palexa
August 19, 2010
SVIATOSLAV RICHTER joue Franz Liszt
スヴャトスラフ・リヒテル
SVIATOSLAV RICHTER joue Franz Liszt
1. ピアノソナタ S.178
2. 葬送曲 S.173/7
超絶技巧練習曲 S.139 より
3. 第1番 前奏曲
4. 第2番
5. 第3番 風景
6. 第5番 鬼火
7. 第7番 英雄
8. 第8番 荒々しき狩
9. 第10番
10. 第11番 夕べの調べ
PALEXA CD-0537
recorded: 1965/1958/1956
〔メモ〕
“私はリヒテルの自発性に圧倒された。1940年代と50年代のリヒテルのピアニズムの自発性というものはピアノ演奏史における特異な現象であったとはっきり申し上げておきたい”
ピアニスト、ラザール・ベルマンはリヒテルについてこのように語っています。ベルマンに超絶技巧練習曲を弾かせるきっかけを作ったのはリヒテルなのではないでしょうか。僕はリヒテルがこの曲集の全曲を演奏しなかったことに対して常々残念に思っていました。リヒテルは好き嫌いのはっきりしたピアニストで、例えば第12番の雪あらしに明らかな嫌悪感を示していました。ラザール・ベルマンが12曲すべてを録音したことは、あたかもリヒテルの仕事を受け継いで完成させたかのように感じてしまいます。真似をしているわけではないですが、音楽の大まかな流れが似ているように感じました。
リヒテルが影響を与えたピアニストと言えば、もう一人アシュケナージがいます。アシュケナージはリヒテルのコンサートに何度も足を運んでいるため、おそらくリヒテルの超絶技巧練習曲の演奏も聞いているのではないでしょうか。アシュケナージはdeccaレーベルにこの曲集を抜粋で録音しています。曲目は1、2、3、5、8、10、11番です。上記のリヒテルの抜粋と比べてみると7番がないだけでほぼ同じです。この曲集に関してはアシュケナージもベルマンもリヒテルの影を追い求めていたのではないでしょうか?
超絶技巧練習曲だけでなくソナタも葬送曲もやはり特別な演奏。リヒテルのずば抜けた集中力は演奏に哲学的な深さを感じさせてくれます。
ただし、このモスクワライブの超絶技巧練習曲は音が悪すぎる。しかも僕のディスクだけかもしれませんが、音飛びがあります。曲数は減ってしまいますが、プラハライブの方が音はいいです。
余談ですが、以前「マイナーレーベルが出すリヒテルのリスト録音はレアになりがち」だと書いたことがありますが、このディスクもそんなに古いものではないのに、すでに品薄状態になりつつあります。なんでもっと多くプレスしとかないの?プレス枚数に制限か何かあるのでしょうか?
フランツ・リスト→ハンス・フォン・ビューロー→カール・H・バルト→ゲンリヒ・ネイガウス→スヴャトスラフ・リヒテル
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