VOX

May 30, 2012

Ozan Marsh plays Franz Liszt

オザン・マーシュ

Ozan Marsh plays Franz Liszt 

marsh

1. スペイン狂詩曲 〔ブゾーニ編・ピアノ協奏稿〕* 
2. ピアノ協奏曲 第1番 〔1854年稿〕 S.124* 
3. 死の舞踏 〔マーシュ編・ピアノ独奏稿〕 

*ポール・フリーマン指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 

Vox/Turnabout PVT 7191 
Recorded: 1985  

〔メモ〕
ラフマニノフ、ホロヴィッツ、ペトリ、フィリップ、カサドシュ、ザウアーに師事したマーシュのリスト作品集です(師匠の顔ぶれがすごい!)。彼はリスト研究にも熱心だったということですが、さすがにマニアックな曲を録音しています。
まずブゾーニ編曲によるスペイン狂詩曲のピアノ協奏稿ですが、これは1904年にバルトーク独奏、ブゾーニ指揮で初演されました。そしてその後ペトリ独奏、ミトロプーロス指揮という2人のブゾーニの弟子により世界初録音された作品です。この編曲はスペイン色が濃くなっています。
そして次にマーシュ自身が発見したとされる1854年に書かれたピアノ協奏曲第1番の自筆譜ですが、最終稿にはない部分があり、それらを採用して録音しています。最終稿との一番大きな違いは、ピアノを伴奏としてクラリネットソロがあるところで、その部分は幻想的で素敵です。
最後にマーシュがピアノ独奏編曲をした死の舞踏ですが、マーシュはピアノ独奏稿「死の舞踏」がリスト本人によるものかどうか疑わしいと思っているそうで、ここでは「死の舞踏」の初期の草稿を含む全ての稿やブゾーニ版を参考にして編曲したそうです。この編曲はその恐ろしさやおどろおどろしさが増幅されています。僕は好きです。 

フランツ・リスト→エミール・ザウアー→オザン・マーシュ 
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→セルゲイ・ラフマニノフ→オザン・マーシュ 
フランツ・リスト→テオドール・リテール→イシドール・フィリップ→オザン・マーシュ 


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March 20, 2012

Liszt: Transcendental Etudes: Kentner

ルイス・ケントナー 

Liszt: Transcendental Etudes / En Réve 

kentner etude

  超絶技巧練習曲 S.139
1. 第1番 前奏曲 
2. 第2番
3. 第3番 風景 
4. 第4番 マゼッパ 
5. 第5番 鬼火 
6. 第6番 幻影 
7. 第7番 エロイカ 
8. 第8番 荒々しき狩 
9. 第9番 回想 
10. 第10番 
11. 第11番 夕べの調べ 
12. 第12番 雪あらし
13. 夢の中で S.207 

Carlton Classics 30371 00562  
Recorded: ?  

〔メモ〕
往年のリスト弾きであるケントナーの超絶技巧練習曲です。彼はリスト直系ピアニストであるアルノルド・セーケイにピアノを師事し、作曲はコダーイに師事し、得意なレパートリーは主にリストとバルトークでした。

ショパン、シューマン、リストと言えばロマン派を代表する巨人たちであり、生年も近くそれぞれのピアノ曲の対比も面白いです。ショパンの練習曲は24の長短調によるそれぞれコンパクトな練習曲という体裁を保ちながら芸術性を極限まで高めた傑作です。シューマンの交響的練習曲は変奏曲という形式をとった大曲であり、これもシューマンの傑作と目されています。同じく傑作とされているリストの超絶技巧練習曲ですが、リストは「練習曲」という名前にあまりこだわっていないように感じられます。第1番は文字通りプレリュードだし、3番、9番のようなノクターン風の曲あり、物語を追っていくかのようなドラマ的な「マゼッパ」あり、バラードなどに匹敵する内容の充実度を見せる「夕べの調べ」もあります。「鬼火」や「雪あらし」も練習曲に近いですが、そのタイトルを表す描写的な小品とも言えます。一方でタイトルのない2番、10番は紛れもない練習曲ですね。

ここでのケントナーの演奏は、その大仰さがマゼッパのドラマ性を増幅し、夕べの調べにさらなる内容の重みを加えています。

そして後期作品で美しいノクターンである「夢の中で」は20世紀中盤まではほとんど知られていない小品でしたが、ケントナーはこの曲を取り上げた最初期のひとりでしょう。柔らかな音色の美しい演奏。

フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→アルノルド・セーケイ→ルイス・ケントナー

関連記事:Louis Kentner: The Pioneering Liszt Recordings 
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August 02, 2011

Vox Legends: Kentner plays Liszt

ルイス・ケントナー

Louis Kentner plays Liszt Solo Piano Music

kentner vox

Disc.1
1. 詩的で宗教的な調べ S.154
2. エレジー 第2番 S.197
3. 顕現 第1番 S.155/1
4. 孤独の中の神の祝福 S.173/3
5. 灰色の雲 S.199
6. 悲しみのゴンドラⅠ S.200/1
7. バラード 第2番 S.171
8. 5つのハンガリー民謡 S.245

Disc.2
1. 《ドン・ジョヴァンニ》の回想 S.418 (モーツァルト=リスト)
2. 《さまよえるオランダ人》より紡ぎの合唱 S.440 (ワーグナー=リスト)
3. 《ルチア》と《パリジーナ》の主題による演奏会用ワルツ S.214/3 (ドニゼッティ=リスト)
4. 4つの小品 S.192/1-4
5. 《真夏の夜の夢》より結婚行進曲と妖精の踊り S.410 (メンデルスゾーン=リスト)
6. 《ファウスト》のワルツ S.407 (グノー=リスト)

VOX BOX CDX2 5503
Recorded: 1960’s-1970’s

〔メモ〕
ピアニストとしての師はリスト直系のアルノルド・セーケイで、作曲の師はゾルタン・コダーイだったケントナーです。イギリスのリスト協会の元会長でハワードの前任者だった彼ですが、さすが一曲目からなんともマニアックな作品を持ってきています。この曲は「死者の追憶」の初稿です。この曲を選んだ目の付けどころが素晴らしい。演奏は感情表現が強く、テンポの揺れがあります。曲がケントナーの特性に合えば素晴らしい効果を上げています。個人的には最も素晴らしいと思ったのは、ハンガリー民謡と4つの小品です。これら小品集でもボリューム感があり、聴き終わった後に満足感が残ります。他にも顕現やエレジーなどを取り上げ、ブレンデルなどより先にこれらリストの思索的作品の再興に取り組んでいたピアニストと言えるでしょう。リスト・ルネサンスの立役者の一人です。

ちなみにハンガリー民謡と4つの小品はなぜかトラック分けがされてません。

VoxにはいまだにCD化されていないケントナーのリスト録音が大量にあります。ハンガリー狂詩曲全集、(通称)ルーマニア狂詩曲、スペイン狂詩曲、演奏会用練習曲全集などです。早くしてください。

フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→アルノルド・セーケイ→ルイス・ケントナー 

関連記事:Louis Kentner: The pioneering Liszt recordings
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