フランツ・リストは最高のエレジー作家世界の偉大なるピアノ音楽 第85巻

December 26, 2012

Années de Pèlerinage: Italie - Prima Versione Inedita

エマヌエーレ・アルチウリ 

Années de Pèlerinage Deuxieme Année: Italie - Prima Versione Inedita

arciuli

1. 婚礼 〔第1稿〕 S.157a
2. 物思いに沈む人 〔第1稿〕 S.157b
3. サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ 〔第1稿〕 S.157c
  3つのペトラルカのソネット 〔第1稿〕 S.158
4. ペトラルカのソネット 第104番
5. ペトラルカのソネット 第47番
6. ペトラルカのソネット 第123番
7.-8. 神曲への補遺 S.158a 
9. 婚礼の草稿 (断片) 

stradivarius STR 33417 
Recorded: 1996 

〔メモ〕
これら録音当時、3つのペトラルカのソネット以外は全て未公開の初期稿でした。音楽学者ピエロ・ラッタリーノにこれら初期稿の存在を教えてもらい研究することを奨励され、奏者エマヌエーレ・アルチウリはワイマールのゲーテ=シラー・アルヒーフに問い合わせて、ワイマールに滞在し自筆譜を研究したそうです。
やはり最も興味深いのはダンテソナタの初期稿である「神曲への補遺(パラリポメナ)」でしょう。奏者が執筆したブックレットによると、この2部構成の「神曲へのパラリポメナ - F.リストによる交響的幻想曲」をリストは1939年にウィーンで演奏しているとのことです。また奏者はリスト本人が「第1楽章」「第2楽章」という言葉ではなく「第1部」「第2部」という言葉を使用していることにも注目しています。ソナタなどの絶対音楽では「楽章」という言葉を使うが、演劇や劇的音楽作品などでは第1部、第2部という言葉を使用するという理由からです。

他に興味深い作品としては婚礼の未完成の草稿もトラック〔9〕に収録されています(6分弱)。これはトラック〔1〕よりも前に書かれたものです。

アルチウリはヴィンチェンツォ・ヴィターレ、パオロ・ボルドーニ、レオン・フライシャー、ジェルジ・シャーンドル、ミシェル・ダルベルト、マウリツィオ・ポリーニに教えを受けたピアニストです。演奏は癖があり、独特の間があります。 

フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→ベーラ・バルトーク→ジェルジ・シャーンドル→エマヌエーレ・アルチウリ 
フランツ・リスト→エミール・ザウアー→レイモン・トルアール→ミシェル・ダルベルト→エマヌエーレ・アルチウリ 


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