改訂案

November 12, 2012

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.84

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
草稿 ・ 改訂案 5 

Disc.84
1. パガニーニの主題による大幻想曲 - 鐘と《ヴェネツィアの謝肉祭》(による変奏曲) 〔第1稿〕 S.700i
2. アンジェルス! 守護天使への祈り 〔第3草稿〕 S.162a/3
  ハンガリーの歴史的肖像 〔曲順訂正版〕 S.205a
3. 第1番 セーチェーニ・イシュトヴァーン
4. 第2番 デアーク・フェレンツ
5. 第3番 テレキ・ラースロー
6. 第4番 エトヴェシュ・ヨージェフ
7. 第5番 ヴェレシュマルティ・ミハーイ
8. 第6番 ペテーフィ・シャーンドル
9. 第7番 モショニ・ミハーイ 〔改訂コーダ付〕
10. アンジェルス! 守護天使への祈り 〔第4草稿〕 S.162a/4
11. パガニーニの主題による大幻想曲 - 鐘と《ヴェネツィアの謝肉祭》(による変奏曲) 〔第2稿〕 S.700ii

Recorded: 1995/1997/1998

〔メモ〕
〔1〕パガニーニの有名な鐘の主題と「ヴェネツィアの謝肉祭」の主題による巨大な幻想曲。「パガニーニの鐘による大幻想曲 S.420」の素材をそのまま使用しているところもある。またパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番から鐘の主題以外の素材も使用している部分もある。この作品は1845年リスボンにて完成され、現在そのタイトルの付いていない自筆譜はワイマールに所蔵されている。1989年に新リスト全集にて初めて出版される。変奏曲というタイトルは新リスト全集の編纂者のひとりイムレ・メゼーが提案したものだが、ハワードは幻想曲というタイトルがふさわしいと考えている。またハワードは新リスト全集の校訂譜にいくつか問題があることを指摘している。関連作品「パガニーニによる超絶技巧練習曲 第3番 S.140/3」「ラ・カンパネラ S.141/3」はDisc.5に、「パガニーニの鐘による幻想曲 S.420」「《ヴェネツィアの謝肉祭》による変奏曲 S.700a」はDisc.82に収録。 〔2〕「巡礼の年 第3年 S.163」(Disc.11)の第1曲「守護天使への祈り」の草稿のひとつ。その草稿には「Siena, Torre fiorentina, 21-22 Settembre, '80 - F.Liszt (シエーナ、トルレ・フィオレンティーナ1880年9月21、22日 - F.リスト)」と書かれている。 〔3〕~〔9〕「ハンガリーの歴史的肖像 S.205」の一般に普及している出版譜の曲順はリストの弟子アウグスト・ゲレリッヒによるものとされているが、音楽学者デジュー・レガーニがリストの意図した曲順はそうではないという説を主張。ハワードがその曲順に従って録音したもの。 〔9〕アメリカ議会図書館の元音楽部門部長であり、リスト賛美者であったエドワード・ウォーターズの遺品の中から発見されたリストの「モショニ・ミハーイ」の自筆譜のコーダは通常のものと大幅に異なっていた。 〔10〕「巡礼の年 第3年 S.163」(Disc.11)の第1曲「守護天使への祈り」の草稿のひとつ。この草稿はリストの弟子リヒャルト・ブルマイスターの写譜にリスト自身が訂正を書き加えた形で残されている。日付は「in Tivoli - Rom, 1882, Februar(ローマ、ティヴォリにて、1882年2月)」。 〔11〕上記トラック〔1〕の第2稿で、第1稿と第2稿は同じ自筆譜上に書かれている。詳しい説明は上記参照。




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November 04, 2012

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.83

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
草稿 ・ 改訂案 4 

Disc.83 
1. ハンガリー - 交響詩 第9番 S.511e
2. ラーコーツィ行進曲 〔管弦楽稿より簡易編曲〕 S.244b 
3. ものみな涙あり 〔第1稿〕 S.162c/1
  《聖エリザベト》より2つの小品 S.693a 
4. バラの奇跡 
5. 嵐  
6. 忘れられたワルツ 第3番 〔終結部異稿〕 S.215/3a 
7. 半音階的大ギャロップ 〔簡易稿〕 S.219bis 
8. 忠誠行進曲 〔第1稿〕 S.228i  

Recorded: 1995/1997/1998  

〔メモ〕 
〔1〕リストの交響詩第9番「ハンガリー」をフリードリヒ・シュピロがピアノ独奏編曲した。その編曲の出版譜にリスト本人が変更を加え生まれ変わったもの。しかしこの稿は未出版に終わった。この稿のホログラムはワイマールに所蔵されている。この第9交響詩の基となった作品はピアノ独奏曲「ハンガリー様式の英雄行進曲 S.231」(Disc.21)だが、それだけでなく他のハンガリーに因んだ素材(民謡など)も使用している。 〔2〕ラーコーツィ行進曲を基に管弦楽曲を作り、その管弦楽稿のピアノトランスクリプションを作った。この稿はさらにその簡易稿。通常稿はDisc.22に収録。 〔3〕「巡礼の年 第3年 S.163」(Disc.11)の第5曲「ものみな涙あり」の初稿。この初稿の自筆譜にタイトルは書かれていない。 〔4〕~〔5〕ハンガリーの聖人を描いたオラトリオ「聖エリザベトの伝説」の抜粋曲のピアノ独奏稿。実際にはリスト本人はこの2曲をピアノ独奏曲として残してはいない。ハワードがピアノ(独奏/連弾)伴奏版のオラトリオを参考にしピアノ独奏曲へ編集したもの。ハワードは自身の正当性を主張する根拠として、リスト自身やリストの弟子たちがこのオラトリオをピアノ独奏で演奏していたことを例に挙げている。関連作品「《聖エリザベトの伝説》より3つの小品 S.498a」はDisc.23に収録。 〔6〕「忘れられたワルツ 第3番 S.215/3」のパリ草稿で初稿(と思われるもの)。終結部が異なる。通常稿はDisc.20に収録。 〔7〕単に「半音階的大ギャロップ S.219」(Disc.21)の簡易稿かと思いきや、途中で「舞踏会ギャロップ S.220」(Disc.2)が登場する。 〔8〕この「忠誠行進曲」のピアノ独奏稿第1稿はフェルッチオ・ブゾーニが管弦楽稿と誤って認定してしまい、リストの作品カタログには登録されなかった。この自筆譜はパリのフランス国立図書館に所蔵されている。第2稿では「ワイマール民謡 第2番 S.542ii」の主題と共通のものが現れるが、この第1稿ではその主題はまだない。




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October 27, 2012

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.82

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
草稿 ・ 改訂案 3 

Disc.82
1. パガニーニの鐘による華麗なる大幻想曲 S.420
2. 守護天使へ "アンジェルス!" 〔第1草稿〕 S.162a/1
3. お気に入りの小ワルツ 〔第1稿〕 S.212i
4. 憂鬱なワルツ 〔第1稿〕 S.210 
5. ポーランドの旋律 〔草稿〕 S.249a
6. 伝説 第2番 波を渡るパオラの聖フランチェスコ 〔簡易稿〕 S.175/2bis
7. メフィストワルツ 第4番 〔第1稿〕 S.216b
8. 即興ワルツ 〔補筆稿〕 S.213a
9. 憂鬱なワルツ 〔中間稿〕 S.210a
10. ヴァレンシュタットの湖で 〔中間稿〕 S.156/2a bis
11. アンジェルス! 〔第2草稿〕 S.162a/2 
12. エステ荘の糸杉に - 哀歌 〔S.163/3の第1稿〕 S.162b
13. パガニーニの《ヴェネツィアの謝肉祭》による変奏曲 S.700a 

Recorded: 1995/1997/1998 

〔メモ〕
〔1〕リストの有名な練習曲「ラ・カンパネラ」と同様に、パガニーニの第2ヴァイオリン協奏曲のロンドの主題を使用している巨大な幻想曲。1834年初版。ヘルミニー・ヴィアルへ献呈。 〔2〕「巡礼の年 第3年 S.163」(Disc.11)の第1曲「守護天使への祈り」の草稿。その草稿には「27 September 77 Villa d'Este (SS Cosmae et Damiani) FLiszt」(1877年9月27日エステ荘(サンティ・コスマ・エ・ダミアーノ)F.リスト」と書かれている。上記タイトルもその草稿に書かれているもの。 〔3〕「お気に入りの小ワルツ」は後に改訂され「即興ワルツ S.213」(Disc.20)となる作品。その第2稿はDisc.21に収録。 〔4〕「憂欝なワルツ S.214/2」(Disc.20)の初稿。印象的な序奏が特徴。 〔5〕ポーランドの民俗旋律らしいが、詳細は不明。リストはこの旋律を自身の「ヴォロニンツェの落穂拾い S.249」(Disc.30)の第2曲でも使用。 〔6〕「伝説 S.175」の第2曲の簡易稿。当初、通常稿と共に出版される予定だったが、1976年に初めて出版された。 〔7〕「メフィストワルツ 第4番」の草稿。リストのは後にアンダンティーノ部を追加しようと試みるが未完に終わる。その後の未完の改訂稿をハワードは補筆してDisc.20に収録している。 〔8〕即興ワルツへリストは弟子たちのためにいくつかの追加パッセージを書いた。それらをまとめて録音したもの。リナ・ラーマンの著書「Liszt  Pedagögium」へアウグスト・リーゼナウアーが注釈として書き入れたもの。 〔9〕上記トラック〔4〕への修正譜。この修正譜はアメリカ議会図書館に所蔵されている。 〔10〕「旅のアルバム」の第1巻の第2曲aと「巡礼の年 第1年 スイス」の第2曲の中間に位置する稿。 〔11〕上記トラック〔2〕同様「巡礼の年 第3年 S.163」(Disc.11)の第1曲の草稿。「15 ottobre 77 Villa d'Este FLiszt」(1877年10月15日エステ荘、F.リスト)と書かれている。ハルモニウムで演奏してもよいと表記されている。タイトルは「アンジェルス!」のみだが、続けて「in Festa SS Angelorum Custodi」(守護天使の祝祭に)と書かれている。 〔12〕「巡礼の年 第3年 S.163」(Disc.11)の第3曲「エステ荘の糸杉に - 哀歌Ⅱ」の初稿だが、いつ作られたものかわからない。 〔13〕パガニーニがヴェネツィア民謡「愛しいお母さん」を主題としてヴァイオリン用の変奏曲「ヴェネツィアの謝肉祭」を作った。リストもそれに倣い同じ主題を用いて簡素な変奏曲を作った。




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October 21, 2012

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.81

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
草稿 ・ 改訂案 2 

Disc.81 
1. B-A-C-Hの動機による前奏曲とフーガ 〔第1稿〕 S.529i 
  クリスマスツリー 〔パリ草稿〕〔校訂:ハワード〕 S.185a 
2. 第1番 プサリテ - 古きクリスマスの歌
3. 第2番 おお、聖なる夜
4. 第3番 飼葉桶のかたわらの羊飼い (甘き喜びのうちに)
5. 第4番 神の御子は今宵しも (東方三博士の行進のように)
6. 第5番 スケルツォーソ
7. 第6番 朝の目覚まし (カリヨン 〔第1稿〕) 
8. 第7番 まどろみの歌
9. 第8番 ("古きプロヴァンスのクリスマス") 
10. 第9番 (夕べの鐘 〔第1稿〕)
11. 第10番 (昔々 〔第1稿〕) 
12. 第11番 ハンガリー風
13. 第12番 ポーランド風  
14. システィーナ礼拝堂にて - アレグリのミゼレーレとモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプス 〔第1稿〕〔校訂:ハワード〕 S.461i 
  ハンガリーの民俗旋律 〔簡易稿〕 S.243bis
15. 第1番
16. 第2番
17. 第3番
18. ハンガリーの民俗旋律 (ラーコーツィ行進曲 - マジャール狂詩曲 第13番a) S.242/13a
19. ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲 〔第3稿〕〔校訂:ハワード〕 S.158c

Recorded: 1997 

〔メモ〕
後に改訂され「B-A-C-Hの主題による幻想曲とフーガ S.529ii」(Disc.16)となる作品。B-A-C-Hというのはもちろんバッハの名前だが、ドイツ音名で「シ♭・ラ・ド・シ」となる。この初期稿は1983年に新リスト全集にて出版されるまで未出版だった。この曲自体は同名のオルガン曲のトランスクリプション。 〔2〕~〔13〕パリのフランス国立図書館に所蔵されている、クリスマスツリーの未発表の初稿。総じて最終稿よりシンプルで短い。タイトルは最終稿と比べて同じものや、変更されているもの(6番)や、無題のもの(8番、9番、10番)がある。最終稿はDisc.18に収録。 〔14〕ワイマールのゲーテ=シラー・アルヒーフに所蔵されている「システィーナ礼拝堂にて」の未発表の原稿。出版された最終稿はDisc.50に収録。 〔15〕~〔17〕リストはいくつかの作品をアマチュアでも演奏できるように簡易化したが、それらはどれもやはりアマチュアには難しく、その試みが成功しなかった。この作品もそのひとつ。この3作品は最終的には「ハンガリー狂詩曲 第6番」(Disc.33)の素材となる作品。通常稿はDisc.30に収録。 〔18〕「マジャール狂詩曲 第13番 - ラーコーツィ行進曲 S.242/13」(Disc.31)の簡易稿として出版された際に上記のタイトルが与えられた。「マジャール狂詩曲 第13番」は最終的に「ハンガリー狂詩曲 第15番 S.244/15」(Disc.34)となる作品。 〔19〕「ダンテソナタ S.161/7」の第3稿(最終稿は第4稿)。これより以前の初期稿「神曲への補遺(パラリポメナ)」や「神曲への序説(プロレゴメナ)」の時点では2楽章制をとっていたが、この(最終稿と同じ)タイトルが与えられてからは単一楽章としてまとめられている。この稿は出版社へ渡した校正前原稿である可能性がある。初期稿のパラリポメナとプロレゴメナはDisc.80に、最終稿はDisc.10に収録。 




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October 14, 2012

レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.80

Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
草稿 ・ 改訂案 1 

Disc.80 
1. 神曲への補遺 〔校訂:ハワード〕 S.158a
2. 婚礼 〔第1稿〕〔校訂:ハワード〕 S.157a
3. 演奏会用大独奏曲 〔第1稿〕〔校訂:ハワード〕 S.175a
4. ピアノ独奏のためのエレジー S.534i
5. 忘れられたロマンス 〔草稿〕 S.527bis
6. 神曲への序説 〔校訂:ハワード〕 S.158b

Recorded: 1997 

〔メモ〕 
〔1〕リストの重要な作品である「ダンテソナタ S.161/7」の第1稿。「第1部」「第2部」という2楽章制をとっているが、ハワードはそれぞれの楽章は独立性を保ってないため「2楽章制と考えるのは不適切」という見解を持っている。タイトルは「神曲へのパラリポメナ」とも。未発表の自筆譜よりハワードが校訂したもの。 〔2〕「巡礼の年 第2年 イタリア S.161」の第1曲「婚礼」の初稿。未発表の自筆譜よりハワードが校訂したもの。 〔3〕リストはパリ音楽院の試験(コンクール)のためにこの「演奏会用大独奏曲」を作曲した。この作品を出版する際に、改訂が加えられた。ここに収録されているのはその改訂前の原稿を録音したもの。 〔4〕リストの傑作エレジー「ノネンヴェルトの僧房」の初稿。第2稿(およびその異稿)である「ノネンヴェルトの僧房」はDisc.26に、第3稿である「アルバム・リーフ 第2番 S.167」はDisc.2に、第4稿「ノネンヴェルトの僧房」はDisc.25に収録。 〔5〕歌曲「"おお、さらばなぜ"」のピアノ独奏編曲「ロマンス」を大幅に改訂した作品が「忘れられたロマンス」。その作品の草稿。各フレーズは短縮され、最終稿で見られるコーダもまだない。その草稿はアメリカ議会図書館に所蔵されている。 〔6〕リストの重要な作品である「ダンテソナタ S.161/7」の第2稿でトラック〔1〕を改訂したもの。タイトルは「神曲へのプロレゴメナ」とも。未発表の自筆譜よりハワードが校訂したもの。




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