ソヴィエト
January 17, 2006
アシュケナージ脅迫
冷戦下でソヴィエトの威信をかけた第1回チャイコフスキーコンクールをクライバーンという無名のアメリカ人の取られてしまい、ソヴィエト政府は「次こそは」と躍起になっていたそうです。そこで政府が目を付けたのが、ショパンコンクール2位、エリザベートコンクール優勝のアシュケナージです。しかしアシュケナージは乗り気ではなく、半ば脅迫めいた要請を受けることになります。
“「参加要請を受けぬ限り、君の将来のキャリアを保証しない。国外だけでなく、ソヴィエト国内でも。」と私は正式な通告を受けた。これが当局から脅迫を受けた初めての体験だった。”
後年アシュケナージはさらにこのようにも言ってます。
“ロシアは嘘で満たされた国です。その地で育てられた人間は、「自分が何が好きで、何が嫌いか」すらわからないほどに洗脳されてしまう。”
旧ソヴィエトのこの様な行為は決して許されるべきものではありません。まさに音楽家たちにとって苦難の時代だったことでしょう。しかしその一方で、政府による徹底された音楽家の教育システムにより、優れた演奏家を多数輩出したという事実は皮肉なものです。
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