レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.63Marc-André Hamelin plays Liszt

May 21, 2012

Great Pianists of The 20th Century Vol.83

20世紀の偉大なるピアニストたち 83 

スヴャトスラフ・リヒテル 2 

great richter 2

Disc.1 
1.-9. ピアノソナタ 第12番 Op.26 (ベートーヴェン)<60>
10.-12. ピアノソナタ 第17番 テンペスト Op.31/2 (ベートーヴェン)<61> 
13.-15. ピアノソナタ 第23番 熱情 Op.57 (ベートーヴェン)<60> 
16. アンダンテ・ファヴォリ WoO57 (ベートーヴェン)<78> 

Disc.2 
1. ピアノと管弦楽のためのロンド WoO6 (ベートーヴェン)<62>* 
2.-4. ピアノソナタ 第30番 Op.109 (ベートーヴェン)<91> 
5.-8. ピアノソナタ 第31番 Op.110 (ベートーヴェン)<91> 
9.-11. ピアノソナタ 第32番 Op.111 (ベートーヴェン)<91> 

*クルト・ザンデルリンク指揮/ウィーン交響楽団 

音源: BMG, EMI, DG, Philips 
Philips 456 949-2 

〔メモ〕
リヒテルは始めはオデッサ音楽院で指導していた父テオフィル・リヒテルに学びますが、本格的なピアノ教育は彼が18歳の頃から始まりました。そしてその後1937年にモスクワ音楽院にてロシアの偉大なるピアノ教師であるゲンリヒ・ネイガウスに師事することとなります。リヒテルは他のピアニストたちの尊敬も集めていましたが、同じく偉大なピアニストであるジュリアス・カッチェンやラザール・ベルマンはリヒテルのことを「non pareil」(比類なきピアニスト)と称賛しました。 
ベートーヴェン作品の演奏だけでなく、リヒテルの演奏は全てを包み込む「大きさ」を感じます。ではリヒテルの演奏は何を内包しているのでしょうか。人生の喜び、苦しみ、愛、死など様々な要素を内包しているように感じます。リヒテルの演奏は人生を高らかに歌う人間賛歌だ、と言うのは大袈裟でしょうか?彼のベートーヴェンを聴いている時に特にそう感じました。 

リヒテルは僕の最も好きなピアニストです。

フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→スヴャトスラフ・リヒテル
フランツ・リスト→カール・タウジヒ→アレクサンドル・ミハウォフスキ→ゲンリヒ・ネイガウス→スヴャトスラフ・リヒテル 


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ミッチ at 17:20│Comments(6)TrackBack(0) 20世紀の偉大なるピアニストたち 



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この記事へのコメント

1. Posted by yoshimi   July 10, 2012 22:41
こんにちは。リヒテルに憧れた若いピアニストは本当に多いですね。
カッチェンの"Idle"は、リヒテルとギレリスだったそうです。
レーゼルも、芸術上最も大きな影響を受けたピアニストはリヒテルだと言っていました。

リヒテルは弟子もとらず、ピアノも教えない人でしたね。
レーゼルがモスクワ音楽院に留学していた時、リヒテルと演奏法について話をしていて、リヒテルの言葉から、”聴き手の反応も大事だけれど、自分自身の演奏に対する評価のほうが重要だと思うようになった。”という趣旨のことを言ってました。
2. Posted by ミッチ   July 11, 2012 16:52
こんにちは。おお、リヒテルはレーゼルにも影響を与えたのですか!

リヒテルは自分の演奏への評価が厳しく、自分の録音を聴くのが嫌いだったと読んだことがあります。

レーゼルとリヒテルという大ピアニスト同士のやりとりはどんなものだったのか興味深いですね。
3. Posted by yoshimi   July 11, 2012 20:30
こんばんは。
モンサンジョン監督が書いたリヒテルの評伝には、リヒテル自身が書いた録音・演奏評が載っています。
ご存知かもしれませんが、たしかにリヒテルが満足できなかった録音・演奏は多いですね。
反対に、グリーグのピアノ協奏曲などは大変自信を持っていた演奏でしたし、さすがにその通りの名演です。

一般に評価の高い平均律(第2巻)、ドヴォルザークのピアノ協奏曲(クライバー指揮)、ベートーヴェンのトリプルコンチェルト、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は、不満足だったそうですし、その理由を読むとなるほどと納得できるものがあります。

いくらリスナーや批評家が名演だと賞賛していても、ピアニスト自身にとっては不満が残る演奏というものがあるのでしょうね。
この話に関しては、レーゼルとリヒテルの会話が参考になるように思います。
レーゼルのインタビュー記事の該当部分は以下の通りです。ご参考まで。

「聴き手の反応は大事ですが、自分がどのようにそのコンサートと向き合い、演奏を評価するかということのほうが重要です。そう思うようになったきっかけは、45年前にリヒテルと話をしたときに遡ります。ブラームスの曲の非常に弾きにくい箇所について言葉を交わしたとき、ピアノの奏法上ほぼ演奏不可能な部分なのだから、一音とってしまえばいいじゃないかという話になりました。聴衆は
誰ひとり気がつかないだろうと。その後で、いかに演奏と向き合うかという意味では、自分自身の評価こそが最も重要なのだという話になったのです。...リヒテルが学生だった私に言ったことです。」(レコード芸術2012年3月号より)
4. Posted by ミッチ   July 12, 2012 12:11
詳しく教えていただいてありがとうございます!

モンサンジョン監督の本は何年か前に図書館で読んだ記憶があります。たしか自分の演奏だけでなく、他人の演奏も評価してましたよね。もう一度読みたくなってしまいました。

一音とってしまえばいい、というのは目から鱗です。たしかに音楽の本質が損なわれなければ、いいのかもしれないですね。フランツ・リストも作品を改訂や編曲する際に、音楽性を損なわなければ簡略化していいと考えていたと思います。
5. Posted by yoshimi   July 17, 2012 00:52
こんばんは。
ご参考までに、台湾の音楽評論家が出版したインタビュー集に、ツィメルマンとリヒテルにまつわる話が少しだけ載っています。
あのツィメルマンもリヒテルに大変影響を受けており、リヒテルに手紙を出して知り合ったそうです。

詳しくは、その本を翻訳中の音楽ライター森岡葉さんのブログをご参照ください。
「(焦): リヒテルとは、どのように知り合ったのですか?」という部分に載ってます。
http://jasminium.blog45.fc2.com/blog-entry-550.html
6. Posted by ミッチ   July 17, 2012 18:59
ありがとうございます!

ツィメルマンとリヒテルはスタイルが違うと思っていたので、ツィメルマンもリヒテルから大きな影響を受けているとは意外でした。

リヒテルの影響力おそるべし

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