ホロヴィッツ

January 04, 2012

horowitz plays liszt

ヴラディーミル・ホロヴィッツ 

horowitz plays liszt 

horowitz liszt

Disc.1
1. コンソレーション 第2番 S.172/2 <1962>
2. ハンガリー狂詩曲 第19番 〔ホロヴィッツ編〕 S.244/19 <1962>
3. スケルツォと行進曲 〔ホロヴィッツ編〕 S.177 <1967>
4. オーベルマンの谷 S.160/6 <1966>
5. ピアノソナタ S.178 <1977>
6. 泉のほとりで S.160/4 <1975>
7. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <1975>  

Disc.2
1. コンソレーション 第3番 S.172/3 <1979>
2. メフィストワルツ 第1番 〔ホロヴィッツ編〕 S.514 <1979>
3. バラード 第2番 S.171 <1981>
4. ウィーンの夜会 第6番 〔コーダ:ホロヴィッツ〕 S.427/6i (シューベルト=リスト) <1986>
5. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5 <1986>
6. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <1986>
7. "泣き、嘆き、憂い、おののき" 前奏曲 S.179 <1989>
8. イゾルデの愛の死 〔ホロヴィッツ編〕 S.447 (ワーグナー=リスト) <1989>

Disc.3
1. ハンガリー狂詩曲 第6番 〔ホロヴィッツ編〕 S.244/6 <1951>
2. ハンガリー狂詩曲 第2番 〔ホロヴィッツ編〕 S.244/2 <1953>
3.-5. ピアノソナタ S.178 <1949>
6. コンソレーション 第4番 S.172/4 <1950>
7. コンソレーション 第5番 S.172/5 <1950>
8. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <1951>

Disc.4
1. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <1930>
2. パガニーニ練習曲 第2番 〔ブゾーニ編〕 S.141/2 <1930>
3. ハンガリー狂詩曲 第6番 〔ホロヴィッツ編〕 S.244/6 <1947>
4. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5 <1951>
5. 泉のほとりで S.160/4 <1947>
6. 葬送曲 S.173/7 <1950>
7. 死の舞踏 〔ホロヴィッツ編〕 S.555 (サン-サーンス=リスト) <1942>
8. 結婚行進曲による変奏曲 (メンデルスゾーン=リスト) 〔ホロヴィッツ編〕<1946>
9. ハンガリー狂詩曲 第15番 ラーコーツィ行進曲 〔ホロヴィッツ編〕 S.244/15 <1950>
10. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <1951> 

Sony Classical 88697839852  

〔メモ〕
20世紀に生きた伝説的ピアニストであるホロヴィッツの4枚組です。19世紀に「ピアノの魔術師」と形容されたのはリストですが、20世紀においてその称号を受け継いだのはホロヴィッツです。現役時代、ホロヴィッツのリスト作品演奏は「ナルシスティックすぎる」という批判を浴びたこともあるそうなのですが、確かにその言葉は的を射た表現かもしれません。しかしホロヴィッツの演奏は圧倒的なオーラがあり、いかなる批判をもねじ伏せる力がありました。ホロヴィッツの演奏は聴いた人間を別世界に連れて行きます。それが夢の世界か地獄かは人それぞれですが、そんな状況では冷静な判断をできないのも当然で、これら演奏に対しエクスタシーを感じる人もいれば憤慨する人がいてもおかしくないでしょう。僕はこの演奏に時折り恐れすら感じます。リストを聴くというよりはホロヴィッツを聴くアルバムです。

※編曲の表記について
一般的にホロヴィッツの編曲と呼ばれるものに〔ホロヴィッツ編〕と付けましたが、バラード2番やオーベルマンなどにも改編は見られます。他の曲にも細かい改編があります。
ちなみにメフィストワルツ1番が〔リスト=ブゾーニ=ホロヴィッツ〕と表記されることがありますが、それは誤りです。確かにブゾーニ編曲のパッセージを引用してはいますが、基本的にはリストオリジナルをベースとしたホロヴィッツ編曲版です。


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September 04, 2011

Great Pianists of The 20th Century Vol.49

20世紀の偉大なるピアニストたち 49

ヴラディーミル・ホロヴィッツ 3

great horowitz3

Disc.1
1. 舟歌 Op.60 (ショパン)<57>
2. マズルカ Op.30/4 (ショパン)<28>
3. マズルカ Op.7/3 (ショパン)<32>
4. マズルカ Op.41/2 (ショパン)<33>
5. マズルカ Op.50/3 (ショパン)<35>
6. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)<35>
7. 練習曲 Op.10/5 黒鍵 (ショパン)<35>
8. 練習曲 Op.10/8 (ショパン)<32>
9. 練習曲 Op.25/3 (ショパン)<45>
10. 練習曲 Op.10/3 別れの曲 (ショパン)<35>
11. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)<52>
12. 練習曲 Op.25/7 (ショパン)<80>
13. 練習曲 Op.10/5 黒鍵 (ショパン)<80>
14. マズルカ Op.24/4 (ショパン)<51>
15. マズルカ Op.30/2 (ショパン)<45>
16. マズルカ Op.30/4 (ショパン)<49>
17. マズルカ Op.30/3 (ショパン)<49>
18. マズルカ Op.59/3 (ショパン)<50>
19. マズルカ Op.41/1 (ショパン)<49>
20. マズルカ Op.50/3 (ショパン)<49>
21. マズルカ Op.7/3 (ショパン)<47>
22. マズルカ Op.63/3 (ショパン)<49>
23. マズルカ Op.63/2 (ショパン)<49>
24. ポロネーズ 第6番 英雄 Op.53 (ショパン)<45> 

Disc.2
1.-3. ピアノ協奏曲 第5番 皇帝 Op.73 (ベートーヴェン)<52>*
4.-6. ピアノ協奏曲 第3番 Op.30 (ラフマニノフ)<51>*

*フリッツ・ライナー指揮/RCAビクター交響楽団

音源: BMG, EMI
Philips 456 841-2

〔メモ〕
この「20世紀の偉大なるピアニストたち」のホロヴィッツ集は最初がシューマン中心、そして第2巻がリスト中心で、この最後の巻でショパン中心となります。やはりホロヴィッツといえばロマン派音楽ということなのでしょうか。正直以前はホロヴィッツのショパンはその独特なクセにより好きではありませんでした。このディスクは7年ぶりくらいに聴きましたが、不思議とすんなり聴けました。僕の好みが変わったんでしょうか。特にマズルカは細かい技を随所に散りばめて表情がコロコロ変わる面白い演奏だと新たに気づかされました。
そしてホロヴィッツの思い出の曲とも言っていいラフマニノフの第3協奏曲も収録されています。若いころからラフマニノフ賛美者だったホロヴィッツはキエフ音楽院における2人の師タルノフスキーとブルーメンフェルトにもこの曲を学んだそうです。特にブルーメンフェルトはラフマニノフと親しい友人で、ラフマニノフへ次のような手紙を送っています。

「1918年からこの前の春(1921年)まで上級クラスのホロヴィッツという才能豊かな若者を教えていたよ。彼は君の音楽とメトネルの音楽の熱狂的賛美者だ。実際彼は君の第3協奏曲で音楽院のディプロマを獲得した。そして彼のリサイタルでは君の変ロ短調ソナタを演奏したが実に見事だった。ご覧のように君はこの地でも愛されているよ」

そしてこの手紙がラフマニノフとホロヴィッツをつなぐきっかけとなります。ホロヴィッツの演奏を聴いたラフマニノフは「彼の演奏の中に虎のような怒りと獰猛さを見た」と語ったそうです。ホロヴィッツとラフマニノフはお互いを感化しあう関係だったのではないでしょうか。


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August 28, 2011

Great Pianists of The 20th Century Vol.48

20世紀の偉大なるピアニストたち 48

ヴラディーミル・ホロヴィッツ 2

great horowitz2

Disc.1
1. ハンガリー狂詩曲 第6番 S.244/6 (リスト)<47> 
2. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 (リスト)<30>
3. パガニーニ大練習曲 第2番 (リスト)〔ブゾーニ編〕<30>
4. 泉のほとりで S.160/4 (リスト)<47>
5. ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5 (リスト)<51>
6. ウィーンの夜会 第6番 S.427/6 (シューベルト=リスト)〔コーダ:ホロヴィッツ〕<89>
7.-9. ピアノソナタ S.178 (リスト)<32>
10. バラード第2番 S.171 (リスト)<81>
11. ハンガリー狂詩曲 第2番 (リスト)〔ホロヴィッツ編〕<53>

Disc.2
1.-3. ピアノソナタ 第2番 Op.36 (ラフマニノフ)〔ホロヴィッツ編〕<80>
4.-5. ピアノソナタ 第7番 Op.83 (プロコフィエフ)<45>
7. ピアノソナタ 第5番 Op.53 (スクリャービン)<76>
8. 幻想曲 Op.49 (ショパン)<48>
9. 幻想ポロネーズ Op.61 (ショパン)<82> 

音源: BMG, EMI, Deutsche Grammophon 
Philips 456 844-2 

〔メモ〕
一体全体この人は何を考えているのでしょうか。ピアノが爆撃、あるいは落雷の直撃を受け炎をあげています。「血沸き肉踊る」演奏。これはピアノを通じての音楽への暴力であり、破壊的な雄叫びにより聴いている者をトランス状態にまで誘う唯一無二の演奏です。いや、カタルシスと言ったほうがいいでしょうか。改編に関しても演奏解釈に関しても、まさにやりたい放題でホロヴィッツはリストの音楽を完全に征服しています。その音楽に漂うカリスマはもはや抵抗不可能であり、ハンガリー狂詩曲2番の後に巻き起こる大歓声すらも雄叫びのように聞こえてしまいます。ピアノ演奏を通じて人間の中に潜む「野生」を呼び覚ますことにより彼はピアノ演奏史における神になったのでしょう。

という僕の見方は一面的に過ぎるかもしれません。ウィーンの夜会や忘れられたワルツの洒脱な演奏も素晴らしい。彼は魔術師であり詩人でもあったということでしょうか。 


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August 21, 2011

Great Pianists of The 20th Century Vol.47

20世紀の偉大なるピアニストたち 47

ヴラディーミル・ホロヴィッツ 1

great horowitz1

Disc.1
1. トッカータ Op.7 (シューマン)<34>
2. アラベスク Op.18 (シューマン)<34>
3. 夢のもつれ Op.12/7 (シューマン)<32>
4. プレスト・パッショナート (シューマン)<32>
5.-12. クライスレリアーナ Op.16 (シューマン)<85>
13.-23. フモレスケ Op.20 (シューマン)<79>

Disc.2
1.-4. ピアノソナタ 第3番 Op.14 (シューマン)<76>
5. ノヴェレッテ 第1番 Op.21/1 (シューマン)<85>
6.-8. 幻想小曲集 Op.111 (シューマン)<80>
9.-21. 子供の情景 Op.15 (シューマン)<87>

音源: EMI, BMG, Deutsche Grammophon
Philips 456 838-2

〔メモ〕
20世紀を代表するピアニストのひとりであるホロヴィッツです。まずホロヴィッツのピアニズムの成り立ちを見るとある3人の影響を無視できません。一人目はセルゲイ・タルノフスキーで、キエフ音楽院におけるホロヴィッツの先生でした。タルノフスキーはレシェティツキ直系のピアニストです(レシェティツキ→エシポワ→タルノフスキー→ホロヴィッツ)。そして二人目は同じくキエフ音楽院での師フェリックス・ブルーメンフェルトです。ブルーメンフェルトはアントン・ルビンシテインから大きな影響を受けました(ルビンシテイン→影響ブルーメンフェルト→ホロヴィッツ)。三人目は親交を結んだラフマニノフです。ラフマニノフはリスト直系のピアニストになります(リスト→ジロティ→ラフマニノフ→影響ホロヴィッツ)。
ここでのシューマン演奏は妖気に満ちたけばけばしさと詩情に満ちたロマン性を感じます。矛盾に満ちた演奏とでも言えばいいでしょうか。清濁があり、ある意味異常な演奏でそれこそがホロヴィッツの魅力と言えるのではないでしょうか。ソナタ3番が特に魅力的に感じました。


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October 04, 2010

Legendary Performances Vol.3

ウラディミール・ホロヴィッツ

ピアノの悪魔

リストに例えて、ホロヴィッツは「ピアノの魔術師」と呼ばれることがありますが、彼の演奏を聴いていると、もはや魔術師どころではないです。個人的には「ピアノの悪魔」という表現がふさわしいと思ってます。そしてその「悪魔」を最も感じる演奏は「死の舞踏(サン・サーンス=リスト=ホロヴィッツ)」です。僕はこの演奏がある限り悪魔の存在を信じます。原曲がサン・サーンスであることと、ホロヴィッツの編曲が加わっていることにより、リストの影が薄くなっていますが、そんなことはもうどうでもいいです。悪魔のミサ、狂乱の宴をピアノで描ききったホロヴィッツ、彼の精神状態は常人には理解できないのでしょう。こんなに変態的な演奏は他にありません。

他に注目すべき演奏として、スケルツォとマーチの録音がありますが、こちらもまた狂気に溢れた演奏です。その演奏はあたかもピアノが悲鳴を上げているようです。魔人ホロヴィッツの面目躍如と言えるでしょう。


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January 10, 2006

中村紘子は語る ―ホロヴィッツ―

中村紘子著の「チャイコフスキーコンクール」という本を読みましたが、非常に興味深い記述があるので、引用します。ピアニストの理想の典型がホロヴィッツとリヒテルに代表される、と言った後に

“審査員たちが、思わず冗談半分にぼやく言葉がある。「こんなに厳しい審査では、仮にホロヴィッツが受けたとしても、とうてい受かりっこないだろうね。」
          ~中略~
ところがそうぼやく彼らが、ではピアニストの中でいったい誰を一番尊敬しているかといえば、異口同音に、「ホロヴィッツ」という答えが返ってくるのだ。”

チャイコフスキーコンクール (中公文庫)
中村紘子著
56p

ここから読み取れるのは「ホロヴィッツが絶対的な存在であること」と「コンクールというモノのジレンマ」だと思います。審査員が尊敬するホロヴィッツですら通過できない程、厳しくメカニックをチェックするなら、「第二のホロヴィッツ」はコンクールから誕生しないことになります。しかしコンクール出身の大ピアニストが少なくないという事も事実です。アルゲリッチ、ポリーニ、ツィマーマンやプレトニョフが代表でしょう。そしてさらに興味深いのは、今挙げたピアニストに続く世代の代表格がキーシン、アンスネスというコンクールを経験せずに名を挙げた人が多くいることです。一見現在のコンクールの権威が揺らいできているようにも見えます。
ユンディ・リがショパンコンクールで名をあげて、ラン・ランがコンサート活動で名をあげたという事実も対照的で面白いですね。


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