VENEZIA
August 08, 2012
NIKOLAI PETROV
ニコライ・ペトロフ
NIKOLAI PETROV
Disc.1
1. ピアノ協奏曲 第2番 Op.22 第2楽章 (サン=サーンス)〔ビゼー編・独奏稿〕
2. トッカータ (練習曲 Op.111 第6番)(サン=サーンス)
3. ワルツ形式の練習曲 (練習曲 Op.52 第6番)(サン=サーンス)
4.-9. パガニーニのカプリスによる6つの演奏会用練習曲 Op.10 (全曲)(シューマン)
Disc.2
1.-14. 展覧会の絵 (ムソルグスキー)
15.-20. パガニーニによる超絶技巧練習曲 S.140 (全曲)(リスト)
Disc.3
1.-5. 幻想交響曲 S.470 (ベルリオーズ=リスト=ペトロフ)
VENEZIA CDVE 00015
Recorded: 1982-1988
〔メモ〕
モスクワ音楽院附属の中央音楽学校にてタチアナ・ケストネル(ゴリデンヴェイゼル派)に学び、その後モスクワ音楽院のヤコフ・ザーク(ネイガウス派)のクラスで学んだペトロフの3枚組です。クライバーンコンクールとエリザベートコンクールで2位入賞を果たしています。
音楽だけでなくあらゆるものの話ですが、人は「完璧すぎるもの」を現実離れをしていて現実味が乏しいと感じることがあります。ペトロフは現実離れした卓越した技巧を持っています。ペトロフに関する本を読んでいたら、彼は不幸にもその完璧な演奏により「機械のようなピアニスト」と揶揄されてしまったそうです。そしてこれだけの実力を持っていながら注目を浴びることはあまりありませんでした。
本来「完璧すぎる」というのは褒め言葉でありポジティブなことであるはずです。なので「ペトロフの演奏は完璧で素晴らしい」と胸を張って言いたいです。演奏困難と言われたリストのパガニーニエチュードの初稿を、これだけ鮮やかに弾きこなした人がかつていたでしょうか。暴れまわるような演奏ではなく、磨き上げられた美しい仕上がりの演奏です。なおメフィストワルツなど未CD化の音源がいくつかありますので、是非復刻をお願いします!
ニコライ・ペトロフがメフィストワルツを録音しているというのは誤りでした。くわしくはコメント欄をごらんください。
フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→ヤコフ・ザーク→ニコライ・ペトロフ
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル→タチアナ・ケストネル→ニコライ・ペトロフ
HMV: ニコライ・ペトロフの芸術
タワレコ: ニコライ・ペトロフの芸術
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July 22, 2010
Лазарь Берман
The Art of Lazar Berman
Disc.1
1. 魔王 S.558/4 (シューベルト=リスト)
2. どこへ? S.565/5 (シューベルト=リスト)
3. 若き尼僧 S.558/6 (シューベルト=リスト)
4. アヴェ・マリア S.558/12 (シューベルト=リスト)
5. 幻覚 S.561/9 (シューベルト=リスト)
6. 辻音楽師 S.561/8 (シューベルト=リスト)
7. メフィストワルツ 第1番 S.514
巡礼の年 第2年 補遺 ヴェネツィアとナポリ S.162
8. ゴンドラ漕ぎの女
9. カンツォーネとタランテラ
Disc.2
超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲
2. 第2番
3. 第3番 風景
4. 第4番 マゼッパ
5. 第5番 鬼火
6. 第6番 幻影
7. 第7番 英雄
8. 第8番 荒々しき狩り
9. 第9番 回想
10. 第10番
11. 第11番 夕べの調べ
12. 第12番 雪あらし
Disc.3
1. ハンガリー狂詩曲 第9番 ぺシュトの謝肉祭 S.244/9
2. ピアノソナタ S.178
VENEZIA CDVE00020
Recorded: 1961/1963/1965/1975
〔メモ〕
みなさま、大変長らくお待たせいたしました。多くのリスト愛好家が再発を待ちわびていた名盤です。ベルマンのメロディアレーベルに残したスタジオ録音をまとめた3枚組。演奏を一言で評すなら'grand'です。というのは横文字を使ってカッコつけたいわけではありません。このgrandという言葉のニュアンスがぴったりで、それを日本語に訳してしまうと若干イメージと言葉が離れてしまうからです。
「私は19世紀のピアニストに属します」というのはご本人の言葉ですが、まさにロマン派のピアニストと言ってよいでしょう。リストの音楽の魅力を過不足なく伝える名演です。
…演奏は素晴らしいのです
…演奏は
しかし
おしい!いろいろな意味でこのCDはおしい!
その惜しい点を挙げてみましょう
1.ライナーノーツの解説がしょぼい
ライナーは見開き1ページしかなく、しかもロシア語なので読めません
2.録音の質
「ノイズやドロップアウトはマスターテープに起因するものである」と注意書きがされてますが、たしかにノイズが入ります(僕のCDだけ?)。もしマスターテープが痛んでいるのならしょうがないことなのですが、歴史的名演なんだからちゃんと状態を管理しといてよ
3.カンツォーネとタランテラが1トラック
ヴェネツィアとナポリのカンツォーネとタランテラがなぜか1トラックになっています。些細なことですが、仕事がいい加減すぎるでしょ
4.未収録曲
今作はベルマンのメロディアのスタジオ録音を集めたわけですが、スペイン狂詩曲、ハンガリー狂詩曲第3番、葬送曲の3曲が収録されていません。個人的にはこれが一番の不満点。あとたった3曲なんだから入れといてよ…
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル→ラザール・ベルマン
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