zadora

January 24, 2012

Busoni and his Circle - Volume I

ミヒャエル・フォン・ツァドラ
レオ・シロタ
エドワルト・ヴァイス 
エテルカ・フロイント 

Busoni and his Circle - Volume I 

busoni circle 1

1. ソナチネ 第6番 カルメン幻想曲 BV267 (ビゼー=ブゾーニ)*
2. ひばり (グリンカ=バラキレフ)"
3. 調子のよい鍛冶屋 (ヘンデル)"
4. “我らに、魂の救済の波へ”による幻想曲 (マイアベーア=リスト)〔ブゾーニ編〕〔前半部〕"
5. ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲 S.161/7"
6.-9. インディアン日誌 第1巻 BV267 (ブゾーニ)#
10. 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ 〔ブゾーニ編〕 S.175/2#
11. 今ぞ喜べ、愛するキリスト者の仲間たち (バッハ=ブゾーニ)$
12. 間奏曲 Op.76/3 (ブラームス)$
13. 間奏曲 Op.117/1 (ブラームス)$
14. ラプソディ Op.119/4 (ブラームス)$
15. 豚飼いの踊り ("子供のために"より)(バルトーク)$

*ミヒャエル・フォン・ツァドラ
"レオ・シロタ
#エドワルト・ヴァイス 
$エテルカ・フロイント

Pearl GEMM CD 9014
Recorded: 1924-1958  

〔メモ〕
リストの弟子達が様々なタイプの演奏家がいる一方で、ブゾーニ・サークルのメンバー達はある共通点があるように思います。それは過度にロマンティックにならず、テンポを大胆に揺らすことがないということです。ここに収録されていないペトリも同じ傾向です。ショーンバーグはブゾーニを「近代ピアニズムの始まり」とみなしていましたが、そのことと関連があるのではないでしょうか。このディスクはブゾーニ楽派の凄さを見せつけます。それぞれがホフマンやペトリ級のピアニストと言ってもいいぐらいです。ここに含まれている4人にペトリを加えた5人がブゾーニに個人レッスンをしてもらったことのある5人ということになります。

● ミヒャエル・フォン・ツァドラ
レシェティツキーとブゾーニの弟子でブゾーニ協会の設立者でもあります。彼はブゾーニの死の床でメンデルスゾーンの無言歌を弾いてあげたとのこと。ちなみに復刻レーベルのAPRが彼の全録音を復刻してます。

● レオ・シロタ
シロタが師を決める際にパデレフスキ、ゴドフスキ、ホフマン、ブゾーニに演奏を聴いてもらい4人ともシロタを弟子として迎えると言いましたが、シロタはブゾーニを選びました。日本にブゾーニのピアニズムを伝えた日本ピアノ界の大恩人でもあります(園田高弘も弟子のひとり)。ここに含まれる「アドノス」(トラック4)は本来30分はかかる大曲ですが、15分程度で録音がカットされています。完全な形の録音もあるみたいなのでそれも是非復刻して欲しいです。

● エドワルト・ヴァイス
ブゾーニと12年に渡って親交をもったヴァイスです。シベリウスに「私のピアノ作品の理想的な演奏者」と言われています。彼は一晩でリストの巡礼の年全曲を演奏することでも有名だったそうです。ここに収録されているブゾーニ編曲の伝説第2曲は未出版なので非常に貴重です。

● エテルカ・フロイント
兄はフランツ・リストの弟子ロベルト・フロイントです。兄ロベルトの影響も大きかった彼女も間接的にリストのピアニズムに触れていると言ってもいいでしょう。彼女はイシュトヴァーン・トマーン、レシェティツキ、ブゾーニに師事することになります。なお彼女は作曲家バルトークの親友だったのですが、アラン・エヴァンスによるとブゾーニをバルトークへ紹介したのは彼女だったそうです。
フランツ・リスト→イシュトヴァーン・トマーン→エテルカ・フロイント 

ちなみに第2巻にはカルロ・ゼッキ演奏による「レジェレッツァ」が収録されています。 


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ミッチ at 20:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)