アラウ
March 13, 2012
CLAUDIO ARRAU: The Early Years: The Complete Pre-War Recordings
クラウディオ・アラウ
The Early Years: The Complete Pre-War Recordings
Disc.1
1. ワルツ 第4番 Op.34/3 (ショパン)<1921/Vocalion>
2. 楽興の時 第3番 Op.94/3 (シューベルト)<1921/Vocalion>
3. パガニーニ大練習曲 第2番 オクターヴ S.141/2 <1928/Polydor>
4. パガニーニ大練習曲 第5番 狩 S.141/5 <1928/Polydor>
5. パガニーニ大練習曲 第1番 トレモロ S.141/1 <1928/Polydor>
6. パガニーニ大練習曲 第6番 主題と変奏 S.141/6 <1928/Polydor>
7. 泉のほとりで S.160/4 <1928/Polydor>
8. イスラメイ (バラキレフ)<1928/Polydor>
9. ラ・レジェレッツァ S.144/2 <1928/Polydor>
10. ロシアの踊り (ペトルーシュカからの3楽章より)(ストラヴィンスキー)<1928/Polydor>
11. エレジー 第5番 夜のワルツ (ブゾーニ)<1928/Polydor>
12. ソナチネ 第6番 カルメン幻想曲 (ブゾーニ)<1927-1929/HMV>
13. ワルツ 第4番 Op.34/3 (ショパン)<1927-1929/HMV>
14. 聞け、聞け、ひばりを! S.558/9 (シューベルト=リスト)<1927-1929/HMV>
15. 練習曲 Op.10/9 (ショパン)<1927-1929/HMV>
16. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)<1927-1929/HMV>
17. 憂鬱なワルツ S.214/2 <1927-1929/HMV>
18. 練習曲 Op.25/2 (ショパン)<1927-1929/HMV>
19. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)<1927-1929/HMV>
20. 前奏曲 Op.28/23 (ショパン)<1927-1929/HMV>
21. 練習曲 Op.25/1 (ショパン)<1927-1929/HMV>
22. 練習曲 Op.10/3 (ショパン)<1927-1929/HMV>
Disc.2
1. エステ荘の噴水 S.163/4 <1928/Odeon>
2. スペイン狂詩曲 S.254 <1933/Telefunken>
3. タランテラ Op.43 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
4. 練習曲 Op.10/8 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
5.-25. 謝肉祭 Op.9 (シューマン)<1938-1939/Parlophone>
26. スティリー風タランテラ (舞曲) (ドビュッシー)<1938-1939/Parlophone>
27. 雨の庭 (版画 第3番)(ドビュッシー)<1938-1939/Parlophone>
28. バラード 第3番 Op.47 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
29. スケルツォ 第3番 Op.39 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
Marston 52023-2
〔メモ〕
モシェレスやヘンゼルトの流れを汲むヴァルデマール・リュッチュクやレシェティツキの弟子パウル・シュラムに師事し、その後フランツ・リストの高弟マルティン・クラウゼの弟子となったクラウディオ・アラウです。戦前の録音を集めたものです。同じくチリ出身の偉大なピアニストでクラウゼの弟子であったロジータ・レナルドがアラウをクラウゼに紹介したとのこと。フランツ・リストがそうしたのと同様、クラウゼがアラウから授業料を取ることはありませんでした。そして他に大きな影響を受けたものとして、ブゾーニやテレサ・カレーニョなど19世紀からの流れを汲む巨人たちの演奏を挙げています。
マルティン・クラウゼやエトヴィン・フィッシャーだけでなく、アルフレッド・コルトーやアルトゥール・ルービンシュタインもこの「チリの神童」に驚嘆していました。ここでの演奏は正にほとばしる才気といった感じです。神に愛されたピアニストと言えるでしょう。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
関連記事: ARRAU HERITAGE: LISZT
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The Early Years: The Complete Pre-War Recordings
Disc.1
1. ワルツ 第4番 Op.34/3 (ショパン)<1921/Vocalion>
2. 楽興の時 第3番 Op.94/3 (シューベルト)<1921/Vocalion>
3. パガニーニ大練習曲 第2番 オクターヴ S.141/2 <1928/Polydor>
4. パガニーニ大練習曲 第5番 狩 S.141/5 <1928/Polydor>
5. パガニーニ大練習曲 第1番 トレモロ S.141/1 <1928/Polydor>
6. パガニーニ大練習曲 第6番 主題と変奏 S.141/6 <1928/Polydor>
7. 泉のほとりで S.160/4 <1928/Polydor>
8. イスラメイ (バラキレフ)<1928/Polydor>
9. ラ・レジェレッツァ S.144/2 <1928/Polydor>
10. ロシアの踊り (ペトルーシュカからの3楽章より)(ストラヴィンスキー)<1928/Polydor>
11. エレジー 第5番 夜のワルツ (ブゾーニ)<1928/Polydor>
12. ソナチネ 第6番 カルメン幻想曲 (ブゾーニ)<1927-1929/HMV>
13. ワルツ 第4番 Op.34/3 (ショパン)<1927-1929/HMV>
14. 聞け、聞け、ひばりを! S.558/9 (シューベルト=リスト)<1927-1929/HMV>
15. 練習曲 Op.10/9 (ショパン)<1927-1929/HMV>
16. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)<1927-1929/HMV>
17. 憂鬱なワルツ S.214/2 <1927-1929/HMV>
18. 練習曲 Op.25/2 (ショパン)<1927-1929/HMV>
19. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)<1927-1929/HMV>
20. 前奏曲 Op.28/23 (ショパン)<1927-1929/HMV>
21. 練習曲 Op.25/1 (ショパン)<1927-1929/HMV>
22. 練習曲 Op.10/3 (ショパン)<1927-1929/HMV>
Disc.2
1. エステ荘の噴水 S.163/4 <1928/Odeon>
2. スペイン狂詩曲 S.254 <1933/Telefunken>
3. タランテラ Op.43 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
4. 練習曲 Op.10/8 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
5.-25. 謝肉祭 Op.9 (シューマン)<1938-1939/Parlophone>
26. スティリー風タランテラ (舞曲) (ドビュッシー)<1938-1939/Parlophone>
27. 雨の庭 (版画 第3番)(ドビュッシー)<1938-1939/Parlophone>
28. バラード 第3番 Op.47 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
29. スケルツォ 第3番 Op.39 (ショパン)<1938-1939/Parlophone>
Marston 52023-2
〔メモ〕
モシェレスやヘンゼルトの流れを汲むヴァルデマール・リュッチュクやレシェティツキの弟子パウル・シュラムに師事し、その後フランツ・リストの高弟マルティン・クラウゼの弟子となったクラウディオ・アラウです。戦前の録音を集めたものです。同じくチリ出身の偉大なピアニストでクラウゼの弟子であったロジータ・レナルドがアラウをクラウゼに紹介したとのこと。フランツ・リストがそうしたのと同様、クラウゼがアラウから授業料を取ることはありませんでした。そして他に大きな影響を受けたものとして、ブゾーニやテレサ・カレーニョなど19世紀からの流れを汲む巨人たちの演奏を挙げています。
マルティン・クラウゼやエトヴィン・フィッシャーだけでなく、アルフレッド・コルトーやアルトゥール・ルービンシュタインもこの「チリの神童」に驚嘆していました。ここでの演奏は正にほとばしる才気といった感じです。神に愛されたピアニストと言えるでしょう。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
関連記事: ARRAU HERITAGE: LISZT
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October 11, 2011
Liszt Illuminated
クラウディオ・アラウ
ホルヘ・ボレット
グナー・ヨハンセン
Liszt Illuminated
Disc.1
1. 即興ワルツ S.213*
2. ペトラルカのソネット 第47番 S.161/4*
3. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5*
4. ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6*
5. バラード 第2番 S.171*
6. スペイン狂詩曲 S.254*
7. ドン・ジョヴァンニの回想 S.418"
8. パガニーニ大練習曲 第3番 ラ・カンパネラ S.141/3"
9. パガニーニ大練習曲 第4番 S.141/4"
Disc.2
1. ベートーヴェンの《アテネの廃墟》による幻想曲 S.389"
2. 超絶技巧練習曲 第5番 鬼火 S.139/5"
3. 超絶技巧練習曲 第6番 幻影 S.139/6"
4. 超絶技巧練習曲 第10番 S.139/10"
5. ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲 S.161/7#
6.-8. ピアノソナタ S.178#
9. 小人の踊り S.145/2#
*ホルヘ・ボレット
"グナー・ヨハンセン
#クラウディオ・アラウ
Marston 52065-2
Recorded: 1963-1986
〔メモ〕
アメリカ・リスト協会がスポンサーとなりリスト生誕200年を記念して制作されたディスクのご紹介です。プロデューサーはベンコとマーストンです。まず目に付くのがピアニストの選定です。アラウ、ボレットときて...え?ヨハンセン?ブレンデルでもシフラでもベルマンでもなくヨハンセン?さすがベンコとマーストンのコンビ!よくわかってらっしゃる!
● ホルヘ・ボレット
ここに収録されているのはプライベート録音とライブ録音ですが、こんな未発表音源があったとは。演奏も色気のある素晴らしい演奏です。
フランツ・リスト→モーリッツ・ローゼンタール→ホルヘ・ボレット
● グナー・ヨハンセン
ヨハンセンはブゾーニ・サークルの一員であり、そしてさらにエゴン・ペトリの弟子です。51巻に及ぶリスト全集の録音を残しています。ここに収録されている録音はその全集からの抜粋です。彼は編曲家、作曲家でもありましたが、この録音でも若干の改編をしながら演奏しています。
フランツ・リスト→フレデリック・ラモンド→グナー・ヨハンセン
● クラウディオ・アラウ
アラウのライブ録音を3つ収録しています。チリ出身ながら彼がなぜ「ドイツの伝統を受け継ぐピアニスト」と言われるのかがわかる演奏です。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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ホルヘ・ボレット
グナー・ヨハンセン
Liszt Illuminated
Disc.1
1. 即興ワルツ S.213*
2. ペトラルカのソネット 第47番 S.161/4*
3. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5*
4. ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6*
5. バラード 第2番 S.171*
6. スペイン狂詩曲 S.254*
7. ドン・ジョヴァンニの回想 S.418"
8. パガニーニ大練習曲 第3番 ラ・カンパネラ S.141/3"
9. パガニーニ大練習曲 第4番 S.141/4"
Disc.2
1. ベートーヴェンの《アテネの廃墟》による幻想曲 S.389"
2. 超絶技巧練習曲 第5番 鬼火 S.139/5"
3. 超絶技巧練習曲 第6番 幻影 S.139/6"
4. 超絶技巧練習曲 第10番 S.139/10"
5. ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲 S.161/7#
6.-8. ピアノソナタ S.178#
9. 小人の踊り S.145/2#
*ホルヘ・ボレット
"グナー・ヨハンセン
#クラウディオ・アラウ
Marston 52065-2
Recorded: 1963-1986
〔メモ〕
アメリカ・リスト協会がスポンサーとなりリスト生誕200年を記念して制作されたディスクのご紹介です。プロデューサーはベンコとマーストンです。まず目に付くのがピアニストの選定です。アラウ、ボレットときて...え?ヨハンセン?ブレンデルでもシフラでもベルマンでもなくヨハンセン?さすがベンコとマーストンのコンビ!よくわかってらっしゃる!
● ホルヘ・ボレット
ここに収録されているのはプライベート録音とライブ録音ですが、こんな未発表音源があったとは。演奏も色気のある素晴らしい演奏です。
フランツ・リスト→モーリッツ・ローゼンタール→ホルヘ・ボレット
● グナー・ヨハンセン
ヨハンセンはブゾーニ・サークルの一員であり、そしてさらにエゴン・ペトリの弟子です。51巻に及ぶリスト全集の録音を残しています。ここに収録されている録音はその全集からの抜粋です。彼は編曲家、作曲家でもありましたが、この録音でも若干の改編をしながら演奏しています。
フランツ・リスト→フレデリック・ラモンド→グナー・ヨハンセン
● クラウディオ・アラウ
アラウのライブ録音を3つ収録しています。チリ出身ながら彼がなぜ「ドイツの伝統を受け継ぐピアニスト」と言われるのかがわかる演奏です。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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February 17, 2011
荒々しき狩 ~超絶技巧練習曲 第8番
Wilde Jagd LW-A172/8
ベルマン、オフチニコフ、アラウがそれぞれ秀演ですが、
個人的に一番よく聴くのは2つのライブ録音です。
「猛獣注意」のリヒテル(モスクワライブ)
「落雷注意」のヴィラ
この二つは何かを超越したようなトランセンデンタルなものを感じる。
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ベルマン、オフチニコフ、アラウがそれぞれ秀演ですが、
個人的に一番よく聴くのは2つのライブ録音です。
「猛獣注意」のリヒテル(モスクワライブ)
「落雷注意」のヴィラ
この二つは何かを超越したようなトランセンデンタルなものを感じる。
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December 22, 2010
ARRAU HERITAGE: LISZT
クラウディオ・アラウ
ARRAU HERITAGE: LISZT
Disc.1
1.-4. ピアノソナタ S.178
5.-8. ピアノ協奏曲 第1番 S.124*
9.-12. ピアノ協奏曲 第2番 S.125*
Disc.2
1.-12. 超絶技巧練習曲 S.139 (全12曲)
Disc.3
1. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1
6つのポーランド歌曲 S.480 (ショパン=リスト)
2. 乙女の願い
3. 春
4. 指環
5. バッカナール
6. 愛しい人
7. 家路
8. 葬送曲 S.173/7
9.-11. 孤独の中の神の祝福 S.173/3
12. バラード 第2番 S.171
Disc.4
1. 愛の夢 第3番 S.541/3
2. リゴレット・パラフレーズ S.434 (ヴェルディ=リスト)
3. エルナーニ・パラフレーズ S.432 (ヴェルディ=リスト)
4. トロヴァトーレのミゼレーレ S.433 (ヴェルディ=リスト)
5. イェルサレムのサルヴェ・マリア S.431ii (ヴェルディ=リスト)
6. 《アイーダ》 神前の踊りと二重唱 S.436 (ヴェルディ=リスト)
7. ドン・カルロの祝典の合唱と葬送行進曲 S.435 (ヴェルディ=リスト)
8. ボッカネグラの回想 S.438 (ヴェルディ=リスト)
9. メフィストワルツ 第1番 S.514
Disc.5
2つの演奏会用練習曲 S.145
1. 森のざわめき
2. 小人の踊り
3つの演奏会用練習曲 S.144
3. 悲しみ
4. レジェレッツァ
5. ため息 〔アウグステ・レンネバウムのためのカデンツァ付き〕
6.-9. ピアノソナタ S.178
Disc.6
1. エステ荘の噴水 S.163/4
2. オーベルマンの谷 S.160/6
3. ダンテを読んで ソナタ風幻想曲 S.161/7
4. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5
5. ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6
6. ウィリアム・テルの聖堂 S.160/1
*サー・コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団
Philips 473 775-2
Recorded: 1969-1989
〔メモ〕
人気も評価も非常に高い、フィリップスに残されたアラウのリスト録音全集。リスト研究家である野本由紀夫氏に「抒情性や和声感の繊細さなどに比重が移っている」「熱い思いと構成感がみごとに融合した推奨盤」と言わしめたアラウの演奏です。
特筆すべきはその表現の多彩さでしょうか。丸みを帯びそして深々とした音色により、特殊な音響空間に包まれているような感覚をおぼえます。優しい表情に満ちた包容力のある演奏であり、さらに技巧性も優れています。
全体的に素晴らしいのですが、個人的にはエステ荘の噴水、孤独の中の神の祝福、超絶技巧練習曲のいくつか、ため息、愛の夢3番などなどはベスト録音と言ってもよく、言わせてもらえるならば別次元の圧倒的な名演です。広大で深遠なその音楽に呑み込まれます。
このボックスセットは僕にとって一生の宝物です。
なおロ短調ソナタは1970年(Disc.1)のものと、1985年(Disc.5)の録音が2回収録されています。後者はスイスのラ・ショー・ド・フォンでのベートーヴェンのソナタ32番Op.111と同じレコーディングセッションで録音されたものだそうです。そして解説のトム・ディーコンによるとアラウはベートーヴェンとリストの両ソナタを同等の高みにある傑作と考えていたそうです。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
関連記事: CLAUDIO ARRAU: The Early Years: The Complete Pre-War Recordings
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ARRAU HERITAGE: LISZT
Disc.1
1.-4. ピアノソナタ S.178
5.-8. ピアノ協奏曲 第1番 S.124*
9.-12. ピアノ協奏曲 第2番 S.125*
Disc.2
1.-12. 超絶技巧練習曲 S.139 (全12曲)
Disc.3
1. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1
6つのポーランド歌曲 S.480 (ショパン=リスト)
2. 乙女の願い
3. 春
4. 指環
5. バッカナール
6. 愛しい人
7. 家路
8. 葬送曲 S.173/7
9.-11. 孤独の中の神の祝福 S.173/3
12. バラード 第2番 S.171
Disc.4
1. 愛の夢 第3番 S.541/3
2. リゴレット・パラフレーズ S.434 (ヴェルディ=リスト)
3. エルナーニ・パラフレーズ S.432 (ヴェルディ=リスト)
4. トロヴァトーレのミゼレーレ S.433 (ヴェルディ=リスト)
5. イェルサレムのサルヴェ・マリア S.431ii (ヴェルディ=リスト)
6. 《アイーダ》 神前の踊りと二重唱 S.436 (ヴェルディ=リスト)
7. ドン・カルロの祝典の合唱と葬送行進曲 S.435 (ヴェルディ=リスト)
8. ボッカネグラの回想 S.438 (ヴェルディ=リスト)
9. メフィストワルツ 第1番 S.514
Disc.5
2つの演奏会用練習曲 S.145
1. 森のざわめき
2. 小人の踊り
3つの演奏会用練習曲 S.144
3. 悲しみ
4. レジェレッツァ
5. ため息 〔アウグステ・レンネバウムのためのカデンツァ付き〕
6.-9. ピアノソナタ S.178
Disc.6
1. エステ荘の噴水 S.163/4
2. オーベルマンの谷 S.160/6
3. ダンテを読んで ソナタ風幻想曲 S.161/7
4. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5
5. ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6
6. ウィリアム・テルの聖堂 S.160/1
*サー・コリン・デイヴィス指揮/ロンドン交響楽団
Philips 473 775-2
Recorded: 1969-1989
〔メモ〕
人気も評価も非常に高い、フィリップスに残されたアラウのリスト録音全集。リスト研究家である野本由紀夫氏に「抒情性や和声感の繊細さなどに比重が移っている」「熱い思いと構成感がみごとに融合した推奨盤」と言わしめたアラウの演奏です。
特筆すべきはその表現の多彩さでしょうか。丸みを帯びそして深々とした音色により、特殊な音響空間に包まれているような感覚をおぼえます。優しい表情に満ちた包容力のある演奏であり、さらに技巧性も優れています。
全体的に素晴らしいのですが、個人的にはエステ荘の噴水、孤独の中の神の祝福、超絶技巧練習曲のいくつか、ため息、愛の夢3番などなどはベスト録音と言ってもよく、言わせてもらえるならば別次元の圧倒的な名演です。広大で深遠なその音楽に呑み込まれます。
このボックスセットは僕にとって一生の宝物です。
なおロ短調ソナタは1970年(Disc.1)のものと、1985年(Disc.5)の録音が2回収録されています。後者はスイスのラ・ショー・ド・フォンでのベートーヴェンのソナタ32番Op.111と同じレコーディングセッションで録音されたものだそうです。そして解説のトム・ディーコンによるとアラウはベートーヴェンとリストの両ソナタを同等の高みにある傑作と考えていたそうです。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
関連記事: CLAUDIO ARRAU: The Early Years: The Complete Pre-War Recordings
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October 24, 2010
Great Pianists of The 20th Century Vol.6
20世紀の偉大なるピアニストたち 6
クラウディオ・アラウ 3
Disc.1
1.-24. 24の前奏曲 Op.28 (ショパン)<73>
25. 前奏曲 第25番 Op.45 (ショパン)<73>
26. 前奏曲 第26番 Op.posth (ショパン)<73>
27. 夜想曲 第13番 Op.48/1 (ショパン)<78>
28. 夜想曲 第14番 Op.48/2 (ショパン)<78>
29. 嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす (グラナドス)<51>
30. アイーダ・パラフレーズ S.436 (ヴェルディ=リスト)<71>
Disc.2
1. オーベルマンの谷 S.160/6 (リスト)<69>
2.-7. 楽興の時 D.780 (シューベルト)<90>
8.-10. 映像 第2集 (ドビュッシー)<79>
11. 幻想曲 K.475 (モーツァルト)<73>
音源: Philips, EMI
Philips 456 712-2
〔メモ〕
1930年代にバッハの鍵盤音楽全曲演奏を行ったアラウですが、その後に「ハープシコードこそがバッハの鍵盤音楽にふさわしい」という信念によりバッハを演奏することをやめました。そしてその信念は彼が80代になるまで変わりませんでした。一方モーツァルトの時代のピアノフォルテも現在のピアノとは違いますが、アラウはモダンピアノこそモーツァルトを演奏するにふさわしいと信じていたそうです。彼の表現力の豊かすぎるモーツァルト演奏に違和感をおぼえる批評家もいたようですが、なるほど、たしかに通常のモーツァルト演奏とは明らかに異質です。異質だからと言って拒絶するにはあまりにももったいない名演です。
「ドビュッシーの音楽は芸術の新天地へ突入しているのです。それはあたかも別の天体の音楽のようなもので、彼は有史以来の最も偉大な天才の一人と言えましょう。」デヴィッド・デュバルによればアラウはこのように語ったとか。僕はアラウとリヒテルのドビュッシー演奏を聴くまで、ドビュッシーの本当の魅力を知らなかったと言っても過言ではないです。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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クラウディオ・アラウ 3
Disc.1
1.-24. 24の前奏曲 Op.28 (ショパン)<73>
25. 前奏曲 第25番 Op.45 (ショパン)<73>
26. 前奏曲 第26番 Op.posth (ショパン)<73>
27. 夜想曲 第13番 Op.48/1 (ショパン)<78>
28. 夜想曲 第14番 Op.48/2 (ショパン)<78>
29. 嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす (グラナドス)<51>
30. アイーダ・パラフレーズ S.436 (ヴェルディ=リスト)<71>
Disc.2
1. オーベルマンの谷 S.160/6 (リスト)<69>
2.-7. 楽興の時 D.780 (シューベルト)<90>
8.-10. 映像 第2集 (ドビュッシー)<79>
11. 幻想曲 K.475 (モーツァルト)<73>
音源: Philips, EMI
Philips 456 712-2
〔メモ〕
1930年代にバッハの鍵盤音楽全曲演奏を行ったアラウですが、その後に「ハープシコードこそがバッハの鍵盤音楽にふさわしい」という信念によりバッハを演奏することをやめました。そしてその信念は彼が80代になるまで変わりませんでした。一方モーツァルトの時代のピアノフォルテも現在のピアノとは違いますが、アラウはモダンピアノこそモーツァルトを演奏するにふさわしいと信じていたそうです。彼の表現力の豊かすぎるモーツァルト演奏に違和感をおぼえる批評家もいたようですが、なるほど、たしかに通常のモーツァルト演奏とは明らかに異質です。異質だからと言って拒絶するにはあまりにももったいない名演です。
「ドビュッシーの音楽は芸術の新天地へ突入しているのです。それはあたかも別の天体の音楽のようなもので、彼は有史以来の最も偉大な天才の一人と言えましょう。」デヴィッド・デュバルによればアラウはこのように語ったとか。僕はアラウとリヒテルのドビュッシー演奏を聴くまで、ドビュッシーの本当の魅力を知らなかったと言っても過言ではないです。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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October 18, 2010
Great Pianists of The 20th Century Vol.5
20世紀の偉大なるピアニストたち 5
クラウディオ・アラウ 2
Disc.1
1.-2. ピアノソナタ 第21番 ワルトシュタイン Op.53 (ベートーヴェン)<63>
3. アンダンテ・ファヴォリ WoO57 (ベートーヴェン)<84>
4.-6. ピアノ協奏曲 第5番 皇帝 Op.73 (ベートーヴェン)<84>*
Disc.2
1. 幻想曲 Op.49 (ショパン)<77>
2.-5. ピアノソナタ S.178 (リスト)<70>
6.-8. 幻想曲 Op.17 (シューマン)<66>
*サー・コリン・デイヴィス指揮/ドレスデン・シュターツカペレル
音源: Philips
Philips 456 709-2
〔メモ〕
フランツ・リストがコンサートピアニストだった当時、ベートーヴェンのハンマークラヴィアソナタなどの大曲はゲンダイオンガクとして聴衆にとっては難解な音楽だったようです。そしてその難解な音楽を聴衆へわかるように紐解いていったのが、チェルニーを通じてベートーヴェンの孫弟子であったフランツ・リストに他なりません。
そして他に19世紀の代表的なベートーヴェン解釈者はリストの高弟ハンス・フォン・ビューローです(余談ですが彼はベートーヴェンのピアノソナタをピアノ音楽の新約聖書と呼びました)。20世紀の代表的なベートーヴェン解釈者といえば、バックハウス、ケンプ、アラウと言えるでしょう。彼らもまたリストの系列に属するピアニストたちです。
アラウのベートーヴェン演奏は大地に根差した質実剛健さがあります。しかしケンプやバックハウスとは違う何かがあります。肌触りの良いしなやかさがあり、包容力に満ちた演奏とでも言えばいいでしょうか。ドイツ人の演奏と違うのはなぜか、彼のラテン系の血がそうさせるのか興味は尽きません。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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クラウディオ・アラウ 2
Disc.1
1.-2. ピアノソナタ 第21番 ワルトシュタイン Op.53 (ベートーヴェン)<63>
3. アンダンテ・ファヴォリ WoO57 (ベートーヴェン)<84>
4.-6. ピアノ協奏曲 第5番 皇帝 Op.73 (ベートーヴェン)<84>*
Disc.2
1. 幻想曲 Op.49 (ショパン)<77>
2.-5. ピアノソナタ S.178 (リスト)<70>
6.-8. 幻想曲 Op.17 (シューマン)<66>
*サー・コリン・デイヴィス指揮/ドレスデン・シュターツカペレル
音源: Philips
Philips 456 709-2
〔メモ〕
フランツ・リストがコンサートピアニストだった当時、ベートーヴェンのハンマークラヴィアソナタなどの大曲はゲンダイオンガクとして聴衆にとっては難解な音楽だったようです。そしてその難解な音楽を聴衆へわかるように紐解いていったのが、チェルニーを通じてベートーヴェンの孫弟子であったフランツ・リストに他なりません。
そして他に19世紀の代表的なベートーヴェン解釈者はリストの高弟ハンス・フォン・ビューローです(余談ですが彼はベートーヴェンのピアノソナタをピアノ音楽の新約聖書と呼びました)。20世紀の代表的なベートーヴェン解釈者といえば、バックハウス、ケンプ、アラウと言えるでしょう。彼らもまたリストの系列に属するピアニストたちです。
アラウのベートーヴェン演奏は大地に根差した質実剛健さがあります。しかしケンプやバックハウスとは違う何かがあります。肌触りの良いしなやかさがあり、包容力に満ちた演奏とでも言えばいいでしょうか。ドイツ人の演奏と違うのはなぜか、彼のラテン系の血がそうさせるのか興味は尽きません。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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October 11, 2010
Great Pianists of The 20th Century Vol.4
20世紀の偉大なるピアニストたち 4
クラウディオ・アラウ 1
Disc.1
1. イスラメイ (バラキレフ)<27/28>
2. スペイン狂詩曲 S.254 〔短縮版〕 (リスト)<36>
3. 半音階的幻想曲とフーガ BWV903 (バッハ)<45>
4.-6. イベリア 第1集 (アルベニス)<46/47>
7. 孤独のなかの神の祝福 S.173/3 (リスト)<70>
8. エステ荘の噴水 S.163/4 (リスト)<69>
9. 雪あらし S.139/12 (リスト)<74>
Disc.2
1.-2. パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 (ブラームス)<74>
3.-5. ピアノ協奏曲 第1番 Op.15 (ブラームス)<69>*
*ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
音源: Deutsche Grammophon, BMG, Sony, Philips
Deutsches Musikarchiv Berlin
Philips 456 706-2
〔メモ〕
チリ出身ながら、フランツ・リストの弟子マルティン・クラウゼに師事しドイツ・ピアニズムの最良の形を受け継いでいるのがこのアラウです。この2枚組では初期の録音も含まれていて、超絶技巧を武器にしていたヴィルトゥオーゾスタイルの頃の彼の演奏も楽しめます。しかしそのピアニズムの根底に流れる質実剛健さというのはいつの時代の彼の録音をとっても変わりません。解説によると「アラウは若いころはモダンなスタイルのピアニストだが、歳をとるにつれて古き時代のピアニストのスタイルになるというパラドックスがある」という考察がされてますが、なるほどそのような解釈もできると思います。そのモダンピアニストとしての顕著な例がスペイン狂詩曲でしょう。感傷を排除し超絶技巧を持って淡々と前進していくその姿は驚くほどにモダンな奏法です。一方で60年代以降の演奏では作品を慈しむような演奏がされています。これほど計り知れない深みをもったピアニストを僕は他に知りません。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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クラウディオ・アラウ 1
Disc.1
1. イスラメイ (バラキレフ)<27/28>
2. スペイン狂詩曲 S.254 〔短縮版〕 (リスト)<36>
3. 半音階的幻想曲とフーガ BWV903 (バッハ)<45>
4.-6. イベリア 第1集 (アルベニス)<46/47>
7. 孤独のなかの神の祝福 S.173/3 (リスト)<70>
8. エステ荘の噴水 S.163/4 (リスト)<69>
9. 雪あらし S.139/12 (リスト)<74>
Disc.2
1.-2. パガニーニの主題による変奏曲 Op.35 (ブラームス)<74>
3.-5. ピアノ協奏曲 第1番 Op.15 (ブラームス)<69>*
*ベルナルト・ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
音源: Deutsche Grammophon, BMG, Sony, Philips
Deutsches Musikarchiv Berlin
Philips 456 706-2
〔メモ〕
チリ出身ながら、フランツ・リストの弟子マルティン・クラウゼに師事しドイツ・ピアニズムの最良の形を受け継いでいるのがこのアラウです。この2枚組では初期の録音も含まれていて、超絶技巧を武器にしていたヴィルトゥオーゾスタイルの頃の彼の演奏も楽しめます。しかしそのピアニズムの根底に流れる質実剛健さというのはいつの時代の彼の録音をとっても変わりません。解説によると「アラウは若いころはモダンなスタイルのピアニストだが、歳をとるにつれて古き時代のピアニストのスタイルになるというパラドックスがある」という考察がされてますが、なるほどそのような解釈もできると思います。そのモダンピアニストとしての顕著な例がスペイン狂詩曲でしょう。感傷を排除し超絶技巧を持って淡々と前進していくその姿は驚くほどにモダンな奏法です。一方で60年代以降の演奏では作品を慈しむような演奏がされています。これほど計り知れない深みをもったピアニストを僕は他に知りません。
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→クラウディオ・アラウ
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September 30, 2010
マゼッパ ~超絶技巧練習曲 第4番
Mazeppa LW-A172/4
マゼッパに関してはベルマン、オフチニコフ、アラウもそれぞれ素晴らしいけども、ひとつ選ぶとするならブゾーニの高弟ペトリの演奏を推したいです。鮮烈な演奏。
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マゼッパに関してはベルマン、オフチニコフ、アラウもそれぞれ素晴らしいけども、ひとつ選ぶとするならブゾーニの高弟ペトリの演奏を推したいです。鮮烈な演奏。
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