February 11, 2012

セルジオ・フィオレンティーノのサーガ録音

セルジオ・フィオレンティーノは録音史が非常に屈折しています。

・サーガ録音
フィオレンティーノはイギリスの今は亡きサーガレーベルへいくつか録音を残しています。しかし彼のいくつかの録音はポール・プロコポリスという架空のピアニスト名で発売されます。権利関係に詳しくないのでなぜそうなったのかよくわかりませんが、会社側がフィオレンティーノにロイヤリティーを払いたくないためにそうしたのでしょうか?

※追記
コメント欄でyoshimi様がプロコポリス誕生の経緯を投稿してくださいました。ご参照ください。
yoshimi様のブログ「気ままな生活」でもフィオレンティーノのことを取り上げています。

・aprの復刻
彼は多くの録音を残してるにもかかわらず、それらは注目を浴びませんでした。彼の録音はaprレーベルが復刻して初めて脚光を浴びることになります。またベルリンのライブ録音をシリーズで発売していますが、そちらも素晴らしい企画です(Piano Classicsレーベルが最近再版しました)。

・Concert Artistsの詐欺行為
このコンサート・アーティスツというレーベルは他人の録音をジョイス・ハットやフィオレンティーノの録音として発売し、いわば詐欺行為をはたらいた会社です。一部は判明してますが、フィオレンティーノ名義のCDもほとんどが誰の演奏かわかりません。

上で述べたようにサーガレーベルは既に存在しませんが、なんとレコードプロデューサーでフィオレンティーノと親交があり、フィオレンティーノのディスコグラファーでもあるエルンスト・ルンペさんがフィオレンティーノのサーガ録音を全てYoutubeにupしてくれました。

外部リンク:フィオレンティーノのサーガ録音全曲 

ルンペさんありがとう!


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この記事へのコメント

1. Posted by yoshimi   February 22, 2012 12:48
サーガ録音のご紹介、ありがとうございます。
早速、シューマンのピアノ協奏曲とベートーヴェンの「皇帝」「32の変奏曲」を聴きました。
勢いよくて細部は荒っぽいところはありますが、速いテンポで若々しい覇気が漲って晩年の演奏とはまた違っていて、こういう演奏もいいですね!
どこかのレーベルで再販してくれれば良いのですけど。

BOXセットの解説を読むと、ルンペさんは、それほど経済的に豊かとは言えなかったフィオレンティーノに、ドイツ国内でのコンサートや録音のためにかかる費用をいろんな形でカバーしてあげていたようです。
Youtube上にあるライブ映像も、ルンペさんがビデオ撮影したものがいくつかありますから、ルンペさんに感謝してしまいます。

BOXセットが届いたので少しずつ聴いてますが、バッハも未発表だった小品集もどれも良かったです。
バッハはペダルをかなり使っていますし、編曲もの以外でも音を足したり、音程を変えたりしているようなので、好みが分かれるようには思いますが、彼のピアニズムには不思議と作為性とか嫌味を感じさせない品の良さを感じます。
他にもリスト、スクリャービン、プロコフィエフ、ショパンの好きな曲がいろいろ入っているので、このBOXセットはかなり楽しめそうです。
2. Posted by ミッチ   February 22, 2012 19:19
こんばんは!コメントありがとうございます。

フィオレンティーノのサーガ録音をどこかがCD化してくれればいいのですが、音源の行方(マスターの所有者、権利など)が気になりますね。

yoshimiさんが仰られた「覇気」という言葉は、フィオレンティーノの演奏に対しぴったりな表現だと思います。

ルンペさんの情報もありがとうございました。
3. Posted by yoshimi   February 23, 2012 12:36
参考までに、マルセル・プロコポリスに関して少し調べてみましたら、当時サーガレーベルに在籍し、プロコポリスの録音を捏造したRobin O'Connorという人がその経緯を語っていました。
http://www.musicweb-international.com/classrev/2007/Feb07/saga_remembered.htm

フィオレンティーノの名前は出てきませんが、サーガのManaging DirectorであるMarcel Roddがコンピレーションのピアノ曲集を制作するという企画を思いつき、'Best Loved Gems of Piano Music'というアルバムを制作しました。
同社の保有音源からショパン、リスト、ラフマニノフなど目ぼしい曲をピックアップしたものです。
マーケティング上の観点から、一人のピアニストが弾いたことにするため、マルセル・プロコポリスが生まれたそうです。ご丁寧にプロフィールまででっち上げてます。

このアルバムを聴いた人から、”プロコポリスはサーガにとって掘り出しものだ。驚異的なくらい多様なスタイルで演奏している”というレビューが送られてきたそうです。(それは当然その通りでしょう)
4. Posted by ミッチ   February 23, 2012 17:33
おお!詳しくありがとうございます!

そのリンク先にあるエピソードで、「あるご婦人から手紙をもらい、“プロコポリスの演奏をギリシャで聴いたことがありますよ。順調なキャリアを築けているようで嬉しいです”と書いてあった」っていうのは笑えますね!
5. Posted by ミッチ   February 24, 2012 22:20
そちらのリンク先で気付いたのですが、名前はマルセルじゃなくてポールみたいですね。早速訂正しました。ごめんなさい。

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