8. 葬送曲 S.173/7
9.-11. 孤独の中の神の祝福 S.173/3
12. バラード 第2番 S.171

Disc.4
1. 愛の夢 第3番 S.541/3
2. リゴレット・パラフレーズ S.434 (ヴェルディ=リスト)
3. エルナーニ・パラフレーズ S.432 (ヴェルディ=リスト)
4. トロヴァトーレのミゼレーレ S.433 (ヴェルディ=リスト)
5. イェルサレムのサルヴェ・マリア S.431ii (ヴェルディ=リスト)
6. 《アイーダ》 神前の踊りと二重唱 S.436 (ヴェルディ=リスト)
7. ドン・カルロの祝典の合唱と葬送行進曲 S.435 (ヴェルディ=リスト)
8. ボッカネグラの回想 S.438 (ヴェルディ=リスト)
9. メフィストワルツ 第1番 S.514  

Disc.5
  2つの演奏会用練習曲 S.145
1. 森のざわめき
2. 小人の踊り
  3つの演奏会用練習曲 S.144
3. 悲しみ
4. レジェレッツァ
5. ため息 〔アウグステ・レンネバウムのためのカデンツァ付き〕
6.-9. ピアノソナタ S.178

Disc.6
1. エステ荘の噴水 S.163/4
2. オーベルマンの谷 S.160/6
3. ダンテを読んで ソナタ風幻想曲 S.161/7
4. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5
5. ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6
6. ウィリアム・テルの聖堂 S.160/1

*サー・コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団

Philips 473 775-2
Recorded: 1969-1989

〔メモ〕
人気も評価も非常に高い、フィリップスに残されたアラウのリスト録音全集。リスト研究家である野本由紀夫氏に「抒情性や和声感の繊細さなどに比重が移っている」「熱い思いと構成感がみごとに融合した推奨盤」と言わしめたアラウの演奏です。
特筆すべきはその表現の多彩さでしょうか。丸みを帯びそして深々とした音色により、特殊な音響空間に包まれているような感覚をおぼえます。優しい表情に満ちた包容力のある演奏であり、さらに技巧性も優れています。
全体的に素晴らしいのですが、個人的にはエステ荘の噴水、孤独の中の神の祝福、超絶技巧練習曲のいくつか、ため息、愛の夢3番などなどはベスト録音と言ってもよく、言わせてもらえるならば別次元の圧倒的な名演です。広大で深遠なその音楽に呑み込まれます。
このボックスセットは僕にとって一生の宝物です。

なおロ短調ソナタは1970年(Disc.1)のものと、1985年(Disc.5)の録音が2回収録されています。後者はスイスのラ・ショー・ド・フォンでのベートーヴェンのソナタ32番Op.111と同じレコーディングセッションで録音されたものだそうです。そして解説のトム・ディーコンによるとアラウはベートーヴェンとリストの両ソナタを同等の高みにある傑作と考えていたそうです。

フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ 

関連記事: CLAUDIO ARRAU: The Early Years: The Complete Pre-War Recordings 


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この記事へのコメント

1. Posted by 粟田律   April 23, 2017 23:56
5 初めまして。

私はアラウが好きでアラウでショパンを
聴いて育ちました。
中学の時に
音楽の先生に借りたオムニバスの
クラッシックアルバムの
カセットテープ(!)
の演奏者の一人がアラウでした。
アラウの音色は優しく温かく体温や雨のように
体に浸み込むように感じました。
今もそう感じます。

お小遣いでCDをそろえてきたのですが
おとなになった今もあまり経済的に豊かではなく
愛の夢を聴きたいのですが
こちらのCDはこの6枚組しか
ないのでしょうか?

お手数ですがご存知でしたら
教えてくださいませ
2. Posted by ミッチ   April 24, 2017 01:20
はじめまして!コメントありがとうございます。
「優しく温かく体温や雨のように体に浸み込む」という言葉の表現はとても好きです。

アラウによる愛の夢は現在単独では無いと思われます。

この白いボックスのセットは現在入手困難かと思われますが、数年前ドイツで再販されたものはおそらく現在でも入手可能かと思います。
https://www.amazon.co.jp/dp/B004OUFSU4/

こちら同じく6枚組ですが若干内容に違いはあります。しかし愛の夢は含まれております。

ちなみに愛の夢だけでしたらYouTubeでも聴けるようです。
http://liszt.blog.jp/archives/8722840.html
参考までに
3. Posted by 粟田律   April 24, 2017 18:13
ミッチ様

ご丁寧にありがとうございました。
やはり6枚組を手に入れるしかない
みたいですね。
「一生の宝物」とおっしゃるから
間違いないと確信しております。
少しずつお金を貯めようと思います。

アラウはもっぱらショパンやシューマンや
ベートーベンばかり聴いていたのですが
やはりクラウゼからも受け継いだ
リストは美しく
「孤独のなかの神の祝福」を
初めて聞いたとき中学生の時の衝撃を
再び味わいました。
リストがアラウの演奏を聴いたらどんな風に思うのだろうと
想像したりしています。
ベートーベンもシューマンもショパンはちょっと嫉妬しながら喜んだと思うのだけど、
リストはちょっと唸りながら内心喜んで
そして感動したんじゃないかな、なんて。

YouTube情報もありがとうございます。
私のPCは家族と共有でじっくり音楽を聴く
のにはちょっと不都合があるので
また折を見つけ&時間をつくって
聴きたいと思います。

本当に有難うございました。
4. Posted by ミッチ   April 26, 2017 00:41
粟田律様

リストの音楽の魅力を過不足なく伝えるという点においては、アラウの右に出る者はいないのではと僕は思っています。孤独の中の神の祝福、エステ荘の噴水、愛の夢などを聴いた時にいつもそう思います。

アラウのリストに興味を持っていただけたようで、嬉しく思います。

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