Vai

October 03, 2012

Valery Kuleshov plays Liszt

ヴァレリー・クレショフ  

Valery Kuleshov plays Liszt  

kuleshov liszt

1. ピアノソナタ S.178 
  パガニーニによる大練習曲 S.141 
2. 第1番
3. 第2番
4. 第3番 ラ・カンパネラ
5. 第4番 〔ブゾーニ編〕
6. 第5番 狩り
7. 第6番 主題と変奏 
8. メフィストワルツ 第1番 〔ブゾーニ編〕

VAI AUDIO VAIA 1265 
Recorded: 2005 

〔メモ〕  
ドミトリー・バシキーロフ、ヴラディーミル・トロップ、カール・ウルリヒ・シュナーベル、レオン・フライシャー、フー・ツォン、バイロン・ジャニスという名ピアニストたちに師事したクレショフのリスト作品集です。また彼はホロヴィッツオタクとしても知られ、ホロヴィッツ編曲の作品を採譜し、それを録音しました。その録音を聴いたホロヴィッツは「私は君の演奏に歓喜するだけでなく、君の鋭い聴きとり能力と忍耐力を祝福したいと思う。未出版の作品の私の録音を聴いて音符を一つ一つ拾っていくにはその聴きとり能力と忍耐力をまさに要求されたでしょう」という手紙をクレショフへ送っています。
演奏は若者らしい覇気と自己主張を感じます。卓越した技巧を持ち、押し出しの強い演奏です。パガニーニ練習曲では基本的に通常稿を演奏していますが、時に初稿、ブゾーニ編、ホロヴィッツ編、自編のパッセージを登場させていて、面白いです。メフィストワルツは演奏される機会があまりないブゾーニ編曲によるメフィストワルツです。しかし最後には、ホロヴィッツオタクの血が騒ぎ、それが押さえられなくなったのか、コーダをホロヴィッツのものに取り換えています(笑)。 

フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル→ドミトリー・バシキーロフ→ヴァレリー・クレショフ 
フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→テオドール・グートマン→ヴラディーミル・トロップ→ヴァレリー・クレショフ 


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November 29, 2011

Jeanne-Marie Darré : The Early Recordings

ジャンヌ=マリー・ダルレ 

The Early Recordings 

darre early recordings

Disc.1 
1. 練習曲 Op.10/1 (ショパン) 
2. 練習曲 Op.10/2 (ショパン)
3. 練習曲 Op.10/4 (ショパン)
4. 練習曲 黒鍵 Op.10/5 (ショパン)
5. 練習曲 エオリアン・ハープ Op.25/1 (ショパン) 
6. 練習曲 Op.25/6 (ショパン) 
7. 練習曲 Op.25/8 (ショパン)
8. 練習曲 蝶々 Op.25/9 (ショパン)
9. 3つのエコセーズ Op.72/3-5 (ショパン)
10. タランテラ Op.43 (ショパン)
11. アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22 (ショパン)*
12. 練習曲 "第5協奏曲によるトッカータ" Op.111/6 (サン=サーンス)
13.-15. ピアノ協奏曲 第2番 Op.22 (サン=サーンス)"
16. 宝のワルツ (《ジプシー男爵》より)(シュトラウスII世=ドホナーニ) 

Disc.2 
1. 前奏曲 (無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 より)(バッハ=ピック-マンジャガッリ)
2. 無窮動 (ピアノソナタ 第1番 より第4楽章)(ウェーバー=ガンツ)
3. ロマンス 第2番 Op.28/2 (シューマン) 
4. 前奏曲 Op.104a/3 (メンデルスゾーン)
5. 無言歌 甘い思い出 Op.19/1 (メンデルスゾーン) 
6. 無言歌 Op.53/4 (メンデルスゾーン)
7. 無言歌 春の歌 Op.62/6 (メンデルスゾーン)
8. 無言歌 紡ぎ歌 Op.67/4 (メンデルスゾーン)
9. パガニーニ超絶技巧練習曲 第5番 狩り S.140/5
10. パガニーニ超絶技巧練習曲 第3番 ラ・カンパネラ S.140/3 
11. パガニーニ大練習曲 第3番 ラ・カンパネラ S.141/3
12. 超絶技巧練習曲 第5番 鬼火 S.139/5
13. 超絶技巧練習曲 第11番 夕べの調べ S.139/11
14. ポロネーズ 第2番 〔コーダ:ブゾーニ〕 S.223/2
15. 愛の夢 第3番 S.541/3
16. 重音のカプリース (I.フィリップ)
17. 前奏曲 Op.3/2 (ラフマニノフ)
18. 前奏曲 Op.23/5 (ラフマニノフ) 
19. トッカータ (ヤーライ-ヤネチェク) 

*アンドレ・クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団
"ポール・パレー指揮/コンセール・コロンヌ

VAI AUDIO VAIA/IPA 1065-2
Recorded: 1922-1947 

〔メモ〕
名教授であったマルグリット・ロンとイシドール・フィリップの弟子であるダルレのディスクのご紹介です(プロデューサーはグレゴール・ベンコ、復刻技師はウォード・マーストン)。またご本人の証言では「ショパンやリストに近しい人物と交流を持てて幸運でした。ブダペストではリストの弟子であったイシュトヴァーン・トマーンと親交を結びました。彼はドホナーニやバルトークの師でもあります。彼はピアノ演奏のニュアンスについて私に助言をくれました。そして同じくリストの弟子であったマルギット・ヴァルガシュにも師事しました。彼女は私にextrêmement précieuses(とても貴重)なことをたくさん教えてくれました。そしてリストの近しい友人であったアポニ伯爵とも知り合いになり、彼はリストのことをいろいろお話してくれました。」とのことです。というわけでダルレはリスト直系のピアニストと言ってもいいでしょう。また彼女はブゾーニの演奏を聴く機会が多くあり「特にリスト作品の演奏が素晴らしかった」と言っています。

さて突然ですが「ラ・カンパネラの女性ピアニスト」と言えば誰を思い浮かべますか?おそらく多くの方が「フジコ・ヘミング」と答えると思います。しかしカンパネラの女性ピアニストとしてはダルレも負けてはいません。彼女は少なくともカンパネラを5回録音しています。そしてここに収録されているものは通常のカンパネラと、難曲として知られるカンパネラの初期稿である「パガニーニによる超絶技巧練習曲 第3番」です。同様に第5番も初期稿の方を演奏しています。演奏は...このエレガンス!このテクニック!

収録曲から言ってもピアノ好きにはたまらないディスクです。

フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→ジャンヌ=マリー・ダルレ
フランツ・リスト→マルギット・ヴァルガシュ→ジャンヌ=マリー・ダルレ
フランツ・リスト→テオドール・リテール→イシドール・フィリップ→ジャンヌ=マリー・ダルレ 


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May 31, 2011

The 19 Hungarian Rhapsodies played by 19 Great Pianists

19人の偉大なピアニストたち

The 19 Hungarian Rhapsodies

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Disc.1
  ハンガリー狂詩曲 S.244 より
1. 第1番
  アレクサンドル・ボロフスキー <Polydor/1938>
2. 第2番 〔カデンツァ付〕
  ベンノ・モイセヴィチ <HMV/1940>
3. 第3番
  エルヴィン・ニレジハージ <IPA/1978>
4. 第4番
  アール・ワイルド <1979>
5. 第5番 悲劇的な英雄の詩
  シューラ・チェルカスキー <Vox/1946>
6. 第6番
  ミッシャ・レヴィツキ <HMV/1927>
7. 第7番
  マーク・ハンブルグ <HMV/1934>
8. 第8番
  マルコム・フレージャー <1973>
9. 第9番 ペシュトの謝肉祭
  ジョセフ・ヴィラ <1977>

Disc.2
  ハンガリー狂詩曲 S.244 より
1. 第10番
  ギオマール・ノヴァエス <Decca/1962>
2. 第11番
  アルフレッド・コルトー <Victor/1926>
3. 第12番
  ホルヘ・ボレット <1979>
4. 第13番
  クラウディオ・アラウ <Columbia/1952>
5. 第14番
  ヴァレリー・ブクリンスキ <IPA/1994>
6. 第15番 ラコッツィ行進曲
  ソロモン <HMV/1932>
7. 第16番
  ジョルジュ・シフラ <Pathé/1974>
8. 第17番
  スヴャトスラフ・リヒテル <1987> 
9. 第18番
  ルイス・ケントナー <Vox/1969>
10. 第19番 アブラーニによる
  ジャニス・ウェーバー <IPA/1993>

VAI AUDIO VAIA/IPA 1066-2

〔メモ〕
ハンガリー狂詩曲全19曲を19人別々のピアニストで集めたオムニバス盤です。監修はグレゴール・ベンコ、エンジニアはウォード・マーストンです。ピアニストはかなり通なチョイスですね。 〔第1番〕戦前はハンガリー狂詩曲は1番~15番までで全集とみなされていたそうです。ボロフスキーは1番~15番まで録音して、「史上2番目にハンガリー狂詩曲全集を録音したピアニスト」ということになってます。ボロフスキーはレシェティツキ直系のピアニストです。 〔第2番〕ここではモイセヴィチが選ばれていますが、企画者はこの選択が一番難しかったと言っています。モイセヴィチの演奏は間違いなくこの曲の最高の名演の一つでしょう(個人的にはギンズブルグと双璧)。ちなみに最終的にフリードマンの録音と迷い、結局モイセヴィチにしたということです。 〔第3番〕重低音を轟かせ悪魔のような音楽を創り出すニレジハージです。ニレジハージはリスト直系ピアニストです。 〔第4番〕シフラの十八番(オハコ)を半音階ギャロップとするなら、ワイルドのものはこの第4番でしょう。この演奏も悪くはないですが、以前紹介した「The Virtuosity of Earl Wild」に収録されているもののほうが良いと思います。 〔第5番〕チェルカスキー若き日の記録。 〔第6番〕レヴィツキも素晴らしいですが、個人的にはギレリスの方が好きです。 〔第7番〕1番~15番までのハンガリー狂詩曲全集を史上初めて録音したピアニストであるハンブルグです。彼の演奏は自由自在です。全集を史上初めて録音したピアニストと史上2番目に録音したピアニストが2人ともレシェティツキ系のピアニストというのは興味深い事実です。 〔第8番〕フレージャーはこの曲を頻繁に演奏していたそうです。 〔第9番〕知る人ぞ知るピアニスト、ジョセフ・ヴィラによる演奏。ダイナミズムがありながら細やかなニュアンスコントロールができている名演。 〔第10番〕イシドール・フィリップの弟子ノヴァエスによる卓越した演奏。 〔第11番〕コルトーの代表的リスト録音のひとつ。雄弁な演奏。 〔第12番〕リスト弾きとして有名だったボレットですが、意外にもハンガリー狂詩曲はあまり演奏していません。ハンガリー幻想曲を除くと第12番だけじゃないでしょうか? 〔第13番〕僕は基本的にアラウは最高のリスト弾きのひとりだと思っていますが、この演奏にはあまり心魅かれませんでした。 〔第14番〕この企画盤で唯一名前を聞いたことがないピアニストでした。ブクリンスキはロシアのピアニストだそうです。この企画のために録音したとのことです。 〔第15番〕英国紳士ソロモンによる高貴で切ない演奏。 〔第16番〕リストのハンガリー狂詩曲といえばこの人は外せないでしょう。 〔第17番〕リヒテルが(おそらく)唯一取り上げたハンガリー狂詩曲が第17番です。 〔第18番〕ケントナーは1番~19番までのハンガリー狂詩曲完全全集を録音しています。「もともとハンガリー出身」、「リスト直系」で「卓越したリストの専門家」というシフラとの共通点がありますが、演奏は正反対です。味付けの濃いシフラに対し、あっさり味のケントナーです。 〔第19番〕小説家であり超絶技巧の女流ピアニスト、ウェーバーによる演奏。素晴らしい。

ここに含まれている多くの人が(多かれ少なかれ)改編をして演奏しているというのは面白いです。


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