レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.76Julian von Károlyi: Schumann, Liszt, Debussy

September 04, 2012

Great Pianists of The 20th Century Vol.98

20世紀の偉大なるピアニストたち 98 

アール・ワイルド 

great wild

Disc.1 
1. オルフェオのメロディ (グルック=ズガンバティ)<81>
2. リゴードン (ラモー=ゴドフスキ)<81> 
3. エレジー (ラモー=ゴドフスキ)<81>
4. タンブーラン (ラモー=ゴドフスキ)<81>
5. トッカータとフーガ BWV565 (バッハ=タウジヒ)<81>
6. イゾルデの死 (ワーグナー=モシュコフスキ)<81>
7. くまんばちの飛行 (リムスキー=コルサコフ=ラフマニノフ)<81>
8. 愛の悲しみ (クライスラー=ラフマニノフ)<81>
9. スケルツォ (《真夏の夜の夢》より)(メンデルスゾーン=ラフマニノフ)<81>
10. 《セミラーミデ》による大幻想曲 (ロッシーニ=タールベルク)<81>
11. 私の愛しき人 S.480/5 (ショパン=リスト)<81>
12. 春 S.480/2 (ショパン=リスト)<81>
13. 乙女の願い S.480/1 (ショパン=リスト)<81>
14. 4羽の白鳥の踊り (《白鳥の湖》より)(チャイコフスキー=ワイルド)<81>

Disc.2
1. 《美しく青きドナウ》によるアラベスク (J.シュトラウス=シュルツ=エヴラー)<81>
2. 《皇帝に捧げし命》による幻想曲 (グリンカ=バラキレフ)<69>
3. 《悲しみよ去りゆけ》による変奏曲 (ロッシーニ=エルツ)<64> 
4. 《ドン・パスクァーレ》による幻想曲 (ドニゼッティ=タールベルク)<64>
5. 《芸術家の生涯》による交響的変容 (J.シュトラウス=ゴドフスキ)<64>
6. 私の彼氏 (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76> 
7. アイ・ガット・リズム (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76>
8. エンブレーサブル・ユー (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76>
9. 魅惑のリズム (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76>
10. サムバディ・ラヴズ・ミー (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76>
11. ライザ (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76>
12. オー・レディ・ビー・グッド (7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より)(ガーシュウィン=ワイルド)<76>

音源: Vanguard Classics, BMG, Quintessence, Audiofon
Philips 456 991-2 

〔メモ〕 
アリス・ウォーカー、セルマー・ジャンセン(シャルヴェンカとダルベールの弟子)、エゴン・ペトリ(ブゾーニの弟子)、ポール・ドグロー(パデレフスキとラヴェルの弟子)、ヘレン・バレール(シモン・バレールの妻)などにピアノを師事したワイルドの編曲集です。ラプソディー・イン・ブルーの演奏で大成功をおさめ、ワイルドはその後ガーシュイン弾きとして人気を博しました。しかしこのことにより、彼は「ポピュラー音楽を弾くピアニスト」という烙印を押され、保守派のクラシックファンに敬遠されてしまいます。(当時ガーシュウィンは軽視されていたのでしょうか?)
「トランスクリプションの芸術」と題されたこの2枚組ですが、その題名の通りおもしろいプログラムです。僕はクラシック音楽にも、エンターテイメント性は必要な要素だと思っています。ワイルドは音楽からエンターテイメント性をひきだす一流のエンターテイナーです。ここに収録されているものの多くはライブ録音ですが、そのバリバリの技巧で、ワイルドがノリノリで演奏している姿と、聴衆がニコニコして聴き入っている情景が目に浮かびます。
「奏でる音楽で聴衆を魅了し、楽しませる」それも一つの才能です。

フランツ・リスト→オイゲン・ダルベール→セルマー・ジャンセン→アール・ワイルド 


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ミッチ at 00:46│Comments(2)TrackBack(0) 20世紀の偉大なるピアニストたち 



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この記事へのコメント

1. Posted by yoshimi   September 06, 2012 09:02
こんにちは。
ワイルドはアメリカでは人気がありますね。
”ガーシュウィン弾き”と言われても、ジャズピアニストならともかく、クラシックの世界では、あまり誉め言葉にはならないような...。(ガーシュウィンのピアノ協奏曲はとても好きですけど)

彼のクラシック曲の録音では、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」が速いテンポで指回りも良く、ベタベタしない叙情感が爽やかで好きな演奏です。

このアルバムは、ハフの『Piano Album』と一緒で、編曲集というコンセプトがユニークですね。
編曲もので特に好きなのは、ワイルド自身が編曲した「四羽の白鳥の踊り」。この曲はハフも録音していて、それで初めて聴きました。
小さな白鳥たちがちょこまかと踊っているみたいに可愛らしい曲ですよね。これは聴衆の受けも良いでしょう。(拍手が凄いです)

「熊蜂の飛行」は、ユジャ・ワンが得意でアンコール曲にしているようですが、アムランと同じく、速いテンポでバリバリと弾いてます。指回りの良さでは、彼らの方がワイルドよりも上なのでしょうが、ちょっと弾き方が単調ですね。
ワイルドの演奏は、熊蜂が生き生きと飛び回っているように表情豊かです。
こういう技巧で圧倒するような曲でも、音楽的に面白く聴かせるところが”一流のエンターテイナー”なのでしょう。

ワイルドもワイセンベルクも最近お亡くなりになりましたが、こういう独自の個性的なピアニズムを持ったピアニストがいなくなっていくのは、淋しい気がします。
2. Posted by ミッチ   September 06, 2012 18:31
ワイルドはクラシックの演奏家としても、ラフマニノフやリストの名手として活躍してましたね。彼自身が編曲したり、また曲を改編して演奏していましたが、19世紀からの伝統である、ラフマニノフやリストの精神を受け継いでいるとも言えるのではないでしょうか。(例えば彼はエステ荘の噴水を改編して演奏していますが、あの曲を改編するという発想に驚きました) 

4羽の白鳥の踊りは本当に魅力的ですね!声部が錯綜しているという点では、なんとなくゴドフスキっぽいと感じました。

ワイルドは面白く聴かせるという点で、チェルカスキーなどに近いのかもしれません。しかしチェルカスキーと違い、ワイルドは時と場合により技巧で聴衆を圧倒することもありました。アメリカではワイルドはホロヴィッツと同じカテゴリーで語られることもあったそうです。

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