アルゲリッチ

November 11, 2010

Legendary Performances Vol.4

マルタ・アルゲリッチ

Electricity in the air

「その空間いっぱいに広まる緊張感」というリストの演奏への賛辞を読んだことがあります。言うまでもなく、19世紀を生きたフランツ・リストの演奏の録音は存在しません。リスト好きの人間にとって、フランツ・リスト本人がどのような演奏をしていたか、本を眺めながら思いに馳せるのは楽しいものです。そして、それぞれのリスト像があるかと思いますが、マルタ・アルゲリッチの演奏する「ピアノ・ソナタロ短調」は僕にとってリストの演奏はこのようなものだったのではないかというリスト像にピッタリとあてはまります。出だしの一音から尋常ならざる空気感がある。ピアノの音に電流が宿っているかのような緊張感がある。怒り狂う感情のうねりとほとばしる情熱、しかしながら全体のプロポーションは崩れていない。その瞬間ごとに聴くと、その都度おもむくままの感情を音楽にぶつけているように聴こえますが、全体をみると統一感がある。これは計算をしてやっているのか、天性に従った結果そうなったのかは僕にわかるはずはありません。天才ピアニスト、マルタ・アルゲリッチ、僕はこの演奏になにか恐ろしいものを感じました。これは超常現象のようなものです。

ちなみにカップリングとしてシューマンのソナタ第2番が収録されていますが、そちらも絶品です。


記事一覧(サイトマップ)



ミッチ at 19:16|PermalinkComments(0)TrackBack(2)

October 03, 2010

Great Pianists of The 20th Century Vol.3

20世紀の偉大なるピアニストたち 3

マルタ・アルゲリッチ 2

great argerich 2

Disc.1
1. 前奏曲 Op.45 (ショパン)<75>
2. 幻想ポロネーズ Op.61 (ショパン)<67>
3. マズルカ Op.59/1 (ショパン)<67>
4. マズルカ Op.59/2 (ショパン)<67>
5. マズルカ Op.59/3 (ショパン)<67>
6. スケルツォ 第3番 Op.39 (ショパン)<60>
7.-30. 24の前奏曲 Op.28 (ショパン)<75>
31. スケルツォ 第2番 Op.31 (ショパン)<74>
32. 英雄ポロネーズ Op.53 (ショパン)<67>

Disc.2
1.-4. ピアノソナタ 第3番 Op.58 (ショパン)<67>
5.-8. ピアノソナタ 第2番 Op.22 (シューマン)<71>
9.-11. ピアノソナタ S.178 (リスト)<71>
12. ハンガリー狂詩曲 第6番 S.244/6 (リスト)<60>

音源: Deutsche Grammophon
Philips 456 703-2

〔メモ〕
グレン・グールドが避けたロマン派三大巨匠ショパン、シューマン、リストの録音です。どの曲を聴いてもアルゲリッチ印の刻印が押されていて、これだけ独自の個性を発揮してるのに嫌味が全くないです。ピアノソロ録音はそれほど多くないにもかかわらず、どの録音も批評家の評価が高いだけでなく一般的な人気も非常に高いです。
彼女は80年代にピアノ独奏での活動を停止しています(時々ソロでも演奏しますが)。その理由はわかりませんが、ここでの燃焼度100%の演奏を聴いてると、ピアノ独奏への欲求が燃え尽きたのかなと想像してしまいます。
シューマンの2番は「可能な限り速く」始まり、その後「より早く」なり、そして「さらに速く」というシューマンによる指示がある楽曲ですが、ここでのアルゲリッチの演奏を聴いていると「なるほど!」と言いたくなるような説得力に満ちています。この曲はこのように演奏するんですね。
アルゲリッチはいまだに現役ピアニストですが、もうすでに歴史に名を残したと言っても過言ではないでしょう。

フランツ・リスト→テオドール・リッター→イシドール・フィリップ→ニキタ・マガロフ→マルタ・アルゲリッチ
フランツ・リスト→エミール・ザウアー→シュテファン・アスケナーゼ→マルタ・アルゲリッチ


記事一覧(サイトマップ)

ミッチ at 19:50|PermalinkComments(0)TrackBack(2)

September 26, 2010

Great Pianists of The 20th Century Vol.2

20世紀の偉大なるピアニストたち 2

マルタ・アルゲリッチ 1

great argerich 1

Disc.1
1.-4. ピアノ協奏曲 第1番 S.124 (リスト)<68>#
5.-7. ピアノ協奏曲 ト長調 (ラヴェル)<67>$
8.-10. ピアノ協奏曲 第3番 Op.30 (ラフマニノフ)<82>*

Disc.2
1.-6. パルティータ 第2番 BWV826 (バッハ)<79>
7.-9. ソナチネ (ラヴェル)<74>
10.-12. 夜のガスパール (ラヴェル)<74>
13.-15. ピアノ協奏曲 第3番 Op.26 (プロコフィエフ)<67>$

#クラウディオ・アバド指揮/ロンドン交響楽団
$クラウディオ・アバド指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
*リッカルド・シャイー指揮/ベルリン放送交響楽団

音源: Deutsche Grammophon, Philips
Philips 456 700-2

〔メモ〕
かつて「ピアノのヴァルキューレ」と称されたテレサ・カレーニョという19世紀の大ピアニストがいました。マルタ・アルゲリッチはまさに20世紀版「ピアノのヴァルキューレ」と評してもよいと思います。華々しい男性遍歴という共通点があることも興味深い事実ですね。
彼女の驚異的な特質というのは、どれだけテンペラメンタルな感情剥き出しの演奏をしようとも音楽の全体のプロポーションが全く崩れないことです。天才アルゲリッチがどのようにしてそれを成し遂げているか、僕にはうかがい知る余地はありませんが、彼女が考えてやっているようには僕は思えません。本能に従って演奏していたら結果的にそうなっていたという気がしてならないのです。
この収録曲の中で特に驚いたのはラフマニノフのコンチェルト3番です。これだけクリエイティブな解釈は聴いたことがありません。誰の演奏とも似ていないが、奇を衒っている印象も受けません。とにかく恐ろしい才能。

フランツ・リスト→テオドール・リッター→イシドール・フィリップ→ニキタ・マガロフ→マルタ・アルゲリッチ
フランツ・リスト→エミール・ザウアー→シュテファン・アスケナーゼ→マルタ・アルゲリッチ


記事一覧(サイトマップ)

ミッチ at 18:29|PermalinkComments(0)TrackBack(2)