apr
November 24, 2010
MISCHA LEVITZKI The Complete HMV recordings 1927-33
ミッシャ・レヴィツキ
The Complete HMV recordings 1927-33
Disc.1
1. 前奏曲 Op.28/1 (ショパン)
2. 前奏曲 Op.28/7 (ショパン)
3. 前奏曲 Op.28/23 (ショパン)
4. ワルツ 第11番 Op.70/1 (ショパン)
5. ワルツ 第8番 Op.63/3 (ショパン)
6. バラード 第3番 Op.47 (ショパン)
7. 夜想曲 第13番 Op.48/1 (ショパン)
8. 夜想曲 第5番 Op.15/2 (ショパン)
9. スケルツォ 第3番 Op.39 (ショパン)
10. ポロネーズ 第6番 英雄 Op.53 (ショパン)
11. ソナタ K.113 (スカルラッティ)
12. ガヴォット (グルック=ブラームス)
13. エコセーズ WoO.86 (ベートーヴェン)
14. 軍隊行進曲 (シューベルト=タウジヒ)
15. 練習曲《スタッカート》 Op.23/2 (A.ルビンシテイン)
16. ロンド・カプリチオーソ Op.14 (メンデルスゾーン)
17.-20. ピアノソナタ 第2番 Op.22 (シューマン)
Disc.2
1.-4. ピアノ協奏曲 第1番 S.124*
5. 前奏曲とフーガ S.462/1 (バッハ=リスト)
6. ため息 S.144/3
7. ラ・カンパネラ S.141/3 (パガニーニ=リスト)
8. ラ・カンパネラ S.141/3 (パガニーニ=リスト)
9. ハンガリー狂詩曲 第6番 S.244/6
10. ハンガリー狂詩曲 第12番 S.244/12
11. ハンガリー狂詩曲 第13番 S.244/13
12. 女道化師 Op.52/4 (モシュコフスキ)
13. 前奏曲 Op.23/5 (ラフマニノフ)
14. 愛のワルツ Op.2 (レヴィツキ)
*ランドン・ロナルド指揮/ロンドン交響楽団
apr CDAPR 7020
recorded: 1927-1933
〔メモ〕
レヴィツキは師弟関係をさかのぼっていくと、ショパンとリストにつながるピアニストです。まずレヴィツキの最初の師はミハウォフスキでしたが、ミハウォフスキはショパンの弟子ミクリとリストの弟子タウジヒに師事しています。そしてレヴィツキは後にエルンスト・ドホナーニにも師事しますが、ドホナーニもまたリスト直系のピアニストです。他にはルイ・ディエメとパデレフスキの弟子ジグムント・ストヨフスキにも師事しています。
レヴィツキのここでの録音はヒストリカル録音ながら、過剰なロマンティシズムを排した折り目正しい紳士的な演奏となっています。テンポ設定は普通でそれほど速くもないながら(遅くもないけど)、シャキシャキした歯ごたえのある演奏です。ベースとなる技術はすごいのでしょうけども、それを前面に押し出さない品の良さがあり聴き疲れとは無縁です。サロン風小品の演奏も素敵だ。
ちなみに廉価レーベルのナクソスの復刻もありますので、興味のある方はそちらの入手をおすすめします。
フランツ・リスト→カール・タウジヒ→アレクサンドル・ミハウォフスキ→ミッシャ・レヴィツキ
フランツ・リスト→オイゲン・ダルベール→エルンスト・ドホナーニ→ミッシャ・レヴィツキ
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November 17, 2010
EGON PETRI His recordings 1929 - 1942
エゴン・ペトリ
His recordings 1929 - 1942
Disc.1
1. ワルツop.42 (ショパン)
2. パガニーニ大練習曲 第5番 狩 (パガニーニ=リスト)〔ブゾーニ編〕
3. 小人の踊り S.145/2
4. 紡ぎの歌 《さまよえるオランダ人》より S.440 (ワーグナー=リスト)
5. ます S.564 (シューベルト=リスト)
6. 水のうえで歌う S.558/2 (シューベルト=リスト)
7. 愛の使い S.560/10 (シューベルト=リスト)
8. 菩提樹 S.561/7 (シューベルト=リスト)
9. 糸を紡ぐグレートヒェン S.558/8 (シューベルト=リスト)
10. ウィーンの夜会 第6番 S.427/6 (シューベルト=リスト)
11. リゴレット・パラフレーズ S.434 (ヴェルディ=リスト)
12. ファウストのワルツ (グノー=リスト)〔ブゾーニ編〕
13. ため息 S.144/3
超絶技巧練習曲 S.139 より
14. 第9番 回想
15. 第4番 マゼッパ
Disc.2
1.-4. ピアノ協奏曲 第2番 S.125*
5. ベートーヴェンの《アテネの廃墟》による幻想曲 S.122*
6. スペイン狂詩曲 〔ブゾーニ編・協奏版〕#
7.-9. ピアノ協奏曲 第1番 Op.23 (チャイコフスキー)$
*レスリー・ヒュワード指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
#ディミトリ・ミトロプーロス指揮/ミネアポリス交響楽団
$ワルター・ゲール指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
apr CDAPR 7023
recorded: 1929-1942
〔メモ〕
「ペトリは聴衆にも知性を要求しすぎた」という評を読んだことがあります。言いたい事はわかるのですがここでのリスト演奏は、その「明晰さ」がプラスに働いていると思います。いや、明晰なだけではありません。低音部では雷鳴が轟き、高音部ではグロッケンシュピールが踊っているかのようなチャーミングな音色で、全体をただならぬ空気が漂っています。小人の踊りが超絶技巧練習曲のように響くあたりは若干苦笑してしまいますが、シューベルト編曲における「歌と詩」は誰にも真似できないものではないでしょうか。僕はショーンバーグが「今世紀最高のリスト弾き」と評しているから褒めているのではありません。誰か一人の演奏が絶対的だなんて思いません。仮にそれが当てはまるとしたら、リスト本人の演奏でしょう。しかし、ここに「リストを演奏すること」に対するひとつの答えがあるということも事実だと思います。
関連記事:Busoni and his Legacy
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August 02, 2010
The Pathé Recordings 1937-39
エドワルド・キレニー
The Pathé Recordings 1937-39
Disc.1
1.-12. 練習曲 Op.10 (ショパン)
13. マズルカ Op.17/4 (ショパン)
14.-17. ピアノ・ソナタ 第2番 Op.35 (ショパン)
18. ゴンドラ漕ぎの女 S.161/1
19. タランテラ S.161/3
Disc.2
1. ハンガリー狂詩曲 第8番 S.244/8
2. ハンガリー狂詩曲 第15番 S.244/15
3. メフィストワルツ 第1番 S.514
4. 死の舞踏 〔ダルベール版〕 S.126ii*
5. ハンガリー幻想曲 S.123*
6. さすらい人幻想曲 S.366 (シューベルト=リスト)*
*セルマー・メイロヴィッツ指揮
apr APR 7037
recorded: 1937-39
〔メモ〕
フランツ・リストは非常に多くの弟子がいて、当然のことですがその弟子たちは様々なタイプのピアニストたちだったそうです。典雅で雄大なピアノを聴かせたエミール・ザウアーのようなピアニストもいれば、対照的に稲妻のような激しい演奏をするローゼンタールやフリードハイムといった弟子もいました。
本題に入りましょう。キレニーの師匠はリストの孫弟子であるエルンスト・ドホナーニです。ハンガリーの名演奏家として知られたドホナーニは「雷鳴轟かすヴィルトゥオーゾ」という評価を得ていました。ドホナーニは名ピアニストであると同時に名教師でもあり多くの優れた弟子たちがいたわけですが、「雷鳴轟かすヴィルトゥオーゾ」というDNAはキレニーに最も顕著に受け継がれたのではないかと個人的に思います。タランテラも素晴らしいですが、怒り狂ったかのようなメフィストワルツが白眉でしょう。リストの弟子たちの激しい演奏をする一派はこのような演奏だったのではないかと想像させてくれます。
ただショパンの演奏はわりとオーソドックスでさらりと弾いていました。
このCDを買った理由は単純にキレニーに興味があったからですが、もうひとつ理由があります。それは死の舞踏が「ダルベールエディション」とクレジットされていたからです。通常版と印象が変わるほどの大幅な改訂はされていないです。しかし謎なのはブゾーニ版と同様のフレーズが登場することです。これはなぜなのかな?ちなみにこの死の舞踏はキレニーのものが世界初録音とのこと。
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→エルンスト・ドホナーニ→エドワルド・キレニー
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