ユージナ
October 19, 2012
世界の偉大なるピアノ音楽 第76巻
カミーユ・サン=サーンス
ワルツ形式の練習曲 Op.52/6 (サン=サーンス)*
練習曲 "ラ・パルマの鐘" Op.111/4 (サン=サーンス)*
6つの練習曲 Op.135 (サン=サーンス)*
序奏とロンドカプリチオーソ Op.28 (サン=サーンス)"
グルックの《アルチェステ》のアリアによるカプリース (サン=サーンス)"
*マリア・ユージナ
"ヴラディーミル・バーク
Melodiya DE 0195
〔メモ〕
ユージナとバークが奏者として表記されていますが、こちらも信憑性はわかりません。序奏とロンドはヴァイオリンとオーケストラの曲ですが(2台?)ピアノ編曲版でしょうか?演奏は良いです。
フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→ヤコフ・ザーク→ヴラディーミル・バーク
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September 11, 2012
Great Pianists of The 20th Century Vol.99
20世紀の偉大なるピアニストたち 99
マリア・ユージナ
Disc.1
1.-32. ゴルトベルク変奏曲 BWV988 (バッハ)<68>
Disc.2
1.-34. ディアベッリの主題による33の変奏曲 Op.120 (ベートーヴェン)<61>
35.-51. エロイカの主題による15の変奏曲とフーガ Op.35 (ベートーヴェン)<61>
音源: BMG
Philips 456 994-2
〔メモ〕
フリーダ・タイテルバウム=レヴィンソン(アントン・ルビンシテインの弟子)、オルガ・カランタロワ、アネッテ・エシポフ(レシェティツキの弟子)、ヴラディーミル・ドロズロフ(エシポフの弟子)、フェリックス・ブルーメンフェルト、レオニード・ニコラーエフにピアノを師事したユージナです。
「私は神へ通ずる道をひとつしか知りません。それは芸術による道筋です」と語る彼女はロシア正教の敬虔な信者でした。贅沢することを嫌い、一生ボロボロの衣服を纏って過ごしたそうです。
ロシアの偉大なピアノ教師と言われるニコラーエフのもうひとりの弟子ソフロニツキーをご紹介した時に、彼の演奏には生々しさがあると言いましたが、それはユージナの演奏にも言えることです。しかしその生々しさの質は全く違い、彼女の演奏にはある種の激しさがありますが、それは自分にとって重要なものを手に入れるための闘争のように聴こえてきます。彼女の無骨な演奏には、平坦ではなかったの彼女の人生が透けて見えるような気がします。愛想のない無骨さが彼女の人間性の純粋さの表れなのだと思います。
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February 23, 2012
世界の偉大なるピアノ音楽 第42巻
フランツ・シューベルト 4
4つの即興曲 D.899 (シューベルト)
4つの即興曲 D.935 (シューベルト)
マリヤ・ユージナ
Melodiya DE 0162
〔メモ〕
アネッテ・エシポフ門下としてプロコフィエフと同門、ブルーメンフェルト門下としてホロヴィッツと同門、ニコラーエフ門下としてソフロニツキーと同門のユージナです。いや別に他のピアニストを引き合いに出さなくとも独立して偉大なピアニストです。厳めしい演奏。
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September 03, 2010
Legendary Performances Vol.1
アルフレート・ブレンデル
泣き、嘆き、憂い、おののき
ピアニストのヴァレリー・アファナシェフはフランツ・リストのことを“最も美しい音楽と最も醜い音楽を書いた偉大な芸術家”と評しましたが、僕は「バッハの動機による変奏曲」を聴くと、いつもこの言葉を思い出します。美しさとグロテスクさがこれほど見事に融合された曲も珍しいと思います。この世界はまさに耽美的な世界なのです。R番号でお馴染みのペーター・ラーベはこの曲をロ短調ソナタと同等の高みに位置付けていますが、この曲を弾きこなせる人は現れないであろう、というようなことも書いてます。しかしそれはラーベの完全なる誤算です。この曲は多くの名演があります。さて録音ですが、マリア・ユージナの常軌を逸した、なにかとてつもないものを聴いているかのような名演もありますが、この曲への思い入れなら、ブレンデルも負けてはいない。実際、彼自身の著書でこの曲への言及がいくつかされています。そしてこの曲の録音は2回行ってます。余談ですが、変奏曲のみのリサイタルを開いた時もこの曲が含まれてました。ブレンデルの演奏は構造を重視しているような演奏で、非常に立体的な音楽で奥行きにも無限の広がりを感じます。オーソドックスながら、どこから聴いても完璧です。技巧という観点から言っても、最も充実していた時ではないかなと思ってます。僕は彼がこの録音を残してくれたことに心から感謝したいです。
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January 08, 2006
リヒテルは語る ~ユージナのバッハ変奏曲~
リヒテルの本に載っていた、リヒテルのユージナのバッハ変奏曲の演奏についてのコメントを紹介したいと思います。
“いちばん印象的だったのは、リストが書いたバッハの主題による変奏曲だ。カンタータ第12番の≫泣き、嘆き、悲しみ、おののき≪から主題が取られている巨大な作品で、天才的な演奏だった。とどろきわたるのではなく、心に染みいるような演奏で、ピアノ曲というよりは、ミサ曲を聴いているようだった。ユージナはまるで儀式を執り行っているようにピアノを弾いた。祝福するように作品を弾くのだ。”
※リヒテルは語る 人とピアノ、芸術と夢
ユーリー・ボリソフ編著 宮澤淳一訳
音楽の友社 P228
ロシアのピアノ楽派のなかで、多くのピアニストがモスクワ楽派ですが、ユージナとソフロニツキーはペテルブルク楽派です。この二人はモスクワ楽派の同僚たちからも尊敬の念を集めていたようで、二人のカリスマ性はすごいものがあったのではないでしょうか。リヒテルが一目置いていた2人のピアニスト、一度実演を聴いてみたかったです。
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