Carlton
March 20, 2012
Liszt: Transcendental Etudes: Kentner
ルイス・ケントナー
Liszt: Transcendental Etudes / En Réve
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 エロイカ
8. 第8番 荒々しき狩
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪あらし
13. 夢の中で S.207
Carlton Classics 30371 00562
Recorded: ?
〔メモ〕
往年のリスト弾きであるケントナーの超絶技巧練習曲です。彼はリスト直系ピアニストであるアルノルド・セーケイにピアノを師事し、作曲はコダーイに師事し、得意なレパートリーは主にリストとバルトークでした。
ショパン、シューマン、リストと言えばロマン派を代表する巨人たちであり、生年も近くそれぞれのピアノ曲の対比も面白いです。ショパンの練習曲は24の長短調によるそれぞれコンパクトな練習曲という体裁を保ちながら芸術性を極限まで高めた傑作です。シューマンの交響的練習曲は変奏曲という形式をとった大曲であり、これもシューマンの傑作と目されています。同じく傑作とされているリストの超絶技巧練習曲ですが、リストは「練習曲」という名前にあまりこだわっていないように感じられます。第1番は文字通りプレリュードだし、3番、9番のようなノクターン風の曲あり、物語を追っていくかのようなドラマ的な「マゼッパ」あり、バラードなどに匹敵する内容の充実度を見せる「夕べの調べ」もあります。「鬼火」や「雪あらし」も練習曲に近いですが、そのタイトルを表す描写的な小品とも言えます。一方でタイトルのない2番、10番は紛れもない練習曲ですね。
ここでのケントナーの演奏は、その大仰さがマゼッパのドラマ性を増幅し、夕べの調べにさらなる内容の重みを加えています。
そして後期作品で美しいノクターンである「夢の中で」は20世紀中盤まではほとんど知られていない小品でしたが、ケントナーはこの曲を取り上げた最初期のひとりでしょう。柔らかな音色の美しい演奏。
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→アルノルド・セーケイ→ルイス・ケントナー
関連記事:Louis Kentner: The Pioneering Liszt Recordings
関連記事:Vox Legends: Kentner plays Liszt
関連記事:Louis Kentner: The Pioneering Liszt Recordings Vol.2
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Liszt: Transcendental Etudes / En Réve
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 エロイカ
8. 第8番 荒々しき狩
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪あらし
13. 夢の中で S.207
Carlton Classics 30371 00562
Recorded: ?
〔メモ〕
往年のリスト弾きであるケントナーの超絶技巧練習曲です。彼はリスト直系ピアニストであるアルノルド・セーケイにピアノを師事し、作曲はコダーイに師事し、得意なレパートリーは主にリストとバルトークでした。
ショパン、シューマン、リストと言えばロマン派を代表する巨人たちであり、生年も近くそれぞれのピアノ曲の対比も面白いです。ショパンの練習曲は24の長短調によるそれぞれコンパクトな練習曲という体裁を保ちながら芸術性を極限まで高めた傑作です。シューマンの交響的練習曲は変奏曲という形式をとった大曲であり、これもシューマンの傑作と目されています。同じく傑作とされているリストの超絶技巧練習曲ですが、リストは「練習曲」という名前にあまりこだわっていないように感じられます。第1番は文字通りプレリュードだし、3番、9番のようなノクターン風の曲あり、物語を追っていくかのようなドラマ的な「マゼッパ」あり、バラードなどに匹敵する内容の充実度を見せる「夕べの調べ」もあります。「鬼火」や「雪あらし」も練習曲に近いですが、そのタイトルを表す描写的な小品とも言えます。一方でタイトルのない2番、10番は紛れもない練習曲ですね。
ここでのケントナーの演奏は、その大仰さがマゼッパのドラマ性を増幅し、夕べの調べにさらなる内容の重みを加えています。
そして後期作品で美しいノクターンである「夢の中で」は20世紀中盤まではほとんど知られていない小品でしたが、ケントナーはこの曲を取り上げた最初期のひとりでしょう。柔らかな音色の美しい演奏。
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→アルノルド・セーケイ→ルイス・ケントナー
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March 06, 2012
Liszt, Scherzo & March, Dante Sonata, Cohen
アーナルド・コーエン
Liszt, Scherzo & March, Dante Sonata
1.-2. スケルツォと行進曲 S.177
3.-7. ダンテを読んで -ソナタ風幻想曲- S.161/7
8.-12. ピアノソナタ S.178
CARLTON Classics 30367 01332
Recorded: 1989
〔メモ〕
ジャック・クライン、ブルーノ・ザイドルホーファー、ディーター・ウェーバーに師事したアーナルド・コーエンです。彼はブゾーニコンクールで優勝したこともあります。そのレパートリーの多くがリストの曲で占められているピアニストを「リスト弾き」とするならば、コーエンは間違いなくリスト弾きでしょう。ここでのコーエンの演奏は攻撃性に満ち、鋭いトゲがあります。スケルツォとマーチ、ダンテソナタにおいてはその曲から悪魔性を引き出すことに成功していると思います。例えば他にはユグノー教徒の回想や死の舞踏などを得意としていますが、彼のレパートリーなどを見ると彼はリストの悪魔性に魅了されているように感じます。切れ味の鋭いカッコいい演奏です。彼の録音は他にも幾つか出ていますが、その出来はリスト弾きの名に恥じないものだと思います。
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Liszt, Scherzo & March, Dante Sonata
1.-2. スケルツォと行進曲 S.177
3.-7. ダンテを読んで -ソナタ風幻想曲- S.161/7
8.-12. ピアノソナタ S.178
CARLTON Classics 30367 01332
Recorded: 1989
〔メモ〕
ジャック・クライン、ブルーノ・ザイドルホーファー、ディーター・ウェーバーに師事したアーナルド・コーエンです。彼はブゾーニコンクールで優勝したこともあります。そのレパートリーの多くがリストの曲で占められているピアニストを「リスト弾き」とするならば、コーエンは間違いなくリスト弾きでしょう。ここでのコーエンの演奏は攻撃性に満ち、鋭いトゲがあります。スケルツォとマーチ、ダンテソナタにおいてはその曲から悪魔性を引き出すことに成功していると思います。例えば他にはユグノー教徒の回想や死の舞踏などを得意としていますが、彼のレパートリーなどを見ると彼はリストの悪魔性に魅了されているように感じます。切れ味の鋭いカッコいい演奏です。彼の録音は他にも幾つか出ていますが、その出来はリスト弾きの名に恥じないものだと思います。
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