hambourg

July 26, 2012

MARK HAMBOURG : Liszt

マルク・ハンブルグ

Liszt The Hungarian Rhapsody recordings 

Hambourg liszt

Disc.1
  ハンガリー狂詩曲 S.244
1. 第1番
2. 第2番 〔カデンツァ付〕
3. 第3番
4. 第4番 悲劇的な英雄の詩
5. 第5番
6. 第6番
7. 第7番
8. 第8番
9. 第9番 ペシュトの謝肉祭
10. 第10番
11. 第11番

Disc.2
  ハンガリー狂詩曲 S.244
1. 第12番
2. 第13番
3. 第14番
4. ラーコーツィ行進曲 〔普及稿〕 S.244c 
5. 第2番 〔カデンツァ付〕
6. 第14番
7.-9. 悲愴協奏曲 S.258* 

*Pf: マイカル・ハンブルグ  

apr APR 7040 
Recorded: 1926-1935 

〔メモ〕 
歴史上初めてハンガリー狂詩曲の全集を録音したピアニストとして知られるマルク・ハンブルグです。昔はハンガリー狂詩曲1番から15番までとスペイン狂詩曲がセットで出版されることが多く、15番までで「ハンガリー狂詩曲全集」とみなされていました(16番~19番はあまり知られていなかった)。
ハンブルグは最初父ミハイル・ハンブルグにピアノの手解きを受けますが、父ミハイルはニコライ・ルビンシテイン(ロシアピアニズムの始祖のひとり/モスクワ音楽院創設者)とセルゲイ・タネーエフ(N.ルビンシテインの弟子/名教師)に師事したピアニストです。そしてその後マルク・ハンブルグは19世紀リストと並んで最も偉大な教師と言われたレシェティツキに3年間師事しました。
さて彼の演奏ですが「フリーダム」の一言に尽きます。至る所に即興フレーズを散りばめ、リズムやテンポは急に変更されたり崩されたり、ミスタッチなどお構いなしで、実に生き生きした演奏。正確に演奏された現代の演奏録音に慣れている方が彼の録音を聴いたら「金返せ!」と怒りだす人もいるかもしれません(笑)。しかしこれはいい加減に演奏されているわけではなく、彼のポリシーを貫いた結果なのです。彼はインタビューでことあるごとに「冷酷な正確さ」が音楽性を犠牲にしていると主張していました。演奏哲学は演奏家の数だけあってよいのです。  

このディスクは個人的にはすごく面白く聴けます。第2番の録音は2度とも同じようなカデンツァが演奏されていますが、これも笑える面白さ。14番は曲が原型を留めていない。「ハンガリー狂詩曲第14番風インプロヴィゼーション」とでも呼べそうな演奏です。ラーコーツィ行進曲は「ハンガリー狂詩曲第15番」の簡易稿とも言える「普及稿」が演奏されています。

2台ピアノ曲「悲愴協奏曲」で共演しているマイカル・ハンブルグはマルクの娘です。


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ミッチ at 00:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)