Legendary Performances Vol.7Liszt: Sonata / Liebestraum No.3, etc: Curzon

September 11, 2012

Great Pianists of The 20th Century Vol.99

20世紀の偉大なるピアニストたち 99 

マリア・ユージナ 


great yudina

Disc.1
1.-32. ゴルトベルク変奏曲 BWV988 (バッハ)<68>

Disc.2
1.-34. ディアベッリの主題による33の変奏曲 Op.120 (ベートーヴェン)<61>
35.-51. エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ Op.35 (ベートーヴェン)<61>

音源: BMG 
Philips 456 994-2

〔メモ〕
フリーダ・タイテルバウム=レヴィンソン(アントン・ルビンシテインの弟子)、オルガ・カランタロワ、アネッテ・エシポフ(レシェティツキの弟子)、ヴラディーミル・ドロズロフ(エシポフの弟子)、フェリックス・ブルーメンフェルト、レオニード・ニコラーエフにピアノを師事したユージナです。 
「私は神へ通ずる道をひとつしか知りません。それは芸術による道筋です」と語る彼女はロシア正教の敬虔な信者でした。贅沢することを嫌い、一生ボロボロの衣服を纏って過ごしたそうです。
ロシアの偉大なピアノ教師と言われるニコラーエフのもうひとりの弟子ソフロニツキーをご紹介した時に、彼の演奏には生々しさがあると言いましたが、それはユージナの演奏にも言えることです。しかしその生々しさの質は全く違い、彼女の演奏にはある種の激しさがありますが、それは自分にとって重要なものを手に入れるための闘争のように聴こえてきます。彼女の無骨な演奏には、平坦ではなかったの彼女の人生が透けて見えるような気がします。愛想のない無骨さが彼女の人間性の純粋さの表れなのだと思います。


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ミッチ at 00:09│Comments(3)TrackBack(0) 20世紀の偉大なるピアニストたち 



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この記事へのコメント

1. Posted by yoshimi   September 13, 2012 12:47
こんにちは。
ユージナというと、ヴォルコフの『ショスタコーヴィチの証言』にもよく出てきますね。
特に、スターリンにレコードを届けるために、徹夜で録音したモーツァルトのピアノ協奏曲の話が面白いです。
指揮者が重責で次々とパニックになって交代するのに、度胸の良いユージナは平然としていたのは、納得できてしまいます。

ユージナの演奏には、たとえ穏やかな曲であっても厳しさを感じます。彼女の激烈なタッチは、今では一般的には受けないような気はしますが、精神的に強靭でなければこういう風には弾けないでしょう。

バッハやベートーヴェンを聴き直してみると、記事で書かれていることには本当に同感です。
その演奏には妥協しない潔さを感じますが、それは人間的な誠実さと求道心(のような何か)が現われているようにも思います。
昔は大変苦手なピアニストでしたが、有無を言わさぬような迫力のある演奏には、今はとても惹かれるものがあります。

ユージナのCD(既存音源の抜粋盤)がもうすぐリリースされるので、近日中に新譜情報を記事に書こうと思っています。
2. Posted by yoshimi   September 14, 2012 00:12
追伸です。
ユージナの新譜の紹介文に、以下の文章が載っていました。

Sviatoslav Richter once asked her: "Why do you play this Bach prelude so loud?"
her answer: "Because there is a war on!"

ユージナにとっては、バッハ(ピアノ)を弾くことは”闘い”なのですね。
ベートーヴェンの32番ソナタの第1楽章を聴いていると。それを実感させられます。
3. Posted by ミッチ   September 14, 2012 00:57
こんばんは。ありがとうございます!

スターリンのために徹夜で録音し、担当者はレコードのプレスまでしなければいけなかったというのは面白い話ですね。

リヒテルとユージナの会話のご紹介ありがとうございます。リヒテルも彼女の返答にびっくりしたんじゃないでしょうか(笑)

当時目立った活躍をしていたロシアのピアニストの多くはモスクワ音楽院出身でした(リヒテル、フェインベルクなど)。しかしペテルブルク音楽院の二人、ソフロニツキーとユージナは、当時の同僚たち(ピアニストたち)にかなり注目されていたようです。「異質」とも言えるピアニストがほぼ同時に同じ学校の同じ教師から輩出されたというのは興味深い事実です。

ユージナの演奏は本当に厳しいですね。媚びない潔さが彼女の魅力のひとつなんでしょうね。

ユージナの記事を楽しみにしております。

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