超絶技巧練習曲
May 04, 2016
【楽譜】 新リスト全集 1
ムジカ・ブダペスト出版社 新リスト全集
第1シリーズ 第1巻
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 英雄
8. 第8番 荒々しき狩
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪嵐
Editio Musica Budapest: Z.5411
〔メモ〕
「12の課題による練習曲 S.136」が「12の大練習曲 S.137」へと改訂され、その大練習曲を前身とする練習曲集。リストの代表作のひとつでもある。各曲の標題はこの最終稿になってから付けられた。〔3〕「風景」〔4〕「マゼッパ」〔6〕「幻影」はヴィクトル・ユーゴーの詩より付けられた。〔8〕「荒々しき狩」は荒ぶる猟犬を連れ、唸り声を上げる悪霊が大群で空を移動するというヨーロッパの神話を示しているとされている。ちなみにこの狩人の神話はヨーロッパ各地で解釈が異なり、時には魔物化した北欧神話の神オーディンであったり、アーサー王であることもある。
アマゾンのリンクは参考のためです。実際に購入される場合はご自身での確認をお願いいたします。
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March 20, 2012
Liszt: Transcendental Etudes: Kentner
Liszt: Transcendental Etudes / En Réve
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 エロイカ
8. 第8番 荒々しき狩
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪あらし
13. 夢の中で S.207
Carlton Classics 30371 00562
Recorded: ?
〔メモ〕
往年のリスト弾きであるケントナーの超絶技巧練習曲です。彼はリスト直系ピアニストであるアルノルド・セーケイにピアノを師事し、作曲はコダーイに師事し、得意なレパートリーは主にリストとバルトークでした。
ショパン、シューマン、リストと言えばロマン派を代表する巨人たちであり、生年も近くそれぞれのピアノ曲の対比も面白いです。ショパンの練習曲は24の長短調によるそれぞれコンパクトな練習曲という体裁を保ちながら芸術性を極限まで高めた傑作です。シューマンの交響的練習曲は変奏曲という形式をとった大曲であり、これもシューマンの傑作と目されています。同じく傑作とされているリストの超絶技巧練習曲ですが、リストは「練習曲」という名前にあまりこだわっていないように感じられます。第1番は文字通りプレリュードだし、3番、9番のようなノクターン風の曲あり、物語を追っていくかのようなドラマ的な「マゼッパ」あり、バラードなどに匹敵する内容の充実度を見せる「夕べの調べ」もあります。「鬼火」や「雪あらし」も練習曲に近いですが、そのタイトルを表す描写的な小品とも言えます。一方でタイトルのない2番、10番は紛れもない練習曲ですね。
ここでのケントナーの演奏は、その大仰さがマゼッパのドラマ性を増幅し、夕べの調べにさらなる内容の重みを加えています。
そして後期作品で美しいノクターンである「夢の中で」は20世紀中盤まではほとんど知られていない小品でしたが、ケントナーはこの曲を取り上げた最初期のひとりでしょう。柔らかな音色の美しい演奏。
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→アルノルド・セーケイ→ルイス・ケントナー
関連記事:Louis Kentner: The Pioneering Liszt Recordings
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February 18, 2011
レスリー・ハワード: リスト ピアノ作品全集 Disc.4
Leslie Howard
The Complete Liszt Piano Music
超絶技巧練習曲
Disc.4
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 英雄
8. 第8番 荒々しき狩
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪嵐
13. マリオット - マリーのワルツ S.212a
14. アダージョ S.158d
15. プロイセン皇太子ルイ・フェルディナントの動機によるエレジー 〔第2稿〕 S.168ii
Hyperion CDA66357
Recorded: 1989
〔メモ〕
〔1〕~〔12〕1852年出版。大練習曲(Disc.3)を改訂したもの。大練習曲同様にツェルニーへ献呈。リストのピアノ作品の代表作の一つ。 〔1〕ウォーミングアップ的な性格のもの。 〔2〕タイトルなし。パガニーニ風のヴィルトゥオジティ(技巧性)を意識した作品。 〔3〕音で綴った穏やかな絵画。 〔4〕大練習曲第4番を元にマゼッパ(Disc.5)という単独作品を作り、さらにそれを改訂したもの。ヴィクトル・ユーゴーの詩「マゼッパ」による。交響詩もあり。 〔5〕重音の練習曲。極めて難度が高い。 〔6〕アルペジオとトレモロの語法が印象的な堂々たる作品。 〔7〕オクターブが印象的な英雄的行進曲。関連作品「ロッシーニとスポンティーニの主題による華麗なる即興曲」はDisc.1に収録。 〔8〕曲集内でタイトルが唯一ドイツ語で付けられたもの。邦訳について諸説あり。 〔9〕ブゾーニ曰く「黄色く変色したラブレターの束のようだ」。 〔10〕タイトルなし。ソナタ形式。まれにこの曲が「熱情」と呼ばれることがあるが、それはブゾーニが付けたタイトル。 〔11〕静かな情景と遠くから聴こえる鐘の音。オーケストラに匹敵する音響効果。雄大な作品。ハワードの演奏は普段僕が聴いてるものと違う響きが多分に含まれる。 〔12〕トレモロによる寂しさの表現。ぺダリングと半音階でぼかされたある種の印象主義的技法。なお「雪かき」は誤訳。 〔13〕サール番号無し。作曲年不明だが、ハワードは1840年代初期と推測する。リストとマリー・ダグーの往復書簡から発見される。 〔14〕サール番号無し。ハ長調。主題はダンテソナタ(Disc.10)の第2主題と共通。ある婦人のためにリストがいわばサインとして書いたもの。現在はプラハの公文書館に所蔵。1988年にロンドンのリスト協会ジャーナルに収録され出版された。 〔15〕動機は元々誰のものか不明。フェルディナントの甥の妻がフェルディナントの所有していた音楽コレクションをリストへ贈与するが、この曲はその女性へ献呈。1842年作曲、1852年に改訂し出版。第1稿はDisc.57に収録。
Disc.3へ
Disc.5へ
HMV : レスリー・ハワード リスト ピアノ作品全集
タワレコ : レスリー・ハワード リスト ピアノ作品全集
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February 03, 2011
リストの定盤
● リヒテルの2つの協奏曲
コンドラシンとの共演でフィリップスが出してたものです。定番中の定番。演奏も文句なし。
● ベルマンの超絶技巧練習曲
1963年のメロディア音源です。アラウの名盤もありますが、紹介される頻度はこちらが多いです。Victor盤は廃盤なので、入手したい場合はVenezia盤がいいでしょう。(ただ若干ピアノの音が不自然で録音が残念)
● ワッツのパガニーニ大練習曲
Sony盤の旧録とEMI盤の新録があり、どちらもよく紹介されます。頻度としては新録の方がよく紹介される印象です。演奏も王道で素晴らしい。
● シフラのハンガリー狂詩曲
EMIの録音で言うと、モノラルの旧録(1番~15番)と、ステレオの新録(1番~16番、19番)の2種類があります。どちらもよく紹介されますが、個人的には音は悪いけど旧録のほうがしっくりきます。
上記4点は「もう殿堂入りにしてもいいんじゃないか?」というくらい頻繁に紹介されます。
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その他票が割れるものに以下のようなものがあります。
● ロ短調ソナタ
アルゲリッチ、ホロヴィッツ、アラウなどがよく挙げられるでしょう。アラウのフィリップスへのスタジオ録音は2種類あり、1970年の旧録の方がよくおすすめされる傾向にあります。
● 巡礼の年
ブレンデル(第1年、第2年、第3年抜粋)、ボレット(第1年、第2年、第2年補遺、エステ荘の噴水)、ベルマン(完全全曲)などに票がわかれます。どれも甲乙つけがたい。
● 詩的で宗教的な調べ
それからリストの代表的な曲集といえば他に「詩的で宗教的な調べ」がありますが、最近は増えてきたとはいえ、以前はなかなか全曲盤が発売されませんでした。なのでこの曲集の定盤と呼べるものはありません。チッコリーニの1990年の新録を国内版、輸入版問わず頻繁に流通させておけば定盤になりえたかもしれないのに…。この音源は現在でも5枚組ボックスや56枚組ボックスなどでしか売ってないので、単独で買えません。新録の方はCD1枚に収録できないという点も、発売を妨げてた理由かもしれないですね。旧録は単独で売られていましたが音が悪い。
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August 12, 2010
モルト・ヴィヴァーチェ ~超絶技巧練習曲 第2番
やはりこの曲もリヒテルのプラハライブの録音が好きです。ベルマンはリヒテルの演奏する超絶技巧練習曲を聴いたそうですが、そのベルマンが圧倒されたのも納得の演奏。
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August 02, 2010
前奏曲 ~超絶技巧練習曲より 第1番
Preludio LW-A172/1
超絶技巧練習曲の始まりを告げる、輝かしくそして短いこの曲の名演は何があるでしょうか?前回はこの曲集の全集の名演としてベルマンとアラウを挙げました。しかしこの第1曲に限り名演を挙げるなら、リヒテルの1956年のライブ録音を個人的に選びたいです。激しい噴火に溶岩の湧き立つような光景が目に浮かびます。凄まじい。
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July 22, 2010
Лазарь Берман
The Art of Lazar Berman
Disc.1
1. 魔王 S.558/4 (シューベルト=リスト)
2. どこへ? S.565/5 (シューベルト=リスト)
3. 若き尼僧 S.558/6 (シューベルト=リスト)
4. アヴェ・マリア S.558/12 (シューベルト=リスト)
5. 幻覚 S.561/9 (シューベルト=リスト)
6. 辻音楽師 S.561/8 (シューベルト=リスト)
7. メフィストワルツ 第1番 S.514
巡礼の年 第2年 補遺 ヴェネツィアとナポリ S.162
8. ゴンドラ漕ぎの女
9. カンツォーネとタランテラ
Disc.2
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 英雄
8. 第8番 荒々しき狩り
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪あらし
Disc.3
1. ハンガリー狂詩曲 第9番 ぺシュトの謝肉祭 S.244/9
2. ピアノソナタ S.178
VENEZIA CDVE00020
Recorded: 1961/1963/1965/1975
〔メモ〕
みなさま、大変長らくお待たせいたしました。多くのリスト愛好家が再発を待ちわびていた名盤です。ベルマンのメロディアレーベルに残したスタジオ録音をまとめた3枚組。演奏を一言で評すなら'grand'です。というのは横文字を使ってカッコつけたいわけではありません。このgrandという言葉のニュアンスがぴったりで、それを日本語に訳してしまうと若干イメージと言葉が離れてしまうからです。
「私は19世紀のピアニストに属します」というのはご本人の言葉ですが、まさにロマン派のピアニストと言ってよいでしょう。リストの音楽の魅力を過不足なく伝える名演です。
…演奏は素晴らしいのです
…演奏は
しかし
おしい!いろいろな意味でこのCDはおしい!
その惜しい点を挙げてみましょう
1.ライナーノーツの解説がしょぼい
ライナーは見開き1ページしかなく、しかもロシア語なので読めません
2.録音の質
「ノイズやドロップアウトはマスターテープに起因するものである」と注意書きがされてますが、たしかにノイズが入ります(僕のCDだけ?)。もしマスターテープが痛んでいるのならしょうがないことなのですが、歴史的名演なんだからちゃんと状態を管理しといてよ
3.カンツォーネとタランテラが1トラック
ヴェネツィアとナポリのカンツォーネとタランテラがなぜか1トラックになっています。些細なことですが、仕事がいい加減すぎるでしょ
4.未収録曲
今作はベルマンのメロディアのスタジオ録音を集めたわけですが、スペイン狂詩曲、ハンガリー狂詩曲第3番、葬送曲の3曲が収録されていません。個人的にはこれが一番の不満点。あとたった3曲なんだから入れといてよ…
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル→ラザール・ベルマン
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