レスリー・ハワード:ピアノ作品全集

March 06, 2016

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 -インデックス-

Disc.1 若き日のリスト 1 
Disc.2 若き日のリスト 2 
Disc.3 12の大練習曲 
Disc.4 超絶技巧練習曲 
Disc.5 パガニーニ練習曲全集 
Disc.6 前奏曲 ・ 演奏会用練習曲 ・ レーナウのファウストからのエピソード 
Disc.7 旅人のアルバム 1 
Disc.8 旅人のアルバム 2  
Disc.9 巡礼の年 第1年 スイス 
Disc.10 巡礼の年 第2年 イタリア 
Disc.11 巡礼の年 第3年  
Disc.12 バラード ・ 伝説 ・ ポロネーズ  
Disc.13 詩的で宗教的な調べ 1 
Disc.14 詩的で宗教的な調べ 2  
Disc.15 マリアの連梼
Disc.16 幻想曲 ・ 変奏曲 ・ 葬送頌歌 ・ 演奏会用独奏曲  
Disc.17 ソナタ ・ エレジー ・ コンソレーション ・ グレートヒェン ・ 死の舞踏  
Disc.18 クリスマスツリー ・ 十字架の道行  
Disc.19 後期作品集  
Disc.20 ワルツ集  
Disc.21 舞曲 ・ 行進曲 1  
Disc.22 舞曲 ・ 行進曲 2 
Disc.23 聖エリザベト ・ キリスト ・ 聖スタニスラウス 
Disc.24 愛の夢 ・ 歌の本  
Disc.25 太陽讃歌 ・ ゆりかごから墓場まで 
Disc.26 いと高く! 
Disc.27 レスポンソリウムとアンティフォナ 1 
Disc.28 レスポンソリウムとアンティフォナ 2 
Disc.29 いざ楽しまん ・ 行事用作品 
Disc.30 国歌 ・ 国讃歌による幻想曲集 
Disc.31 マジャールの歌 ・ マジャール狂詩曲 1 
Disc.32 マジャールの歌 ・ マジャール狂詩曲 2 
Disc.33 ハンガリー狂詩曲 1 
Disc.34 ハンガリー狂詩曲 2 
Disc.35 ハンガリーのロマンツェーロ 
Disc.36 スペイン狂詩曲 
Disc.37 リスト、オペラにて 1 
Disc.38 リスト、オペラにて 2 
Disc.39 リスト、オペラにて 3 
Disc.40 リスト、オペラにて 4 
Disc.41 リスト、オペラにて 5 
Disc.42 リスト、オペラにて 6 
Disc.43 リスト、オペラにて 7 
Disc.44 リスト、オペラにて 8 
Disc.45 リスト、オペラにて 9 
Disc.46 リスト、オペラにて 10 
Disc.47 リスト、オペラにて 11 
Disc.48 リスト、オペラにて 12 
Disc.49 リスト、劇場にて 
Disc.50 システィーナ礼拝堂にて ・ バッハトランスクリプション 
Disc.51 ヘクサメロン ・ 幻想交響曲 
Disc.52 サン=サーンス ・ ショパン ・ ベルリオーズ トランスクリプション 
Disc.53 アラベスク 
Disc.54 ベートーヴェンの七重奏曲 
Disc.55 フンメルの七重奏曲 第1番 
Disc.56 フェルディナント・ダーヴィットの色とりどりの小品  
Disc.57 舞踏の時 
Disc.58 無言歌 1 
Disc.59 無言歌 2 
Disc.60 音楽の夜会 ・ イタリアの夜会 1 
Disc.61 音楽の夜会 ・ イタリアの夜会 2 
Disc.62 ベートーヴェンの交響曲 - ピアノスコア 1 
Disc.63 ベートーヴェンの交響曲 - ピアノスコア 2 
Disc.64 ベートーヴェンの交響曲 - ピアノスコア 3 
Disc.65 ベートーヴェンの交響曲 - ピアノスコア 4 
Disc.66 ベートーヴェンの交響曲 - ピアノスコア 5 
Disc.67 初期ベートーヴェン・トランスクリプション 1 
Disc.68 初期ベートーヴェン・トランスクリプション 2 
Disc.69 初期ベートーヴェン・トランスクリプション 3 
Disc.70 シューベルト・トランスクリプション 1 
Disc.71 シューベルト・トランスクリプション 2 
Disc.72 シューベルト・トランスクリプション 3 
Disc.73 シューベルト・トランスクリプション 4 
Disc.74 シューベルト・トランスクリプション 5 
Disc.75 シューベルト・トランスクリプション 6 
Disc.76 シューベルト・トランスクリプション 7  
Disc.77 シューベルト・トランスクリプション 8 
Disc.78 シューベルト・トランスクリプション 9 
Disc.79 シューベルト & ウェーバー・トランスクリプション 
Disc.80 草稿 ・ 改訂案 1 
Disc.81 草稿 ・ 改訂案 2 
Disc.82 草稿 ・ 改訂案 3 
Disc.83 草稿 ・ 改訂案 4 
Disc.84 草稿 ・ 改訂案 5 
Disc.85 珍曲 ・ 奇曲 ・ アルバムリーフ ・ 断章 1   
Disc.86 珍曲 ・ 奇曲 ・ アルバムリーフ ・ 断章 2 
Disc.87 珍曲 ・ 奇曲 ・ アルバムリーフ ・ 断章 3 
Disc.88 珍曲 ・ 奇曲 ・ アルバムリーフ ・ 断章 4 
Disc.89 新発見 1 
Disc.90 新発見 2 
Disc.91 新発見 3 
Disc.92 新発見 4 
Disc.93 ピアノフォルテを伴う朗唱 
Disc.94 イタリアのハロルド 
Disc.95 ピアノと管弦楽のための作品 1 
Disc.96 ピアノと管弦楽のための作品 2 
Disc.97 ピアノと管弦楽のための作品 3 
Disc.98 ピアノと管弦楽のための作品 4 
Bonus Disc ピアノと管弦楽のための作品  
レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 -後記-   
 

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February 28, 2016

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 -後記-

レスリー・ハワードの残した偉業であるリストのピアノ作品全集の紹介を締めたいと思います(いくつか過去記事の修正はこれからもしていきたいと思います)。

● データ
レーベル: ハイぺリオン
ディスク枚数: 98枚 + ボーナスディスク1枚
世界初録音: 300曲以上
受賞: アメリカ・リスト協会名誉勲章、ハンガリー政府文化勲章、フランツ・リスト名誉勲章(ハンガリー)、ディスク大賞(6回)、ギネス世界記録(一人の音楽家による最も巨大な録音プロジェクト) 

● プロジェクトのはじまり
ハイペリオンというレーベルはヒューイット、アムラン、ハフなど実力派ピアニストを擁するレーベルです。ハワードはハイぺリオンレーベルの創設者である故テッド・ペリーに直々にスカウトされました。そしてハワードがリストのオリジナルワルツをリサイタルで演奏し、その同プログラムをスタジオ録音したことがこのプロジェクトの始まりのきっかけとなります。途中これは無理だと思うことがあったとご本人は回想されています。

● 感想
ブゾーニの弟子グイド・アゴスティに師事したハワードの演奏ですが、オーソドックスでスッキリしています。そしてリスト愛に溢れた演奏です。もの凄く早いペースで録音しなければいけなかったために、準備不足を感じる部分もありますが、全体的にはテクニカルで達者です。この物量を一人で演奏するという事は信じられないことです。さすがブゾーニ直系のピアニストと言えましょう。大半は教会内で録音されたらしく独特の残響が耳に心地良いです。
内容はリストのオリジナル作品、編曲作品、稿違いなどリストが残したおおよそ全てのピアノ作品の(演奏可能な)譜面を録音した膨大なプロジェクトです。ハワードが世界初録音したものも多く含まれます。このボックスセットは観賞用の価値だけでなく、資料的価値も高いものです。リストが好きだという方には大推薦いたします。




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April 04, 2014

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Bonus Disc

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
ピアノと管弦楽のための作品

Bonus Disc 
1.-4. ハンガリーのツィゴイネルワイゼン "ハンガリー様式の協奏曲" S.714 (メンター=チャイコフスキー)* 

*カール・アントン・リッケンバッヒャー指揮/ブダペスト交響楽団 

Hyperion CDA67403/4
Recorded: 1997/1998 

〔メモ〕
Disc.99ではなくBonus Discとなっているのは、リストがこの作品に関与したかどうか、または関与しているならどの程度関与したのかが不明なため。 〔1〕~〔4〕ツィゴイネルワイゼンとは「ジプシーの旋律」の意。リストの弟子で当時の高名なピアニストであったゾフィー・メンターが音素材を用意した(彼女が作曲をしたのか、それとも収集したものなのかは不明)。1892年に彼女の友人であったチャイコフスキーに、その素材を基にピアノ協奏曲を組み立てるように依頼した。この作品の出版譜は音楽的に不自然な点がいくつかあり、本当にチャイコフスキーが意図した形になっているのかどうか不明。リストは1885年にメンターの所有するイッター城に2日間滞在したと言われている。その2日間にリストがこの作品に手を加えた可能性がある。




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January 26, 2014

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.98

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
ピアノと管弦楽のための作品 4 

Disc.98 
1.-6. 悲愴協奏曲 〔リスト/ロイス共編〕 S.365a*  
7.-10. コンツェルトシュテュック 〔独奏部リスト編〕 S.367a (ウェーバー)*  
11.-20. 死の舞踏 - ピアノと管弦楽のための幻想曲 〔"深き淵より"編入稿〕 S.126i* 
21. 死の舞踏 第7変奏 〔初期稿〕 
22.-25. ハンガリー民謡による幻想曲 S.123*  

*カール・アントン・リッケンバッヒャー指揮/ブダペスト交響楽団  

Hyperion CDA67403/4  
Recorded: 1997/1998  

〔メモ〕  
〔1〕~〔6〕ピアノ独奏曲「演奏会用大独奏曲」をリストの弟子エドゥアルト・ロイスがピアノ協奏稿へ編曲し、リスト自身がいくつかの変更を加えたもの。リストはこの編曲をロイスのものとして出版するように手配したため、リストの作品カタログでこの作品が言及されることはない。晩年のリストが関与しているだけあって、初期の試みを演奏可能にしただけのピアノ協奏稿「演奏会用大独奏曲 S.365」(Disc.96)より完成度は高い。関連作品であるピアノ独奏稿「演奏会用大独奏曲 S.176」はDisc.16に収録。 〔7〕~〔10〕ウェーバーの「小協奏曲 Op.79(コンツェルトシュテュック)」をリストが校訂した指導版。リストはピアノパートのみ変更を加えていて、オーケストラパートはオリジナルのまま。このウェーバーの小協奏曲はリストお気に入りの作品であり、この指導版の他にピアノ独奏版も作っている。そのピアノ独奏編曲「コンツェルトシュテュック S.576a」はDisc.79に収録。 〔11〕~〔20〕リストは1847年ごろから「死の舞踏」を作曲し始めた。そしてその第1稿は1849年に一度完成したと言われる。そしてリストは1853年にその初稿へいくつかの改訂を加えた。ここでハワードが録音している〔"深き淵より"編入稿〕はブゾーニによる校訂版。初稿自筆譜の所有者がその自筆譜の閲覧許可をハワードへ出さなかったため、このブゾーニ版は1849年の初稿のままなのか、それとも後の改訂を含めたものなのか不明。そもそもこのブゾーニ版がリストの書いたものにどの程度忠実なのか不明。この稿の最大の特徴は単旋律聖歌「深き淵より」の旋律を使用した部分があること。最終稿はDisc.95に収録。 〔21〕「死の舞踏 ブゾーニ版」の第7変奏(当ディスク・トラック17)のさらに前の初期稿。ブゾーニ版の楽譜に付録として収録されているもの。 〔22〕~〔25〕演奏される機会の多い協奏作品。通称「ハンガリー幻想曲」。「マジャールの歌 第10番 S.242/10」(Disc.31)と「マジャール狂詩曲 第21番 S.242/21」(Disc.32)とハンガリー民謡「モハーチの野原」を素材として使用している。同じくS.242/10とS.242/21を素材としている「ハンガリー狂詩曲 第14番 S.244/14」(Disc.34)とは類似作品と言えるが、当幻想曲が構想されたのはその狂詩曲よりも前。




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December 01, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.97

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
ピアノと管弦楽のための作品 3 

Disc.97
1.-7. ピアノ協奏曲 第2番 S.125*  
8.-13. 深き淵より - ピアノと管弦楽のための器楽詩篇 〔ローゼンブラット校正/ハワード再校正〕 S.121a*  
14.-17. 大幻想曲 "さすらい人" S.366 (シューベルト)* 

Hyperion CDA67403/4 
Recorded: 1997/1998 

*カール・アントン・リッケンバッヒャー指揮/ブダペスト交響楽団 

〔メモ〕
〔1〕~〔7〕第1番同様にリストの代表的なピアノ協奏曲のひとつ。若き日に草稿が書かれ後年手直しをして完成させたこと、単一楽章であること、草稿の段階で「交響的協奏曲」と書かれていたことなども第1番と共通している。その一方で外面的な部分もある第1番に対し、こちらは概ね内面的、叙情的。複数楽章制ではなく主題変容の技法を使用した大きな単一楽章の(当時としては珍しい)形式を使用した弁明としてリストは「新しいワインには新しいボトルが必要なのだ」と語っている。弟子のハンス・フォン・ブロンザルトへ献呈され、リスト指揮/ブロンザルト独奏で初演された。関連作品「管弦楽の無い協奏曲 S.524a」はDisc.90に収録。 〔8〕~〔13〕フェリシテ・ド・ラムネーとリストがお互いに知っていた単旋律聖歌「深き淵より」を基に書いた協奏的作品。ほぼ完成しているが終結部が無い。自筆譜にはラムネーへ献呈する旨が書かれているが、実際にラムネーへ送られたかどうかは不明。ジェイ・ローゼンブラットがこの作品を演奏可能な状態にし、ここでの録音ではハワードがそれをさらに校正をした。そのローゼンブラット版の他にマイケル・マックスウェル版もあるが、マックスウェル版はオリジナルにはないものをいくつも付けたしており「マックスウェル編曲版」と呼べるようなものに仕上がっている。 〔14〕~〔17〕リストお気に入りであったシューベルトのピアノ独奏曲「さすらい人幻想曲」をピアノと管弦楽のための協奏曲へ編曲したもの。シューベルトの独奏曲よりピアニストへの技巧的負担は少ない。この編曲もとても人気のある時期あった。関連作品「幻想曲 (さすらい人) Op.15 〔指導版〕 S.565a」はDisc.79に収録。 




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September 20, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.96

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
ピアノと管弦楽のための作品 2 

Disc.96 
1.-4. ピアノと弦楽のための協奏曲 "呪い" S.121* 
5.-9. 協奏曲 (変ホ長調) 〔ローゼンブラット校正/ハワード再校正〕S.125a*
10.-13. 演奏会用大独奏曲 〔ハワード校正〕 S.365*
  へクサメロン - 演奏会用小品 "ベルリーニの《清教徒》の行進曲による華麗なる大変奏曲" 〔オーケストレーション:一部ハワード〕 S.365a*
14. 序奏 (リスト)
15. 主題 (ベルリーニ=リスト)
16. 第1変奏 (タールベルク)
17. 第2変奏 (リスト) 
18. 華麗なる第3変奏 (ピクシス&リスト) 
19. リトルネッロ (リスト) 
20. 第4変奏 (エルツ&リスト) 
21. 第5変奏 (チェルニー)
22. 第1間奏 (リスト) 
23. 第6変奏 (ショパン) 
24. 第2間奏 (リスト) 
25.-26. フィナーレ (リスト) 
27.-28. 華麗なるポロネーズ S.367 (ウェーバー)* 

*カール・アントン・リッケンバッヒャー指揮/ブダペスト交響楽団 

Hyperion CDA67401/2
Recorded: 1997/1998 

〔メモ〕 
〔1〕~〔4〕ピアノと弦楽のみという珍しい編成のための単一楽章の協奏曲。通称「呪い」と呼ばれるが、リスト自身が序盤の主題をそう呼んだからそのような通称で呼ばれるようになった。その序盤の主題は「嵐 S.160/5」(Disc.9)の序盤の主題との類似性を指摘されている。また中盤では「忘れられたワルツ 第3番 S.215/3」(Disc.20)と似通った旋律も聞かれる。 〔5〕~〔9〕リストが出版せずにお蔵入りにしたピアノ協奏曲で第1、第2番と同様に単一楽章。この作品の自筆譜は以前は「ピアノ協奏曲 第1番 S.126」のために書かれた初期の譜面の一部だと誤解されていたが、ジェイ・ローゼンブラット教授が別の作品だと断定したもの。通称「ピアノ協奏曲 第3番」と呼ばれている。この作品の譜面を再現するためにローゼンブラット教授はモスクワ、ワイマール、ニュルンベルクに散らばっていた自筆譜をかき集め、さらに写譜家による写譜も使用して再現した。ハワードは編集が不自然な部分もあると判断し、自ら再編集している部分もある。初期のピアノ作品「8つの変奏曲 S.148」「華麗なるアレグロ S.151」「華麗なるロンド S.152」の主題が転用されている。これら関連作品はDisc.1に収録。 〔10〕~〔13〕後にピアノ独奏曲「演奏会用大独奏曲 S.176」や2台ピアノの作品「悲愴協奏曲 S.258」となる作品の初期の草稿「ピアノ独奏稿」と「ピアノ独奏パートの書いていない協奏稿」を編集してピアノ協奏稿としてハワードが作り上げたもの。ハンフリー・サールも同じような試みをしたが、ハワードに言わせれば「恣意的な改編に満たされたもの」らしい。ちなみに「ピアノ独奏パートの書いていない協奏稿」の草稿の所有者は現ロンドンデリー侯爵。関連作品「演奏会用大独奏曲 S.176」はDisc.16に、「演奏会用大独奏曲〔第1稿〕 S.175a」はDisc.80にそれぞれ収録。 〔14〕~〔26〕ベルリーニのオペラ「清教徒」の主題を使用し、リストを含む6人の作曲家がそれぞれ変奏を書き、リストが全体をまとめて一つの作品にしたものが通称「ヘクサメロン変奏曲」。まずその作品の出版譜(ピアノ独奏稿)にはオーケストレーションの挿入指示が書かれている。そしてこの変奏曲のピアノ協奏稿の写譜家による写譜が一部残されている(未出版)。この「オーケストレーション挿入指示」と「写譜の一部」をヒントにハワードがこのピアノ協奏稿を補筆をしつつ再現したもの。ピアノ独奏稿はDisc.51に収録。 〔27〕~〔28〕ウェーバーの「華麗なるポラッカ(ポロネーズ)」をピアノとオーケストラの協奏稿にしたもの。アドルフ・ヘンゼルトもこの作品の「演奏会用版」(独奏)を作ったが、リストはそのヘンゼルト版を称賛しこのリスト版をヘンゼルトへ献呈している。このピアノ協奏稿を再度リストがピアノ独奏へ編曲したものはDisc.79に収録。




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August 18, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.95

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
ピアノと管弦楽のための作品 1 

Disc.95 
1.-4. ピアノ協奏曲 第1番 S.124* 
5.-7. ベートーヴェンの《アテネの廃墟》の動機による幻想曲 S.122*
8.-14. 死の舞踏 - 《怒りの日》によるパラフレーズ 〔最終稿〕 S.126ii*
15.-16. ベルリオーズの《レリオ》の主題による交響的大幻想曲 〔修正:ハワード〕 S.120* 

*カール・アントン・リッケンバッヒャー指揮/ブダペスト交響楽団  

Hyperion CDA67401/2
Recorded: 1997/1998 

〔メモ〕
〔1〕~〔4〕リストの代表的なピアノ協奏曲。数回の改訂を経て完成にいたるが、その最終稿以前の原稿には「交響的協奏曲」と書き入れている。楽章分けはされていないが4部に分けて考えることができる。ヘンリー・リトルフへ献呈されているが、リトルフも4つの「交響的協奏曲」を書いていて、それら作品からの影響も考えられる。主題変容という技法を用い全体の統一感を高めている。初演はリスト独奏、ベルリオーズの指揮で行われた。 〔5〕~〔7〕ベートーヴェンの劇付随音楽「アテネの廃墟」を素材として用いた作品。当ピアノ協奏稿のほかにピアノ独奏稿や2台ピアノ稿もある。それら全てニコライ・ルビンシテインへ献呈された。ピアノ独奏稿「《アテネの廃墟》の動機による幻想曲 S.389」やその他関連作品はDisc.49に、「《アテネの廃墟》の動機による幻想曲〔第1稿〕S.388b」はDisc.69に収録。 〔8〕~〔14〕こちらもリストの代表的なピアノ協奏曲。単旋律聖歌「怒りの日」を主題とする変奏曲形式の作品。ピアノ独奏稿はDisc.17に、「死の舞踏〔《深き淵より》編入稿〕S.126i」はDisc.98に収録。 〔15〕~〔16〕ベルリオーズが自身の幻想交響曲への続編として書いた叙情的モノドラマ「レリオ、あるいは生への復帰」の2つの主題を使用してリストが書いた幻想曲。この作品の自筆譜は行方不明だったが、近年フランスのとあるオークションで出品された。ハワードはその自筆譜をもとに修正をして録音している。




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July 29, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.94

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
イタリアのハロルド  

Disc.94 
  イタリアのハロルド "4部の交響曲" 〔ヴィオラを伴うピアノスコア〕S.472 (ベルリオーズ)* 
1. 山におけるハロルド - 憂愁、幸福と歓喜の場面 
2. 巡礼者の行進 - 夕べの祈祷を歌う 
3. セレナード - アブルッチの山人が、その愛人によせる 
4. 山賊の饗宴 - 前後の追想 
5. 忘れられたロマンス 〔ヴィオラとピアノのための稿〕 S.132*
6. 聖カエキリア讃歌 S.491 (グノー)
7. 修道士 S.416 (マイアベーア)  
8. シラー生誕100年祭への祝祭行進曲 S.549 (マイアベーア) 

*ヴィオラ: ポール・コレッティ 

Hyperion CDA66683
Recorded: 1992 

〔メモ〕
〔1〕~〔4〕ベルリオーズのヴィオラ独奏を伴う交響曲である「イタリアのハロルド」をリストがヴィオラ独奏付きピアノスコアにしたもの。ベルリオーズは最初に書いた原稿を実際に出版する際に改訂した(要するに「原稿」と「出版譜」では違いがある)。リストの編曲は原稿のトランスクリプションだが、ハワードは時に出版譜に含まれる変更も採用している。ちなみにリストはベルリオーズ作品の普及に熱心に取り組み、「ベルリオーズとハロルド交響曲」という記事も書いている。 〔5〕「ロマンス - おお、さらばなぜ S.169」(Disc.25)を改訂し「忘れられたロマンス」を作った。このヴィオラ稿の他にヴァイオリン稿、チェロ稿、ピアノ独奏稿がある。ピアノ独奏稿「忘れられたロマンス S.527」はDisc.19に収録。 〔6〕グノーの器楽合奏曲「聖カエキリア讃歌」のトランスクリプション。この作品は未出版であり、自筆譜はワイマールのゲーテ=シラー・アルヒーフに所蔵されている。 〔7〕マイアベーアの歌曲「修道士」のトランスクリプション。 〔8〕リストとマイアベーアはそれぞれシラー生誕100年祭に寄せて作品を書いている。この作品はマイアベーアの管弦楽曲「シラー生誕100年祭のための行進曲」をリストが編曲したもの。リストのオリジナル作品「シラー祭へその芸術家のための祝祭行進 S.520ii」はDisc.22に収録。




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July 18, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.93

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
ピアノフォルテを伴う朗唱 

Disc.93
1. レノーレ (ビュルガーによるバラッド) S.346*
2. 悲しみの僧 (レーナウによるバラッド) S.348* 
3. ヘルギの忠誠 (シュトラハヴィッツによるバラッド) 〔ドレーゼケの歌曲適用〕S686*
4. 死せる詩人の愛 (ヨーカイによるバラッド) S.349"
5. 盲目の人 (トルストイによるバラッド) S.350# 

*朗唱:ヴォルフ・カーラー
"朗唱:シャーンドル・エレス 
#朗唱:ユーリ・ステパノフ 

Hyperion CDA67045
Recorded: 1995 

〔メモ〕
音楽を伴う物語詩の朗読であるメロドラマを集めたアルバム。このジャンルで有名なものはR.シュトラウスの「イノック・アーデン」。 〔1〕ゴットフリート・アウグスト・ビュルガーの詩「レノーレ」に音楽を付けたメロドラマ。余談だがリストの「バラード 第2番 S.171」(Disc.12)はビュルガーのレノーレに触発されて書かれたという説もあるが、真偽は定かではない。 〔2〕ニコラウス・レーナウの詩「悲しみの僧」に音楽を付けたメロドラマ。この作品自体一般にはほとんど知られていなかったが、「全音音階を使用していること」や「1860年という時期に無調らしい音楽を書いていた」という点から音楽学者に注目されていた。 〔3〕モーリッツ・シュトラハヴィッツ伯爵の詩「ヘルギの忠誠」に音楽を付けたメロドラマ。フェリックス・ドレーゼケが「ヘルギの忠誠」を歌詞とした歌曲を書いたが、その歌曲を素材としてリストがメロドラマを組み立てた。 〔4〕モール・ヨーカイの詩「死せる詩人の愛」に音楽を付けたメロドラマ。この詩はヨーカイの友人であった詩人シャーンドル・ペテーフィのことを書いたもの。リストは後に自身のピアノ曲「ペテーフィの思い出に S.195」(Disc.19)にこの作品の旋律を引用している。 〔5〕アレクセイ・コンスタンチノヴィッチ・トルストイの詩「盲目の人」に音楽を付けたメロドラマ(ドイツ語翻訳版ではタイトルが「盲目の歌い手」となっている)。後にリストはこの作品の音楽を使用してピアノ曲「盲目の歌い手 S.546」(Disc.19)を作曲する。 




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June 26, 2013

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.92

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
新発見 4  

Disc.92 
1. かつて - ロマンス 〔第2中間稿〕 S.577i ter (ウィルホルスキー)
2. 夕べの祈祷を歌う巡礼の行列 (交響曲《イタリアのハロルド》より) 〔第1稿〕S.473i (ベルリオーズ)
3. ヴァルトブルク城への来賓の入城 - 《タンホイザー》より行進曲 〔加筆・新版〕 S.445/1a (ワーグナー)
4. アダージョ・ノン・トロッポ S.151a
5. アルバムリーフ "アンダンティーノ" S.163a/2
6. アルバムリーフ "アンダンテ" S.167r
7. アルバムリーフ "リヨン" S.167s
8. アルバムリーフ "マズルカ風" S.163e
9. アルバムリーフ "アダージョ - レリジオーソ" S.164l
10. アルバムリーフ "アジタート" (君を愛す) S.167l
11. アルバムリーフ "アンダンテ・レリジョサメンテ" (詩的で宗教的な調べ) S.166j
12. アルバムリーフ "行進曲のテンポ" S.167o
13. アルバムリーフ "半音階的フーガ - アレグロ" S.167j
14. アルバムリーフ (半音階的大ギャロップ) S.167k
15. アルバムリーフ S.166l/2
16. アルバムリーフ "ラングザム" (夕べの調べ) S.166o
17. アルバムリーフ "モデラート" (夢遊病の女) S.164k
18. アルバムリーフ "ヴィヴァーチェ・マ・ノン・トロッポ" (レリオ) S.167g
19. アルバムリーフ "ラルゲット" (ヘンゼルトの協奏曲) S.167p
20. アルバムリーフ "《解き放たれたプロメテウス》の終合唱" S.167q
21. アルバムリーフ "マジャール" S.164e/3
22. プロツィンスキーの断章 S.701v
23. アルバムリーフ "アレグレット" (ベルリン) S.167n
24. アルバムリーフ (ゴットシャルク) S.166s
25. アルバムリーフ (愛の讃歌) S.167t
26. アルバムリーフ "アンダンティーノ" (憂鬱なワルツ) S.163d/ii
27. アルバムリーフ "煉獄 - アンダンテ" S.166r/1
28. アルバムリーフ "《ダンテ交響曲》の煉獄より - ラメントーソ" S.166r/2
29. アルバムリーフ "パガニーニ大練習曲第6番への序奏" S.141/6bis
30. カデンツァ (メフィストワルツ 第1番) S.695f
31. アルバムリーフ "レーナウのファウストからのエピソード、(第1)メフィストワルツより - 村の居酒屋での踊り" S.167m
32. 荒々しき狩り - スケルツォ S.176a

Recorded: 2009 

〔メモ〕
〔1〕ウィルホルスキーの「ロマンス」のリストによる編曲は第1稿と第2稿が知られていたが、その2つの稿の間に書かれた中間稿が2つ新たに判明した。第1稿はDisc.29に、第2稿はDisc.53に、第1中間稿はDisc.91に収録。 〔2〕ベルリオーズの交響曲「イタリアのハロルド」の第2楽章のリストによるトランスクリプションの未発表の初稿。第2稿より原曲に忠実。第2稿はDisc.52に収録。 〔3〕ワーグナーの楽劇「タンホイザー」の「ヴァルトブルク城への来賓の入城」のトランスクリプションをリストを一度出版したが、その後1976年にリストはいくつかの変更を思いつき書き留めた。この加筆・新版は新リスト全集にて初版された。改訂前の稿はDisc.45に収録。 〔4〕「華麗なるアレグロ」の序盤とほぼ同じ。この初期の作品は以前不完全な形でしか残されていなかったが、近年自筆譜が発見され、ハワードが完全な形で録音できた。関連作品「華麗なるアレグロ S.151」はDisc.1に収録。 〔5〕~〔31〕リストが他人のために書き留め贈呈した、ちょっとした譜面。有名作品の旋律を引用したものもある。 〔32〕「スケルツォと行進曲 S.177」の初稿。この自筆譜は1851年1月に書かれ2009年にイギリス・リスト協会ジャーナルにて初版された。この時点でのタイトル「荒々しき狩り」は後に超絶技巧練習曲の第8番へ付け替えられた。最終稿「スケルツォと行進曲 S.177」はDisc.21に収録。 




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ミッチ at 20:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)