風景 ~超絶技巧練習曲 第3番Legendary Performances Vol.2

September 13, 2010

シュナーベルは語る -音楽家の在り方-

フランツ・リストとあまり関連がないように思われる、アルトゥール・シュナーベルがこのように語っていました

“フランツ・リストは創造的なヴィルトゥオーソでした。彼は作曲し、指揮をし、教え、執筆し、同じ世代の知性ある人たちと交わりをもっていました。今日のヴィルトゥオーソはリストとまったく異なり、作曲もしなければ、教えもせず、指揮もしないし、筆を執るようなこともありません。またお互いや他のジャンルの人と接触することもありません。飛行機のおかげで、いつでも毎日のように違った場所で聴衆の前に、いつも同じプログラムで現れることができます。芸術の仕事が一地方的なものから、地球規模で行われるようになったことについて、一度よく考えてみる必要があるでしょう。二十世紀の社会は十九世紀時代のそれとは異なっています。なかには偉大な流派のかすかな記憶につながるような最後の輝きを感じさせる人もわずかにおりますが、ほとんどの音楽家は十九世紀時代の二流の音楽家に似ているところがあります。昔の人のいう多才な性格をそなえた新しいタイプの人間も出てくる可能性があり、事実新しい、多芸多才な人物の代表的なもの、つまりいかなる音の商品も取りそろえてありますという抜け目のないセールスマンのような人もいます。”

大ピアニストがあなたに伝えたいこと 100のレッスン
千蔵八郎著 
春秋社
P76より

クラシック音楽という過去の音楽(必ずしも過去ではないけど)を再現するだけの現代の演奏家には耳の痛い言葉だと思いますが、僕個人は正直言うとこの意見には賛同しかねます。指揮しない、教えもしない、執筆もしないけど素晴らしいピアニストはたくさんいるではありませんか。ピアニストがピアノに専念するというのも当たり前のように思います。ただ単に時代の流れがそうなっただけではないでしょうか。職業が細分化され、より専門的に技術の修練をするようになっただけだと思います。
ただし他のジャンルの芸術家と交流をもつべき、という意見は全くその通りだと思います。



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ミッチ at 09:24│Comments(0)TrackBack(0) 書籍関連 | その他



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