アルフレート・ブレンデル
October 18, 2011
The Christmas Tree - Alfred Brendel
Weihnachtsbaum / L'arbre de Noël / The Christmas Tree
クリスマスツリー S.186
1. プサリテ - 古きクリスマスの歌
2. おお、聖なる夜
3. 飼葉桶のかたわらの羊飼い
4. 東方三博士の行進
5. スケルツォーソ
6. カリヨン
7. まどろみの歌
8. 古きプロヴァンスのクリスマスの歌
9. 夕べの鐘
10. 昔々
11. ハンガリー風
12. ポーランド風
XXI-21 Records XXI CD 2 1445
Recorded: 1951
〔メモ〕
アルフレート・ブレンデルの記念すべきデビュー録音であるリストのクリスマスツリー全曲盤です。デビュー録音がクリスマスツリーとは極めて異例ではないでしょうか。おそらくこのCDはSPAレーベルのLPからの板起こしかと思われます。例えばブレンデルが後年フィリップスレーベルに残したリスト作品の録音群も全体的に素晴らしい出来ですが、時には考え過ぎ、時には神経質すぎる側面もあり息苦しく感じる時もあります。それはブレンデルの演奏に哲学的な深みがあるからだと思いますが、対照的にこの若き日の録音では無邪気なブレンデルの演奏を聴くことができます。まさに「子供の戯れ」のような演奏であり、しかしだからといって恣意的になることなく全体を仕上げているのはさすがブレンデルです。ブレンデルはコルトーのリスト録音を高く評価していましたが、ここではコルトーの影響も垣間見えるような気がします。
ちなみにこのCDは現在入手状況がどうなのかわかりませんが、同じ音源の復刻をRegisというレーベルが行っていて今年発売されました。しかもカップリングでパガニーニ練習曲なども収録されていてお得です。
フランツ・リスト→ベルンハルト・シュターヴェンハーゲン→ルトヴィカ・フォン・カーン→アルフレート・ブレンデル
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→エトヴィン・フィッシャー→アルフレート・ブレンデル
フランツ・リスト→コンラート・アンゾルゲ→エドゥアルト・エルトマン→パウル・バウムガルトナー→アルフレート・ブレンデル
HMV: ブレンデルのクリスマスツリー
タワレコ: ブレンデルのクリスマスツリー
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October 28, 2010
ALFRED BRENDEL EDITION -LISZT PIANO WORKS-
アルフレート・ブレンデル
ALFRED BRENDEL EDITION -LISZT PIANO WORKS-
Disc.1
1. 葬送曲 S.173/7
2.-4. ピアノソナタ S.178
5. 灰色の雲 S.100
6. ピアノ小品 S.192/3
7. 夢の中で - 夜想曲 S207
8. R.W.- ヴェネツィア S.201
Disc.2
1.-9. 巡礼の年 第1年 スイス (全曲) S.160
10. イゾルデの愛の死 S.447 (ワーグナー=リスト)
Disc.3
1.-7. 巡礼の年 第2年 イタリア (全曲) S.161
Disc.4
2つの伝説 S.175
1. 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ
2. 波を渡るパオラの聖フランチェスコ
3. 悲しみのゴンドラⅠ S.200/1
4. 悲しみのゴンドラⅡ S.200/2
5. 王の御旗 S.185
6. スルスム・コルダ - 心を高めよ S.163/7
7. 夕べの鐘 S.186/9
8. 祈り S.173/1
Disc.5
1. エステ荘の糸杉にⅠ S.163/2
2. エステ荘の噴水 S.163/4
3. ものみな涙あり S.163/5
4. 子守歌 (まどろみの歌) S.186/7
5. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1
6. 凶星! S.208
7. 眠られぬ夜!問いと答え S.203i
8. モショニの葬送 S.194
9. 死のチャルダッシュ S.224
Disc.6
1. “泣き、嘆き、憂い、おののき” バッハの動機による変奏曲 S.180
2. 死者の追憶 S.173/4 〔ブレンデル編〕
3. B.A.C.H.の主題による幻想曲とフーガ S.529ii
4. 孤独の中の神の祝福 S.173/3
Disc.7
1.-3. ピアノ協奏曲 第1番 S.124*
4.-9. ピアノ協奏曲 第2番 S.125*
10. 死の舞踏 S.126ii*
*ベルナルト・ハイティンク指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
Philips PHCP-10300~6
recorded: 1972-1991
〔メモ〕
フランツ・リストは非常に多面的な芸術家です。そのリストのある一面だけを見て、リストを誤解する方々がいるのは仕方がないのかもしれません。各々のピアニストたちもリスト作品へのアプローチを試行錯誤しています。
上記の収録曲をご覧いただくと、ブレンデルのリスト芸術に対するピアニストとしてのアプローチは非常に特徴的であることがわかります。宗教的で思索的な作品を選び、リストの音楽の神聖さや陰影の深みを主張しているかのように感じます。20世紀に起こったリストの再評価はもちろん、バルトークやラヴェルの弁護の存在も大きかったと思いますが、このブレンデルの演奏活動がさらなるリスト再評価をもたらしたのは疑いのないことでしょう。
演奏の方は確固たる構造を目指し、職人がインスピレーションと技術で建造物を構築していくその様を見ているようです。古いヨーロッパの大聖堂をイメージし、神聖な静寂さを感じさせます。
もしブレンデルのこれら録音がなかったら僕はここまでリストに注目していなかったかもしれません。個人的にはそれほど思い入れの強い録音集です。
ちなみに現在このボックスセットは廃盤で入手困難かと思いますが、過去に
ボレットのリスト8枚組ボックス→後に9枚組で完全版ボックスセット
アラウのリスト5枚組ボックス→後に6枚組で完全版ボックスセット
という慣例がありますので、これからブレンデルのフィリップス(現デッカ)録音完全収録ボックスが発売されるのではないでしょうか。
フランツ・リスト→ベルンハルト・シュターヴェンハーゲン→ルトヴィカ・フォン・カーン→アルフレート・ブレンデル
フランツ・リスト→マルティン・クラウゼ→エトヴィン・フィッシャー→アルフレート・ブレンデル
フランツ・リスト→コンラート・アンゾルゲ→エデュアルト・エルトマン→パウル・バウムガルトナー→アルフレート・ブレンデル
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