cziffra
December 06, 2012
György Cziffra interpreta Liszt
György Cziffra interpreta Liszt
1. エステ荘の噴水 S.163/4
2. 超絶技巧練習曲 第10番 S.139/10
3. 即興ワルツ S.213
4. 超絶技巧練習曲 第5番 鬼火 S.139/5
5. 半音階的大ギャロップ S.219
6. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1
7. ハンガリー狂詩曲 第6番 S.244/6
8. ナイチンゲール S.250/1 (アリャビエフ=リスト)
9. 葬送曲 S.173/7
10. スペイン狂詩曲 S.254
11. ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲 S.161/7
Arkadia CDGI 905
Recorded: 1959
〔メモ〕
正式な許可を取らずに販売したと言われるアルカディアのピアニストシリーズ「Great Interpreters」のひとつです。伝説のトリノライブはシフラ全盛期のライブ録音を楽しむことができます。彼のスタジオ録音は他のピアニストのものと比べると即興性に満ちたライブ感のあるものですが、やはり本物のライブ録音だとさらに爆発的な躍動感を堪能できます。そして(スタジオ録音でもあったことですが)楽曲をさらにヴィルトゥオジックに処理するために、一部パッセージを変形させるという荒技もやってのけます。
エステ荘の洪水に呑みこまれ、暴れ馬は超高速ギャロップを披露する。ナイチンゲールは雄叫びを上げ、神曲による地獄では壮絶な光景を目にし、煉獄で業火に焼かれる。最期には昇天し、高らかな天国のファンファーレが鳴り響く。
こりゃぁ面白れぇ!
ちなみに同じトリノライブの曲目で「B-A-C-Hの主題による幻想曲とフーガ」なども別レーベルから発売されています。
フランツ・リスト→オイゲン・ダルベール→エルンスト・ドホナーニ→ジョルジュ・シフラ
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→ジェルジ・フェレンチ→ジョルジュ・シフラ
関連記事: Georges Cziffra: Ses Enregistrements Studio
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June 14, 2011
Georges Cziffra: Ses Enregistrements Studio
Ses Enregistrements Studio 1956 -1986
《エフゲニー・オネーギン》のポロネーズ S.429 (チャイコフスキー=リスト)<56>
《リゴレット》パラフレーズ S.434 (ヴェルディ=リスト)<59>
《ポルティチの唖娘》による華麗なるタランテラ S.386 (オーベール=リスト)<58>
《ファウスト》のワルツ S.407 (グノー=リスト)<58>
結婚行進曲と妖精の踊り (《真夏の夜の夢》より) S.410 (メンデルスゾーン=リスト)<59>
《タンホイザー》序曲 S.442 (ワーグナー=リスト)<59>
ナイチンゲール S.250/1 (アリャビエフ=リスト)<58>
ラ・カンパネラ S.141/3 (パガニーニ=リスト)<59>
ハンガリー狂詩曲 第1番~第15番 S.244/1-15 <56/57>
スペイン狂詩曲 S.254 <56>
エステ荘の噴水 S.163/4 <57>
忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <57>
即興ワルツ S.213 <57>
愛の夢 第3番 S.541/3 <57>
半音階的大ギャロップ S.219 <57>
超絶技巧練習曲 S.139 (全曲)<57/58>
メフィストワルツ 第1番 S.514 <57>
小人の踊り S.145/2 <57>
愛の夢 第3番 S.541/3 <77/78>
忘れられたワルツ 第1番 S.215/1 <77/78>
即興ワルツ S.213 <77/78>
パガニーニ大練習曲 第5番 狩り S.141/5 <73>
2つの演奏会用練習曲 S.145 (全曲)<70/69>
ラ・カンパネラ S.141/3 (パガニーニ=リスト)<69>
バラード 第2番 S.171 <78>
ポロネーズ 第1番 S.223/1 <78>
ピアノソナタ S.178 <68>
ハンガリー狂詩曲 第1番~第15番 S.244/1-15 <72-75>
ハンガリー狂詩曲 第16番 S.244/16 〔シフラ編〕<72-75>
ハンガリー狂詩曲 第19番 S.244/19 〔シフラ編〕<72-75>
小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175/1 <77>
葬送曲 S.173/7 <70>
巡礼の年 第1年 スイス S.160 (全曲)<75>
巡礼の年 第2年 イタリア S.161 (全曲)<75/68>
巡礼の年 第2年 補遺 ヴェネツィアとナポリ S.162 (全曲)<76>
巡礼の年 第3年 S.163 (全曲)<76>
メフィストワルツ 第1番 S.514 <85/86>
エステ荘の噴水 S.163/4 <85/86>
即興ワルツ S.213 <85/86>
ウイーンの夜会 第6番 S.427/6 (シューベルト=リスト)<85/86>
波を渡るパオラの聖フランチェスコ S.175/2 <85/86>
雪あらし S.139/12 <85/86>
回想 S.139/9 <85/86>
いざ楽しまん - フモレスケ S.509 <85/86>
ポロネーズ 第2番 S.223/2 <Philips/63>
ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6 <Philips/63>
B.A.C.H.の主題による幻想曲とフーガ S.529 <Philips/63>
ため息 S.144/3 <Philips/63>
タランテラ S.162/3 <Philips/63>
ラ・レジェレッツァ S.144/2 <Philips/63>
波を渡るパオラの聖フランチェスコ S.175/2 <Philips/63>
乙女の願い S.480/1 (ショパン=リスト)<75>
愛しい人 S.480/5 (ショパン=リスト)<75>
ポロネーズ 第2番 S.223/2 <81>
超絶技巧練習曲 第10番 S.139/10 <81>
ピアノ協奏曲 第1番 S.124 <69>*
ピアノ協奏曲 第2番 S.125 <69>*
ハンガリー幻想曲 S.123 <68>*
死の舞踏 S.126 <68>*
ピアノ協奏曲 第1番 S.124 <61>"
ピアノ協奏曲 第2番 S.125 <58>"
ハンガリー幻想曲 S.123 <64>"
死の舞踏 S.126 <64>"
ピアノ協奏曲 第1番 S.124 <57>#
ハンガリー幻想曲 S.123 <57>#
即興ワルツ S.213 <56>
超絶技巧練習曲 第10番 S.139/10 <56>
*ジェルジ・シフラJr.指揮/パリ管弦楽団
"アンドレ・ヴァンデルノート/フィルハーモニア管弦楽団
#ピエール・デルヴォー/フランス国立放送管弦楽団
EMI 50999 213251 2 0
〔メモ〕
シフラがEMIとPhilipsに残した全録音集のCD40枚組ボックスです。上記の収録曲目はリスト作品のみの抜粋となります。以前ブレンデルの項で「リストは多面的な芸術家であり、それぞれのピアニストのリスト作品へのアプローチも様々です」と僕は書きましたが、シフラはブレンデルと対極に位置するピアニストと言ってもいいのではないでしょうか。演奏解釈が全く違うのはもちろん、レパートリーで言っても例えばブレンデルは超絶技巧練習曲を弾かないし、シフラは灰色の雲や悲しみのゴンドラを弾かない。どちらが良いとか、どちらが正しいという話をしてるのではないです。それぞれのピアニストのアプローチの仕方によって、「リスト像」が聴衆へそれぞれ異なった形で伝わるということです。シフラ、ブレンデル、アラウ、ボレットの4人はリスト受容に最も決定的な影響を与えたピアニストたちでしょう。しかも4人それぞれがまったく違った形でです。全く違ったリスト像を提示されると聴衆は混乱するかもしれませんが、演奏者ごとに違ったリスト像があるからこそリスト作品を聴く楽しみが膨らむのだと僕は思っています。
シフラの演奏は燃え上がる炎のような技巧、そして男臭く泥臭いド根性ピアニズムにより聴いている者を興奮させます。特に素晴らしいと思ったのはタランテラ、ポロネーズ、半音階ギャロップなどの舞曲です。そして当然の如く忘れちゃいけないのは2回におよぶハンガリー狂詩曲集の録音でしょう。ハンガリー狂詩曲は多くがハンガリージプシーの音楽を基にしていますが、シフラもジプシーの血を受け継いでいます。彼によるこの「哀愁のジプシー節」により演奏されたこれらマジャールのラプソディーは名演であることはもちろん、歴史的・資料的価値も非常に高いと僕は考えています。
イギリスの著名な批評家ブライス・モリソンは「シフラはイカロスのように危険を冒し太陽へ近づいてゆく。そのボルテージにより、彼は魔術師のようにオーラと興奮を創出するのだ」とシフラを評しています。
フランツ・リスト→オイゲン・ダルベール→エルンスト・ドホナーニ→ジョルジュ・シフラ
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→ジェルジ・フェレンチ→ジョルジュ・シフラ
関連記事: György Cziffra interpreta Liszt
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February 27, 2011
Great Pianists of The 20th Century Vol.23
20世紀の偉大なるピアニストたち 23
ジョルジュ・シフラ
Disc.1
1. ポロネーズ 第2番 S.223/2 (リスト)<63>
2. ペトラルカのソネット 第123番 S.161/6 (リスト)<63>
3.-4. B.A.C.H.の主題による幻想曲とフーガ S.529 (リスト)<63>
5. ため息 S.144/3 (リスト)<63>
6. タランテラ S.162/3 (リスト)<63>
7. ラ・レジェレッツァ S.144/2 (リスト)<63>
8. 波を渡るパオラの聖フランチェスコ S.175/2 (リスト)<63>
9. 雪あらし S.139/12 (リスト)<58>
10. 《ポルティチの唖娘》による華麗なるタランテラ S.386 (オーベール=リスト)<58>
11. メフィストワルツ 第1番 S.514 (リスト)<61>
Disc.2
1.-12. 練習曲 Op.10 (全曲)(ショパン)<62>
13.-24. 練習曲 Op.25 (全曲)(ショパン)<62>
25. ポロネーズ 第6番 英雄 Op.53 (ショパン)<?>
音源: Philips, EMI
Philips 456 760-2
〔メモ〕
不屈の男ジョルジュ・シフラです。彼はジプシーの家系に生まれますが、一家は非常な貧困に喘いでいました。そして5歳のジェルジ少年は家計をささえるためにサーカスでピアノの即興演奏をして(させられて?)いました。そして9歳の時、幸運にもブダペストのフランツ・リスト・アカデミーに入学でき、そこでリスト直系ピアニストとも言えるエルンスト・ドホナーニに師事することになります。その後も従軍した際に捕虜になったり、成人してからも自分の妻子の生活を支えるためバーやクラブでピアノ演奏をしなければいけなかったり、政治犯として逮捕されたりと苦労話には事欠きません。おそらくシフラにとって最も悲痛だったと思われる事件は息子ジェルジ・シフラ・ジュニアの火事による死ではないでしょうか。
こういうことをピアノ演奏に結びつけるのは安易な考えかもしれませんが、彼がジプシーの血を受け継いでいることや、非常な苦労をしてそれでも負けなかった不屈の精神というものは、やはり彼の演奏に反映されてるように思えてなりません。このディスクでは残念ながらハンガリー狂詩曲は収録されていませんが、ポロネーズやタランテラなどの舞曲における「シフラ節」はやはりツィゴイネル(ジプシー的)なものを感じる。
フランツ・リスト→オイゲン・ダルベール→エルンスト・ドホナーニ→ジョルジュ・シフラ
フランツ・リスト→イシュトヴァン・トマーン→エルンスト・ドホナーニ→ジョルジュ・シフラ
フランツ・リスト→イシュトヴァン・トマーン→ジェルジ・フェレンチ→ジョルジュ・シフラ
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January 27, 2011
Legendary Performances Vol.6
ジョルジュ・シフラ
鍵盤上の指の疾駆
“シフラの手がはやすぎて、何をしてるかわからなかったよ!”とピアニストのタマーシュ・ヴァーシャリは嬉しそうに語っていました。ギャロップというのはもともと「馬の疾駆」を意味するらしいのですが、シフラの演奏する「半音階的大ギャロップ」は正に鍵盤上をシフラの指が駆け巡る痛快な演奏。これぞ男シフラのド根性ピアニズム!
リヒテルは宇宙と交信してるかのように音楽を広大に繰り広げた。ホロヴィッツは悪魔と契約を交わしていたかのように変幻自在のピアニズムを繰り広げた。しかしシフラには「宇宙との交信」も「悪魔との契約」もない。シフラにあるのは「強靭な指、肉体」と「ド根性」だ。これはチープで陳腐な見世物ではない。ピアノ演奏芸術という牙城に、その肉体一つで挑む熱き男の魂の闘争である。
この演奏は是非映像付きでご覧ください。
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