hough

June 06, 2012

Liszt Sonata, Ballades and Polonaises: Stephen Hough

スティーヴン・ハフ 

Liszt Sonata, Ballades and Polonaises 

hough hype 1

1. ポロネーズ 第1番 "憂鬱なポロネーズ" S.223/1
2. ポロネーズ 第2番 S.223/2
3. バラード 第1番 (十字軍の歌) S.170
4. バラード 第2番 S.171 
5. 子守歌 〔第1稿〕 S.174i 
6.-10. ピアノソナタ S.178 

Hyperion CDA67085 
Recorded: 1999  

〔メモ〕 
ヘザー・スレード=リプキン、ゴードン・グリーン(ペトリの弟子)、デリック・ウィンダム(シュナーベルの弟子)に師事し、その後ニューヨークの名門ジュリアード音楽院にて名教師アデル・マーカス(ヨゼフ・レヴィーンの弟子)と同じく名教師マーティン・カニン(サマロフの弟子)に師事した実力派ピアニストであるスティーヴン・ハフのディスクのご紹介です。 
ショパンを想起させるような曲種がずらりと並んでいます。リストのショパンへの敬愛を曲から感じ取れるような気がします。以前紹介したハフのリスト集と比べると、演奏の表情は柔和になり、ピアニストとしての円熟を感じさせる演奏です。American Record Guide誌はこのディスクに対し「これは最上の録音であり、批判を寄せ付けない。ハフのピアニズムは喚情的で霊感に溢れ、技巧的にそして音色的に実直である。リスト本人が演奏したらこのような演奏になっていたのではないか、という以上の褒め言葉が思いつかない」と絶賛しています。

フランツ・リスト→コンスタンティン・シュテルンベルク→オルガ・サマロフ→マーティン・カニン→スティーヴン・ハフ 
フランツ・リスト→モーリッツ・ローゼンタール→デリック・ウィンダム→スティーヴン・ハフ

関連記事: Hough : LISZT Piano Works 


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January 02, 2012

ハフとヴィラ -十字架の道行-

ピアニストのスティーヴン・ハフが同じくピアニストの親友ジョセフ・ヴィラとの思い出を語っていました。ジョセフ・ヴィラはエイズの合併症で亡くなりますが、その時のことを語っています。要約でご紹介しましょう。

“ある日、私達は彼のアパートメントでリストの「十字架の道行」の連弾稿を譜読みしていました。彼は譜面の音を正確に押さえることすらできませんでした。彼は熟練した偉大な画家のように色彩豊かな演奏をし、リストの様式の広大なキャンヴァスをどのように扱うかを心得ていました。病院に彼を訪ねた時、彼の力が徐々に弱っていくのが目に見えていました。死期が近づき、「極端な肉体的衰弱」という重荷を背負うことは彼にとっての「十字架の道行」のようなものでした。なんたる皮肉でしょう”  

十字架の道行はキリストの受難を描いた作品で、ヴィラの最期をそれに例えています。卓越したリスト弾きとも言える二人のピアニストが私的に「十字架の道行」を連弾で演奏していたというのは印象深いものがあります。

外部リンク: StephenHough.com | Joseph Villa


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February 01, 2011

Hough : LISZT Piano works

スティーヴン・ハフ

LISZT Piano Works

hough virgin

Disc.1
1. メフィストワルツ 第1番 S.514  
2. タランテラ S.162/3
3. スペイン狂詩曲 S.254 
4. 死者の追憶 S.173/4
5. 小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175/1
6. 孤独の中の神の祝福 S.173/3

Disc.2
1. アヴェ・マリア (Ⅳ) S.545  
2. エステ荘の糸杉に Ⅰ S.163/2
3. エステ荘の糸杉に Ⅱ S.163/3
4. エステ荘の噴水 S.163/4
5. 瞑想 S.204 
6. 悲しみのゴンドラ Ⅰ S.200/1
7. 悲しみのゴンドラ Ⅱ S.200/2
8. ダンテを読んで ソナタ風幻想曲 S.161/7
9. アヴェ・マリア (ローマの鐘) S.182 

Virgin Classics 7243 5 61439 2 0
Recorded: 1987/1990/1991

〔メモ〕
スティーヴン・ハフによるお得な2枚組。彼の重要なピアノ教師にゴードン・グリーンがいますが、グリーンはエゴン・ペトリの弟子になります。よってハフは偉大なるブゾーニの系譜に連なっていると言ってもいいかもしれません。
ここでは美しくクールで線が細く精緻なピアノ演奏をしていますが、過去のアンスネスやプレトニョフなどの例にみられるように、「いかにもヴァージンクラシックスの好きそうな」ピアニストです。ちなみにハフがフンメルの2曲の協奏曲を演奏した際に、ヴァージンがそれに注目をしてハフとの契約に至ります。
演奏の素晴らしさもさることながら選曲も素晴らしいです。特に2枚目はエステ荘の糸杉や悲しみのゴンドラなどのエレジーと、アヴェマリアや瞑想などの美しい小品が間に挟まり、あたかも「苦悩・嘆き」と「救い・慰め」が対比されてるようなプログラムです。リストへの共感の強いピアニストと言えましょう。

ちなみにスペイン狂詩曲などで改編が見られます。

フランツ・リスト→コンスタンティン・シュテルンベルク→オルガ・サマロフ→マーティン・カニン→スティーヴン・ハフ 
フランツ・リスト→モーリッツ・ローゼンタール→デリック・ウィンダム→スティーヴン・ハフ   

関連記事: Liszt Sonata, Ballades, Polonaises: Stephen Hough 


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