decca
October 10, 2012
Pascal Rogé . Jean-Rodolphe Kars
ジャン=ロドルフ・カールス
Disc.1
1.-4 ピアノソナタ S.178*
5. マゼッパ S.139/4*
6. オーベルマンの谷 S.160/6*
7. 愛の夢 第3番 S.541/3*
8. 波を渡るパオラの聖フランチェスコ S175/2"
9. 荒々しき狩 S.139/8"
Disc.2
1.-7. 巡礼の年 第2年 イタリア S.161 (全曲)*
8. ピアノ小品 第2番 S.192/2"
9. 灰色の雲 S.199"
10. 悲しみのゴンドラⅠ S.200/1"
*パスカル・ロジェ
"ジャン・ロドルフ・カールス
DECCA ELOQUENCE 480 3150
Recorded: 1968/1969/1980
〔メモ〕
ジュリアス・カッチェンの二人の弟子を取り上げたアルバムです。
● パスカル・ロジェ
ジュリアス・カッチェンとリュセット・デカーヴに師事したロジェのリスト集です。演奏は開放的でさわやか。婚礼やペトラルカではどこまでも青空が広がっていくような世界観です。屈託のないチャーミングさもあります。若き日の録音であるロ短調ソナタでも舞い上がるような軽さがあります。
● ジャン=ロドルフ・カールス
ジュリアス・カッチェンとジャン・ファシナに師事したカールスです。非宗教的ユダヤ人だった彼はカトリックへ改宗します。そして1981年に聖職者になるためにピアニストとしてのキャリアにピリオドを打ちました。このような異色の経歴の持ち主です。ここではリストの思索的な曲を選んでいますが、ピアノ小品や灰色の雲では淡々と祈りを捧げているかのような演奏です。
フランツ・リスト→テオドール・リテール→イシドール・フィリップ→カッチェン母→ジュリアス・カッチェン→パスカル・ロジェ
フランツ・リスト→テオドール・リテール→イシドール・フィリップ→カッチェン母→ジュリアス・カッチェン→ジャン・ロドルフ・カールス
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September 12, 2012
Liszt: Sonata / Liebestraum No.3, etc: Curzon
クリフォード・カーゾン
PIANO SONATA / LIEBESTRAUM NO.3, etc.
1.-3. ピアノソナタ S.178
4. 愛の夢 第3番 S.541/3
5. 忘れられたワルツ 第1番 S.215/1
6. 小人の踊り S.145/2
7. 子守歌 S.174
8. 即興曲 D.935/2 (シューベルト)
LONDON POCL-4514
Recorded: 1963/1971
〔メモ〕
チャールズ・レディー(シュターヴェンハーゲンの弟子)、キャスリーン・グッドソン(レシェティツキの弟子/リスト直系)、アルトゥール・シュナーベル、ワンダ・ランドフスカにピアノを師事したカーゾンのリスト集です。また彼は作曲家アルバート・ケテルビーの甥としても知られています。
カーゾンはリストとあまり縁がないような印象があるかもしれませんが、意外にも彼の初の公式録音はさすらい人幻想曲のリスト編曲版協奏稿です。
彼は生涯を通じてあがり症に悩まされていました。デッカ社へレコーディングが大変に苦痛であるという内容の手紙を送ったこともあるそうです。繊細な神経の持ち主だったのでしょうか。彼の演奏も非常にセンシティブです。作曲家が意図するものを敏感に感じ取り、それに呼応するかのような演奏をします。
子守歌の録音は当時は珍しかったと思いますが、このような名演があったのは幸運です。
フランツ・リスト→ベルンハルト・シュターヴェンハーゲン→チャールズ・レディー→クリフォード・カーゾン
フランツ・リスト→カール・タウジヒ→オスカー・ベリンジャー→キャスリーン・グッドソン→クリフォード・カーゾン
フランツ・リスト→カール・タウジヒ→アレクサンドル・ミハウォフスキ→ワンダ・ランドフスカ→クリフォード・カーゾン
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February 28, 2012
Shura Cherkassky Live : volume 5 Liszt
Live: volume 5 Liszt
1.-2. 幻想曲とフーガ BWV542 S.463 (バッハ=リスト)
3.-5. ピアノソナタ S.178
6. ハンガリー狂詩曲 第2番 S.244/2
7. ハンガリー狂詩曲 第12番 S.244/12
8. ハンガリー狂詩曲 第13番 S.244/15
9. ハンガリー狂詩曲 第15番 ラーコーツィ行進曲 S.244/15
10. 愛の夢 第3番 S.541/3
Decca 433 656-2
Recorded: 1970-1991
〔メモ〕
BBCの管理するライブ音源をDeccaレーベルが発売したチェルカスキーのライブシリーズの第5巻で、リストの音源を集めたディスクになります。彼はフランツ・リスト生誕から100年後にあたる1911年に誕生しました。そして生まれはウクライナのオデッサですが、アメリカのカーティス音楽院でヨゼフ・ホフマンに師事したチェルカスキーです。
彼が最も得意としていたのは師ホフマン同様にロマン派の作品であり、特にショパン、シューマン、リストは彼のレパートリーの中心になっていました。ここでの彼の演奏はチャーミングです。ちょこまかと動き回ったり、たっぷりロマンティックに歌ったり、エレガントに振る舞ったりと表情が目まぐるしく変わります。チェルカスキーの茶目っ気が面白い演奏です。最も素晴らしいと思ったのが、意外にもバッハ編曲の幻想曲とフーガでした。バロック作品をロマンティックに演奏するとバランスが悪くなることがありますが、チェルカスキーは伸び伸びと美しく歌いバランスも取りながらうまく仕上げています。
フランツ・リスト→オイゲン・ダルベール→ヨゼフ・ホフマン→シューラ・チェルカスキー
関連記事: Shura Cherkassky plays Liszt
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February 16, 2011
FRANCE CLIDAT: Liszt L'œuvre pour piano
Liszt L'œuvre pour piano
Disc.1
1.-9. 巡礼の年 第1年 スイス S.160 (全曲)
巡礼の年 第2年 イタリア S.161 より
10. 婚礼
11. 物思いに沈む人
12. サルヴァトール・ローザのカンツォネッタ
13. ペトラルカのソネット 第47番
14. ペトラルカのソネット 第104番
Disc.2
巡礼の年 第2年 イタリア S.161 より
1. ペトラルカのソネット 第123番
2. ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲
3.-9. 巡礼の年 第3年 S.163 (全曲)
Disc.3
1.-3. 巡礼の年 第2年 補遺 ヴェネツィアとナポリ S.162 (全曲)
4.-5. 二つの伝説 S.175
6.-11. コンソレーション S.172 (全曲)
12. バラード 第1番 S.170
13. バラード 第2番 S.171
Disc.4
ハンガリー狂詩曲 S.244 より
1. 第1番
2. 第2番
3. 第3番
4. 第4番
5. 第5番 悲劇的な英雄の詩
6. 第6番
7. 第7番
8. 第8番
9. 第9番 ぺシュトの謝肉祭
10. 第10番
Disc.5
ハンガリー狂詩曲 S.244 より
1. 第11番
2. 第12番
3. 第13番
4. 第14番
5. 第15番 ラコッツィ行進曲
6. 第16番
7. 第17番
8. 第18番
9. 第19番 K.アーブラーニの《高貴なチャールダーシュ》による
10. スペイン狂詩曲 S.254
Disc.6
1.-10. 詩的で宗教的な調べ S.173 (全曲)
Disc.7
1. メフィストワルツ 第1番 S.514
2. メフィストワルツ 第2番 S.515
3. メフィストワルツ 第3番 S.216
4. メフィストワルツ 第4番 S.216b
5. 調性のないバガテル S.216a
6. 華麗なるマズルカ S.221
7. メフィストポルカ S.217
8.-11. 4つの忘れられたワルツ S.215
12. 華麗なるワルツ S.214/1
13. 憂鬱なワルツ S.210
Disc.8
1.-2. 2つのポロネーズ S.223
3. ゲーテ記念祭の祝祭行進曲 S.227
4. 死のチャールダーシュ S.224
5.-6. 2つのチャールダーシュ S.225
7. スケルツォと行進曲 S.177
8. 半音階的大ギャロップ S.219
9. ギャロップ S.218
10. ワルツ形式によるアルバム・リーフ S.166
11. アルバム・リーフ S.165
12. 即興ワルツ S.213
Disc.9
1.-12. 超絶技巧練習曲 S.139 (全曲)
13.-14. 2つの演奏会用練習曲 S.145
15. アブ・イラート S.143
Disc.10
1.-6. パガニーニによる大練習曲 S.141 (全曲)
7.-9. 3つの演奏会用練習曲 S.144
10.-15. 演奏会用大独奏曲 S.176
Disc.11
1.-3. 愛の夢 S.541 (全曲)
4.-6. ピアノソナタ S.178
7. 子守歌 S.174
8. 華麗なるアレグロ S.151
9. スペインの《密輸入者》による幻想ロンドー S.252
Disc.12
1.-3. ウォロナンスの落ち穂拾い S.249 (全曲)
4.-10. ハンガリーの歴史的肖像 S.205 (全曲)
11.-15. ハンガリー民謡 S.245 (全曲)
16. プスタの憂愁 S.246
17. ハンガリー的性格のピアノ小品 第2番 S.693/2
Disc.13
1.-12. クリスマスツリー S.186 (全曲)
13. 灰色の雲 S.199
14. 悲しみのゴンドラⅠ S.200/1
15. 悲しみのゴンドラⅡ S.200/2
16. R.W.- ヴェネツィア S.201
17. 葬送前奏曲 S.206/1
18. 別れ - ロシア民謡 S.251
Disc.14
1. スケルツォ S.153
2. リヨン S.156/1
3. 顕現 第1番 S.155/1
4. 顕現 第2番 S.155/2
5. 即興曲 (夜想曲) S.191
6.-10. 5つのピアノ小品 S.192
11. エレジー 第1番 S.196
12. エレジー 第2番 S.197
13. トッカータ S.197a
14. P-N夫人の回転木馬 S.214a
15. 忘れられたロマンス S.527
16. 眠られぬ夜、問いと答え S.203
17. 瞑想 S.204
18. 夢の中で - 夜想曲 S.207
19. 凶星! S.208
DECCA 476 4035
Recorded: 1968-1973
〔メモ〕
ラザール・レヴィやギレリスに師事したフランス・クリダの14枚組リスト作品集です。フィガロ紙の評論家ベルナール・ガヴォティにより彼女は「マダム・リスト」と呼ばれることになります。
この録音集は「条件を絞った」全集ということですが、その2つの条件というのはまず「パラフレーズやトランスクリプションは含まない」というもので、要するに編曲作品は含まないということなのですが、さらに「それがたとえ元々リスト作品のピアノ編曲でも」ということになってます。そういえばB.A.C.H.の幻想曲とフーガは正真正銘リストオリジナルの作品ですが、ここに収録されてないとなるとオルガン作品の編曲とみなされたということでしょうか?それを言ったら愛の夢とかペトラルカのソネットだって歌曲からの編曲作品なんだけどね(笑)。あともう1つの条件は「最終稿のみ」ということです。
大規模なリスト全集といえばグナー・ヨハンセンのものもありましたが、そちらはほとんど知られることもなかったので、このクリダによる全集はここまでいろいろな作品を収録しているのは当時としては画期的だったのではないでしょうか。多数の世界初録音を含んでいるとのことです。
演奏のほうはいまのところあまりピンときません。いや、もうすこしじっくり聴いてみたいと思います。
なおDisc.12の〔17〕はブックレットではサール番号S.241になっていますが、ハワードの全集で演奏しているS.241と別のものになっています。ハワードの全集ではS.693/2で演奏している作品といっしょで、そちらだと曲名は「ハンガリー風行進曲」になっています。
フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→エミール・ギレリス→フランス・クリダ
HMV : フランス・クリダ リスト作品集
タワレコ : フランス・クリダ リスト作品集
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January 20, 2011
Jorge Bolet: Liszt Piano Works
Liszt Piano Works
Disc.1
1. ハンガリー狂詩曲 第12番 S.244/12
2. 愛の夢 第3番 S.541/3
3. メフィストワルツ 第1番 S.514
4. 葬送曲 S.173/7
5. リゴレット・パラフレーズ S.434 (ヴェルディ=リスト)
6. ラ・カンパネラ S.141/3 (パガニーニ=リスト)
Disc.2
1. ます S.564 (シューベルト=リスト)
2. 水車屋と小川 S.565/2 (シューベルト=リスト)
3. どこへ? S.565/5 (シューベルト=リスト)
4. さらば! S.563/1 (ヴァイラウフ=リスト)
5. さすらい S.565/1 (シューベルト=リスト)
6. 菩提樹 S.561/7 (シューベルト=リスト)
7. 聞け、聞け、ひばりを S.558/9 (シューベルト=リスト)
8. 水に寄せて歌う S.558/2 (シューベルト=リスト)
9. 郵便馬車 S.561/4 (シューベルト=リスト)
10. わが家 S.560/3 (シューベルト=リスト)
11. 涙の賛美 S.557 (シューベルト=リスト)
12. 魔王 S.558/4 (シューベルト=リスト)
13.-16. さすらい人幻想曲 〔協奏稿〕 S.366 (シューベルト=リスト)"
Disc.3
1.-3. ピアノソナタ S.178
4. 即興ワルツ S.213
5.-7. 愛の夢 (全3曲) S.541
8. 半音階的大ギャロップ S.219
Disc.4
1.-7. 巡礼の年 第2年 イタリア (全曲) S.161
Disc.5
1.-9. 巡礼の年 第1年 スイス (全曲) S.160
Disc.6
1.-3. 巡礼の年 第2年補遺 ヴェネツィアとナポリ (全曲) S.162
4. エステ荘の噴水 S.163/4
5. 孤独の中の神の祝福 S.173/3
6. バラード 第2番 S.171
Disc.7
1.-12. 超絶技巧練習曲 (全曲) S.139
Disc.8
1.-2. 2つの演奏会用練習曲 S.145
3.-5. 3つの演奏会用練習曲 S.144
6.-11. コンソレーション (全6曲) S.172
12. ドン・ジョヴァンニの回想 S.418 (モーツァルト=リスト)
Disc.9
1. ノルマの回想 S.394 (ベルリーニ=リスト)
2. 死の舞踏 S.126ii*
3. 呪い S.121*
4. ハンガリー幻想曲 S.123*
"ゲオルク・ショルティ指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
*イヴァン・フィッシャー指揮/ロンドン交響楽団
DECCA 467 801-2
Recorded: 1978-1993
〔メモ〕
ベヒシュタインで演奏されたボレットのリスト作品集です。「機知に富み、堅苦しくないけど深刻なブレンデル」、「包容力と心洗われるような清純があるアラウ」と比較するならば「芳醇なロマンティシズムと楽観のボレット」と言えるでしょう。正直以前はブレンデル、アラウに比べるとそれほどこのボレットの録音集を好んで聴いていたわけではありません。しかし僕のボレットへの印象は年々変化してきています。
ボレットは4歳の時に姉に連れられてピアノリサイタルに行き、その時のことをこのように回想しています「その人(ピアニスト)が座っている場所が私の座りたい場所だとその時思った」。そこから彼のピアニスト人生が始まったのではないでしょうか。
1960年ハリウッドのフランツ・リストの伝記映画「わが恋は終りぬ」をご存じでしょうか?ダーク・ボガードの主演によるものですが、その映画でピアノ演奏の吹き替えを担当したのがボレットです。この映画によりボレットの名前もある程度アメリカで知られるようになりました(しかし本格的なセンセーションをもって聴衆に迎えられるのは1974年のカーネギーホールライブを待たなければいけません)。ボレットはリストの弟子に師事したこともありますので、リストとは非常に縁深いとも言えますね。
ここでのボレットはダイアモンドがはじけるようなスパークリングな演奏をする一面と美しく歌いあげる一面があり、さらに死の舞踏や呪いなどでは貴族然とした堂々たるヴィルトゥオジティを発揮しています。
フランツ・リスト→モーリッツ・ローゼンタール→ホルヘ・ボレット
フランツ・リスト→アレクサンドル・ジロティ→ホルヘ・ボレット
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